2009年7月6日 (月) 掲載

◎“一瞬”逃さず やぶさめに大歓声 どさんこフェス

 「第5回どさんこフェスタin函館2009」(「どさんこワールド函館」をつくる会実行委主催)が5日、緑の島で開催された。目玉の「第5回やぶさめ競技函館大会」には約40人が出場。砂ぼこりを上げて疾走する馬から矢を放つ選手に、大きな声援が送られた。

 本道の開拓に活躍したドサンコ馬(和種馬)の歴史や文化を知ってもらおうと2005年から開かれている。やぶさめは、全長180メートルのコースの中にある3つの的を馬上から狙う。武具などを身にまとった選手は腰に付けた矢を素早くつがえ、的中させると拍手が送られた。

 このほか、来場した子どもたちを対象に模型の馬をつかったやぶさめに挑戦するコーナーや、ドサンコ馬と人とのかかわりを知ってもらおうと、馬の文化の紹介のほかや駄(だん)付けの実演が行われた。また、五稜郭公園で開催中の函館野外劇が箱館戦争の殺陣(たて)を実演した。

 初めて来場した七飯町大中山の主婦佐伯栄子さん(38)は「ドサンコ馬と、体の大きいばん馬を間違えて考えていたので、かわいいドサンコ馬の姿に驚いた。やぶさめを見るばかりでなく、体験コーナーもあり良いイベントだと思う」と話していた。(山崎純一)

 【写真】やぶさめ大会で馬上から的を狙う選手



◎観光客数1000万人割り込む 調査以来最低に

 渡島支庁はこのほど、2008年度の管内観光客の入り込み客数と訪日外国人宿泊者数を発表した。観光客数は973万5800人で、07年度の1052万200人を78万4400人下回り、対前年比7・5%の減少。1997年の調査開始以来初めて1000万人を割り込んだ。燃料高騰や経済状況悪化など複数の要因が直撃したとみられる。一方、外国人の宿泊者数も燃料サーチャージの高騰や円高などの影響で5年ぶりに減少となった。

 観光客の入り込みを月別に見ると、4月がサクラの開花時期が早まった影響から対前年比8・4%増の70万2700人となっているが、5月から翌年3月まではいずれも対前年比4・6―14・1%の減少。特に高速フェリーが全面休止となった11月以降は経済状況の悪化も重なり減少幅の大きさが目立つ。

 観光客の構成比は、道外客が477万2400人(同8・3%減)で全体の49・0%、道内客が496万3400人(同6・6%増)で51・0%とほぼ同数。日帰り客数は645万9700人(同8・4%減)で全体の66・3%、宿泊客数は327万6100人(同5・5減)の全体の33・7%となっている。

 市町別にみると、函館市が25万6200人減、七飯町が25万1900人減、北斗市が13万2700人減と3市町で管内全体の減少数の約79%を占めている。

 訪日外国人の宿泊者数は6万2625人で、調査開始以来最高だった前年度の7万8315人から20・0%減と、5年ぶりの減少となった。国別宿泊者数では台湾が2万2740人とトップだが、対前年度比34・6%減と約3分の2に落ち込んだ。2位は韓国の1万2109人で同17・0%減。以下、3位の香港が5650人で同36・7%減。4位のシンガポールは4505人で29・3%増。5位のアメリカが3316人で同29・3%増。6位の中国は3228人で同9・5%減。このほか、マレーシアが前年比約3・6倍の1212人、タイが同2・0倍の683人と増加が目立っている。(小川俊之)



◎体験型ドライブラリー展開 池見石油店とNAC

 函館市内でガソリンスタンドなどを展開する池見石油店(石塚大社長)では、後志管内倶知安町のニセコ・アドベンチャー・センター(NAC、ロス・フィンドレー社長)と共同企画で体験型ドライブ「函館発ニセコドライブラリー」を31日まで展開している。石塚社長は「函館の人は北海道の楽しむ機会が増え、道外の人には函館を拠点にして本道南西部の自然を満喫する旅が増える足掛かりとなれば」と話している。

 フィンドレー社長は、国土交通省が観光地の魅力を高め、観光振興を成功させた人とする「観光カリスマ百選」に認定されている。両社長は数年前から親交があり、道外からの旅行者が、函館やニセコを通過点とする傾向が多くなったことから、滞在や体験型の旅を提供し、両地域が発展することを以前から考えていた。「函館で本道の歴史、文化を学び、世界が認めるニセコの大自然を体験することで、北海道の魅力を満喫できると思う」と石塚社長。

 今回は、道縦貫自動車道の八雲インターチェンジ(IC)―落部IC間が2010年度、落部IC―大沼ICが12年度の開業予定であることに加え、自動料金収受システム(ETC)の割り引きもあり、ドライブラリーを実施することにした。石塚社長は「車での所要時間が少なくなったことから実現可能となった。今回は試験的な実施だが高速道の本格開通に合わせ、さらに内容を充実させていきたい」と意欲を見せる。

 ラリーは、ニセコ周辺に関するクイズが4問出題され、NACでスタンプをもらってくる。クイズの内容は池見石油店の社員が実際にドライブし、考案したという。ラリーポイント以外は自由にドライブを楽しめる。

 スタート、ゴール地点はイケミ桔梗店(桔梗1)、十字街店(豊川町10)。参加は自家用車や池見石油店のレンタカー(車レン太)で可能。費用は無料。イケミ十字街店へ電話で申し込む。参加者の得点として抽選で「iPod shuffle」が1人に当たるほか、NACの体験メニューが1割引き(要予約)、ゴール時のガソリンが1リットル10円割引になる。

 問い合わせ、申し込みはイケミ十字街店TEL0120・836・215。(山崎純一)



◎景色楽しみ 心地よい汗 道南ファミリーサイクリング大会

 日本自転車普及協会(阿部毅一郎会長)と道函館バイコロジーをすすめる会(金沢浩幸会長)が主催する「第20回道南ファミリーサイクリング大会」が5日、函館市の東部・東央地区で行われ、参加した親子ら125人は澄み切った空の下、仲間とのサイクリングで心地よい汗を流した。

 同大会はタイムは競わず、あくまでサイクリングを通じた健康増進と、交通道徳の高揚を参加者に促すため「2009年度自転車月間」の事業として、毎年行われている。ゆっくりとした走行を楽しんでもらおうと、速度は15―20キロとなっている。

 高松町の高松ふれあい広場に集合した参加者は、スタート前からうきうきした様子。長い列を作って同広場を出発し、旭岡町、戸井町などを回る46キロコース、35キロコースなど3コースに分かれた。磯の香りや津軽海峡の大海原が広がる国道278号沿いの根崎町、新湊町などでは、親が子どもを先導したり、逆に親が息子の後ろに続いて様子を見守るほほ笑ましい光景が広がっていた。(長内 健)



◎事務所開設 専任職員2人を採用 新幹線開業対策推進機構

 函館の官民でつくる「北海道新幹線新函館開業対策推進機構」(会長・森川基嗣函館商工会議所副会頭)はこのほど、同会議所(若松町)3階に事務所を開設した。専任職員2人を新たに採用し、開業効果を最大限高めるためのアクションプラン(行動計画)の実現に向けて業務を開始した。

 同機構は昨年11月、2015年の北海道新幹線開業を前に、経済効果を発揮するための26施策を盛り込んだアクションプランを策定。本年度から実行段階に移っている。プロパー職員を配置した事務所を設けることで同機構が進める事業計画を推進させる狙いだ。

 専属職員は国の「ふるさと雇用再生特別対策推進事業」に基づき、市からの受託業務の形で新規雇用した。6月上旬から募集し、応募者47人の中から書類審査や面接などを経て、ともに函館出身の竹村和人さん(46)と鈴木理恵さん(38)を採用した。

 前職はホテルの営業マンだった竹村さんは「北海道新幹線を市民に定着させ、6年後の開業をPRするため営業経験を生かしたい」。航空会社の契約社員として札幌で働いていた鈴木さんは「十数年ぶりに戻ってきた函館は活気が失われていた。外からの視点で郷土の発展や産業振興の一助になれば」と意気込む。

 2人はアクションプランの具現化に向け、施策の優先順位などを定めたロードマップづくりや市民向けの概要版の作成するほか、セミナーやフォーラムの開催、新幹線開業にちなんだ駅弁の開発などに取り組む。(森健太郎)