2009年7月5日 (日) 掲載

◎江差かもめ島まつり開幕

 【江差】江差に真夏の訪れを告げる第56回江差かもめ島まつり(主催・江差観光コンベンション協会)が4日、開幕した。午後4時からは「江差音頭千人パレード」が新地町の繁華街を出発。江差港や日本海を望む北前坂、歴史的景観が整備された「いにしえ街道」を経て、かもめ島までの道中を優雅に練り歩いた。

 パレードには地域住民や江差高校の3年生、桧山支庁、江差信金、町内の福祉施設などから大勢の踊り手が参加。青、白、黄色といった色とりどりの浴衣と編み笠姿で優雅な踊りを披露。沿道に詰め掛けた多くの観客を楽しませた。

 同日は、かもめ島入り口にある、高さ約10メートルの「瓶子岩(へいしいわ)」で、漁業の安全と繁栄を祈る「大しめ縄飾り」も執り行われた。漁業者が作り上げた長さ約30メートル・重さ約500キロもの大しめ縄を下帯姿の若者が岩によじ登って飾り付けた。

 イベント2日目の5日は、午前9時半から江差港南ふ頭で「第31回全道北前船競漕(きょうそう)大会」が開幕。同島では午後2時から歌手の三田明さんらの歌謡ショーも開かれる。問い合わせは同協会TEL0139・52・4815へ。(松浦 純)



◎磨光小で恒例の「ソーメン流し」

 函館磨光小学校(須藤由司校長)で4日、同小PTA(長谷川工会長)が主催する恒例行事「ソーメン流し」が行われた。子どもたちは約70メートルの長さの半円筒のパイプに流されるソーメンを鮮やかにキャッチしては、おいしそうに口に運んでいた。

 同校では1995年に旧校舎内の傾斜のある廊下を利用して、初めてソーメン流しに挑戦。校舎新築後の98年からは、敷地内の緩やかな坂道を利用し、毎年この時期に行っている。

 この日は「土曜参観日」として、午前中に学習公開と親子レクリエーションを行ったあと、待望のソーメン流しがスタート。父親らが前日から念入りにセッティングしたパイプに、母親らが朝からゆでたソーメンが水と一緒に注がれると、滑るように下流に流れていった。箸(はし)を持って待ち構えていた子どもたちは、次々とすくい上げていった。

 牧野翔君(3年生)は「今年で三回目なので、ソーメンをつかむこつが分かった。みんなで一緒に食べると楽しいし、おいしい」と笑顔を見せていた。

 須藤校長は「今日は雨が降らなくて本当によかった。PTAのみなさんが毎年熱心に協力してくれ、子どもたちも心から楽しんでいる。今後も磨光の伝統行事として続けていきたい」と話していた。(小川俊之)



◎海洋都市機構、初の事業を内閣府が採択

 4月に発足した函館国際水産・海洋都市推進機構(伏谷伸宏機構長、木村孝男代表理事)が主体となって国に申請した「はこだて『水産・海洋』で元気なまちづくり推進事業」が、内閣府の「地方の元気再生事業」に採択された。事業は2年間で、初年度の事業費は2800万円。

 内閣府が昨年度から実施している事業で、本年度は全国696の提案から191件が採択された。道南からは松前・上ノ国・江差3町広域観光推進協議会が申請した事業も採択された。

 函館の事業は、同機構が事業主となり、産学官で実施主体となる「元気なまちづくり推進協議会」(会長・藤原厚函館水産連合協議会会長)を設置。5つの研究テーマを実行する5つの分科会を設ける。

 研究テーマは「ITを利活用した水産業の活性化」「都市漁村交流と食育を介したブランドづくり」「函館イカ産業クラスター高度化による地域活性化」など。インターネットによる情報発信や取引による水産物流通量の拡大、イカやホタテなどの残滓(ざんし)の利活用、イカに関する産業や技術の集積などに向けた取り組みを進める。

 同機構が事業主となる初の事業となり、伏谷機構長は「水産・海洋をテーマに函館の活性化と人材育成を進めたい」と話している。

 技術開発などのほか、都市と漁村の交流などソフト面の事業も進めるのが特徴。事業に参画する市民団体「みなとまちづくり女性ネットワーク函館」の折谷久美子代表は「生産者と消費者の交流を進め、子どもたちがコンブやイカについて学ぶ活動などを行い、水産のまち・函館を語れるようにもらいたい」と意欲を語っている。(高柳 謙)



◎ファミリーハウス「気軽に使って」

 「ファミリーハウス」を知っていますか―。病院に入院する患者に付き添う家族らが低料金で宿泊できる施設だ。道内は札幌のNPO法人の呼び掛けで、下宿やアパートなどの所有者が協力し、善意で部屋を貸している。函館では4月から市内港町3の阿部久さん(53)が元下宿「あかつき荘」の空き室を提供し始めた。市内には3施設の登録があるがまだ認知度が低く、阿部さんは「気軽に利用してほしい」と呼び掛けている。(宮木佳奈美)

 ファミリーハウスは子どもが小児がんなどの重い病気で地方から都市部の病院に長期入院する際、アパートやホテルに滞在しなければならない家族の経済的、精神的な負担を軽減しようと始まった運動。1974年に米国フィラデルフィアに建設された「ドナルド・マクドナルド・ハウス」がモデルで、91年に東京の小児がん患者の家族が始めた。道内はNPO法人「北海道ファミリーハウス」(札幌)が中心となって運動を推進する。

 「あかつき荘」は阿部さんの母親が数年前まで営んでいた下宿。母親が高齢のためやめたが、ファミリーハウスとして使えるようリフォームした。阿部さんは「まだ使える建物を困っている人のために活用したい」と語る。市立函館病院(港町1)まで徒歩で約15分の場所に位置し、毎日の通院が困難な患者や付き添い人が宿泊、休息できるようにする。

 全7室のうち一部は賃貸だが常時ファミリーハウス用の部屋を確保。6畳の洋室でトイレ、シャワー、洗濯機、台所、ガスコンロ、炊飯器、電子レンジなどは共同利用となっている。料金は1泊2000円で冬季(11―4月)は暖房費がかかるため2800円。1室に2人宿泊する場合は2人目が半額、10日以上滞在する場合も割り引きになる。

 市内には「あかつき荘」をはじめ、下宿「一竹」(海岸町)など3カ所あるがまだ利用者は少ない。同法人によると、道内には運動に協力するホテルも含め27施設あり、大学病院などがある札幌市内に利用者が集中する。

 しかし、阿部さんは「函館から車で1時間も走ると医療過疎地になり、毎日の通院や入院患者への付き添いに不便を感じている人もいるのでニーズはあるはず。市内3施設を連携させ、橋渡しもできれば」と話す。

 問い合わせは阿部さんTEL0138・41・5135。札幌市内の施設情報は同法人TEL011・716・4161(月―木曜午前10時―午後4時)へ。



◎プロ野球日本ハム戦に1万8000人が声援

 プロ野球パ・リーグ公式戦、北海道日本ハムファイターズ対福岡ソフトバンクホークス戦が4日、函館市千代台町のオーシャンスタジアムで開かれた。年に1度(2試合)函館で行われる“道民球団戦”を応援しようと約1万8000人のファンが来場し、熱い声援を送った。

 この日は交流戦後、初めてとなるパ・リーグの首位攻防戦となったことや、3月に米国で行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場した稲葉篤紀外野手(日本ハム)、川崎宗則内野手(ソフトバンク)らのスター選手が出場するとあり、スタンドは満員となった。

 試合は日本ハムがWBCに出場したソフトバンクの杉内俊哉投手から3点を奪うも、3本塁打を打たれ3対7と逆転負けを喫し、首位日本ハムと2位ソフトバンクのゲーム差は0・5に縮まった。

 5日は午後1時から、同球場で開かれる。(山崎純一)