2009年7月8日 (水) 掲載

◎森でラベンダー見ごろ

 【森】森町上台356の園芸農園「波多野エクスバレーガーデン」(波多野克彦さん経営)のラベンダー畑が見ごろを迎えている。紫色の花がじゅうたんのように咲き誇り、訪れた客の目を楽しませている。

 同園は3000メートルの傾斜地に約8000株のラベンダーの苗を植えている。6月末から色づき始めたが、今年は4月に大雪に見舞われたり、降水量不足など天候不順が続いたため、追肥を行って平年とほぼ同時期に開花にこぎつけた。

 晴れた日には駒ケ岳と噴火湾を見下ろせるとあって、訪れた人はロケーションとともに、ラベンダーのさわやかな香りを楽しんでいる。同園の波多野美紀子さんは「涼しい午前中のうちに来てもらえれば」と話している。

 同園では7月末まで花摘みも実施。1袋500円で、時間は午前9時から午後5時半まで。問い合わせは同園TEL01374・2・6441。(千葉卓陽)

 【写真】見ごろを迎えているラベンダー畑



◎マリンフェスとオーシャンウイーク、海の2祭典 初の同時開催

 第14回はこだてマリンフェスティバル(海の日を祝う会主催)が16日から31日まで、函館港をはじめ各施設で行われる。今年は函館開港150周年記念事業として実施し、水産・海洋に関する2年に1度の祭典「オーシャンウイーク」(25―30日、函館国際水産・海洋都市推進機構など主催)と初めて同時開催し、開港記念を盛り上げる。

 マリンフェスは市や函館海洋気象台、函館運輸支局などの関係機関が連携し、毎年実施している。「海の日」(7月第3月曜日)の記念事業を集約した祭典で、こうした取り組みが評価され、市は日本海事広報協会から、本年度の「海の日モデル地区」に認定された。

 19日に恵山岬灯台一般公開、25日に函館海洋気象台施設見学会、30日に豪華客船「飛鳥Ⅱ」市民見学会(申し込み必要)などを開催。25、26の両日には市臨海研究所(大町13)で「海のスイーツ」をテーマにしたケーキサミットを開く。マリンブルーの色をしたケーキなどアイデアあふれるスイーツが並ぶ予定で、ガゴメを利用した商品と併せて展示即売する。

 連動するオーシャンウイークは3回目の開催。航海訓練所の練習帆船「日本丸」が西ふ頭に入港し、25日午前10時からカラー放水と巴太鼓で歓迎する。同日午後1時から帆を広げるセイルドリルを披露し、26日に一般公開。同日は西ふ頭を会場に多彩なイベントを開催し、緑の島からシャトルバスを運行する。臨海研究所など3カ所を巡るスタンプラリーや水辺の生物と触れ合うイベントなどを用意し、露天の軽食コーナーも並ぶ。

 函館市や海洋都市推進機構は「2つの祭典を盛り上げ、8月の港まつりや開港記念メーンイベントにつなげたい」と話している。

 函館地区クルーズ振興協議会は30日午前11時から港町ふ頭で実施する豪華客船「飛鳥II」(約5万トン)の見学会の参加者を募集している。定員は100人で、10日必着。

 往復はがき1枚で2人分まで申し込みができ、①代表者の住所、氏名、年齢、電話番号②同行者の氏名、年齢を明記し、〒040―0061 函館市海岸町24の4 函館運輸支局「飛鳥II」係へ。抽選で選び、当落の結果は17日ごろに発送する。(高柳 謙)



◎七夕祭り、市内各所で催し

 函館市内では7日、七夕祭りが行われた。色鮮やかな吹き流しや短冊など、みやびな飾り付けが並んだ家や町会館前では、かわいい浴衣姿の子どもたちが大勢集まり、菓子をもらうなどしてにぎわいを見せていた。

 10年ぶりに本格的な七夕祭りを行った元町町会(上野伊和夫会長)では、女性部の役員らが約1週間掛けて飾り付けを用意。同日朝、会館前に設置した。

 午後5時を過ぎると、親に手を引かれた子どもたちがぞくぞくと姿を見せ始め、「ろうそく一本ちょうだいな―」と元気良く歌い、菓子を受け取った。子どもたちのはじけた笑顔に町会員も「かわいいね」「また来るんだよ」とにっこり。

 上野会長(75)は「町内の児童は年々減っているが、こうして子どもたちの喜ぶ姿を見ると、やって良かったと思う。来年も実施したい」と笑顔で話していた。

 函館青柳小1年の佐藤陸君(6)、穂ちゃん(4)きょうだいは「お菓子をもらってすごいうれしい」と元気に話していた。

 函館市弁天町の大黒通りでは、毎年恒例の「七夕まつり」が開かれた。イベント会場の大黒ひろばでは子どもたちが短冊に願い事を書いてササに飾り、親子で太鼓演奏や絵本のスライド上映などを楽しんだ。

 21回目を数える今年も実行委が子どもたちを集めて「竹に短冊七夕祭り…」と歌いながら通りを練り歩く七夕行列で幕開け。会場では七夕の「七つ飾り」の由来を説明したほか、地域の学童保育所「ちびっこクラブ」の児童が太鼓を演奏した。

 また、船見町の実行寺の史実に基づいた絵本の上映、函館水産高校の生徒による宮沢賢治作「銀河鉄道の夜」の朗読も行われ、最後は男性音楽ユニット「りぼん」、ムックリ横内さんのライブで締めくくった。

 会場に用意されたササには、「足が速くなりますように」「サッカー選手になりたい」などの願い事が書かれた短冊がずらり。父親と参加した市内の高島貴之ちゃん(4)は「お菓子いっぱいもらった。パパと一緒に食べる」と笑顔で話していた。

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 元町白百合幼稚園(須田光子園長)の園児約30人は、七夕に合わせて実施された「ロウソク出しても振り込まない」作戦に参加し、ろうそくや菓子をもらった家庭などに振り込め詐欺防止などの啓発うちわを手渡した。

 函館西署の振り込め詐欺被害防止ネットワークの一環で初めて行われた。子どもたちはゆかたなどを着て保護者と一緒に市内弥生町を中心に回り、大きな声で「竹に短冊…」から始まる歌を合唱。菓子をもらうと満面の笑顔だった。そのお礼として「気をつけてね」と言いながら「振り込め詐欺撲滅宣言」や「みんなで守ろう子どもたち」などと書かれた3色のうちわをプレゼントしていた。(宮木佳奈美、長内健、小杉貴洋)



◎新型インフル、新たに2人の感染確認

 函館市内を訪れていたインドネシア人女子高校生への新型インフルエンザ感染が確認されたことに関連して7日、この女子生徒と同じグループで市内と近郊に滞在していたインドネシア人男子高校生2人(ともに16歳)の感染が新たに確認された。市立函館保健所の山田隆良所長は「一般市民への接触は少なかった」として、地域住民への感染拡大の可能性は低いとしている。

 同保健所によると、男子生徒2人は5日夕方から6日早朝にかけて発熱など体調に異常が起き、6日に市内の感染症指定医療機関を受診。新型インフル感染の疑いがあるため入院していた。道立衛生研究所(札幌)の遺伝子検査(PCR検査)で7日夕方に感染を確認した。

 7日現在、3人の容態は快方に向かっている。同保健所は男子生徒2人がホームステイしていた函館と近郊の2家族3人の健康調査を行っており、異常は確認されていない。また同日、同グループの生徒20人と引率者ら3人は航空機で離函。感染者3人は容態が安定すれば、残る通訳ら3人と共に8日にも帰国の途につく。(小泉まや)



◎北斗市並行在来線特別調査委、本格論議始まる

 【北斗】北斗市議会の第2回並行在来線問題に関する調査特別委員会(蠣崎孝委員長)が7日開かれ、北海道新幹線開業後にJR北海道から経営分離される江差線の五稜郭―木古内間(37・8キロ)についての本格論議が始まった。市は「住民の足を守りたい」と、鉄路維持の基本方針を改めて示した。また、委員側からは今年11月をめどに第三セクターで運営する東北地域の3路線を現地視察する意向が示された。(千葉卓陽)

 並行在来線をめぐっては、道、函館市、北斗市、木古内町で組織する道南地域並行在来線対策協議会(会長・高橋はるみ知事)が昨年度収支予測調査を行い、三セクで路線を維持した場合30年間で100億円を超える巨額の累積赤字を抱え、バス転換した場合は約12―24億円程度に抑えられるとの見通しを示している。

 これを受け、委員会では市側が同協議会での協議経過に加え、収支予測調査と将来需要予測の結果を報告。各委員からは「特別委としても、鉄路を残すためのバックアップを今後行った方が良いのでは」などの意見が出た。

 市の三国谷新一総務部長は現状の路線を維持したいとの考えに立った上で「利用しやすい対応が集客につながる。将来人口と輸送人員がともに減ることを踏まえ、新駅設置など新たな顧客の獲得も今後考えていく必要がある」との見解を示した。

 また、蠣崎委員長は今年11月中旬をめどに、JRから経営分離して三セクで運営されている三陸鉄道(岩手県)、IGRいわて銀河鉄道(同)と青い森鉄道(青森県)の3路線を現地視察する意向を示したが、結論は持ち越しとなった。蠣崎委員長は取材に対し「運行形態と利用状況、各地の住民の意向を探りたい」と話している。