2009年8月25日 (火) 掲載

◎「五輪で金メダル取る」アルペンスキー佐々木明選手、ファンに宣言 地元・北斗で激励会

 【北斗】日本アルペンスキー界のエースで北斗市(旧大野町)出身の佐々木明さん(27)の激励会が15日、同市中野通2の北斗市総合文化センターで開かれた。五輪が開催される今季の展望を語るトークショーやサイン会が行われ、地元のファンら約250人と交流した。

 佐々木さんはこれまで五輪に2回出場。世界最高峰の大会ワールドカップでも2位に3回入るなど世界を舞台に活躍している。来年2月のバンクーバー冬季五輪では、アルペン競技で日本人54年ぶりのメダル獲得が期待されている日本代表の中心選手。

 初めに後援会会長の海老沢順三北斗市長が「北斗市民5万人が応援しているので頑張って」とあいさつ。続いて、佐々木さんと親交のあるサロモン事業部の小倉進さんと対談形式のトークショーが行われた。

 佐々木さんはけがに苦しんだ昨季を振り返り「どんなことがあっても気持ちを保って戦えたことが収穫」と話し、バンクーバー五輪については「ワールドカップとは異なり、メダルを取ってナンボ。金メダルを取りに行くので期待して」と宣言。また「2014年のソチ五輪ではスキークロスとアルペンの2種目で世界一を目指す」と早くも五輪後の展望まで語った。このほか花束や記念品贈呈なども行われた。

 花束を渡した北斗市渡小3年の鈴木佳南さんは「かっこよかった」と笑顔。佐々木さんの父親の悦郎さん(61)は「地元の人がこんなに集まってくれて本当にありがたい。本人にとって大きな力になる」と話していた。(山田孝人)



◎衆院選公示前最後の週末 各候補、支持拡大へ熱い訴え

 18日の衆院選公示(30日投開票)前の最後の週末を迎えた15日、道8区への立候補予定者は精力的に街宣活動や街頭演説を行ったり、会合やイベントに参加するなどさまざまな方法で支持拡大に奔走した。前例のない真夏の決戦に向け、各候補予定者とも蒸し暑い天候の中で額に汗を流しながら、力いっぱい声を張り上げて掲げる政策を熱く訴えた。

 民主党前職の逢坂誠二氏(50)は15日、後志管内ニセコ町にある亡き母の墓参りを済ませ「手を合わせて虚心坦懐(たんかい)になって選挙戦に臨む決意を新たにした。おふくろもきっと見守ってくれている」と必勝を期す。

 夕方からは函館の地域経済情報誌のパーティーに出席。地元政財界の幹部に支持を呼び掛けた。お盆休み真っただ中とあって街頭演説は手控えた。16日には開港150周年記念イベント会場に出向く予定だが、「頑張りが逆効果になっては困る」(陣営関係者)と慎重。逢坂氏は「公示後の仕切り直しで一気に機運を高めたい」と強調する。

 自民党新人、福島啓史郎氏(63)は、函館市内全域で街宣活動を行うとともに、上湯川団地など市内4カ所で演説会を実施。経済の立て直しと安心できる年金や医療制度の実現を強調しながら、「将来性の見えない政策を掲げる民主党には日本を任せられない」と訴えた。

 また、例大祭でにぎわう函館八幡宮(谷地頭町)でも、有権者に名刺を配るなどした。16日も街宣活動を続ける。福島氏は「どの地域の住民からも、家計の苦しさや将来の不安を訴える声が非常に多く聞かれた。その思いに応えるためにも頑張らなければ」と決意を新たにしていた。

 無所属新人の佐藤健治氏(52)は午後1時ごろから市内本町や美原で、北朝鮮拉致被害者の救済を訴える街頭演説を行い、チラシを配りながら支援を呼び掛けた。終了後、佐藤氏はいつも通り周辺のごみ拾いをし「最後まで戦い抜く」と選挙戦への決意をにじませた。

 前日の14日は佐藤氏の52歳の誕生日で、この日に合わせ、選挙戦の公約を発表する記者会見を行った。高齢者の生活を保障する年金の手取り額の確保や子育て世代の所得アップ、漁村、農村の集落を維持する生活保障などを挙げ「有権者の声を国政に届けていきたい」と述べた。

 幸福実現党新人、西野晃氏(32)は午前10時半、函館市的場町の選挙事務所で決起大会を開催。内山賢治後援会長ら約20人の支持者とともに、選挙戦に向け決意を新たにした。西野氏は「厳しい戦いだが、日本の未来を背負えるのは私しかないという決意でまい進する」と力を込めた。

 最後に街宣副部長の三口亮さんのギター伴奏で、歌手・錦野旦さんの歌「空に太陽がある限り」を熱唱。支持者が手拍子とバックコーラスで応え、選対の一体感は高まった。午後は鹿部漁港で開かれた「しかべ海と温泉のまつり」会場を訪れるなど、最後まで知名度向上に努めた。(衆院選取材班)



◎終戦記念日 戦没者追悼 トラピスチヌ修道院で平和の祈り

 64回目の終戦記念日の15日、函館市内では戦没者を追悼し、平和を願う催しが各地で行われた。参加した市民らは戦争を二度と繰り返さないよう、平和への誓いを新たにした。

 上湯川町のトラピスチヌ修道院では「世界平和のための祈りの集い」が開かれた。昨年に続き聖堂に隣り合う信者聖堂を一般市民に開放。鐘の音が響き渡る中、市民約20人が修道女らとともに祈りをささげた。

 聖堂では54人の修道女が賛美歌を歌ったり、詩編を唱和したりしたほか、共同祈願として「各国の武力の均衡による平和ではなく、完全な核廃絶によって恒久の平和を」と唱えた。最後に修道女5人が「平和の鐘」を計150回鳴らし、市民と一緒に黙とうした。

 青木秀子修道院長は「この日に平和を一緒に祈りたいという市民がいる限り、今後も続けていきたい」と語り、初めて参加した市内日吉町の男性(47)は「厳かというより柔和な雰囲気があり、平和や戦争について考えるいい機会になった」と話していた。(森健太郎)


◎終戦記念日 戦没者追悼 函館ユネスコ協会 平和の鐘響く

 函館ユネスコ協会(関口昭平会長)は、今年で9回目となる「平和の鐘を鳴らそう」を行った。市内9カ所の寺院や教会で午前11時半から一斉に始まり、市民が鐘の音に平和への祈りや願いを託した。

 2000年にユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が提唱し、国連が定めた「平和の文化国際年」に関連した事業を、毎年この時期に全国各地で行っている。同協会では、終戦記念日の15日に合わせて鐘を鳴らすイベントを実施している。

 会場の一つとなった本願寺函館西別院(東川町)には同会員や市民ら約50人が集まった。始めに関口会長が「64年前に日本はけんかのない国となった。これからも維持していくためには振り返る日が必要。そのための大切な事業」と子どもたちにも分かりやすく趣旨を説明し、鐘つきに移った。

 2回目の参加という宮前町の無職、山岸京子さん(84)は「終戦のことを思うと胸がいっぱいになる。夫は無事に帰ってきたが、家族に召集令状が届くような悲惨な世の中はもうこりごり。いつまでも平和が続くように活動に参加していきたい」と話していた。(小杉貴洋)


◎終戦記念日 戦没者追悼 函館護国神社で慰霊祭

 青柳町の函館護国神社(真崎不二彦宮司)では「戦没者追悼平和祈願式」(函館市連合遺族会主催)が開かれた。厳かな雰囲気の中、戦没者の遺族ら42人が参列し、失われた尊い命や平和への思いを新たにした。

 同祈願式は終戦後の1946年に始まった。50年からは同会(木村勝英会長)によって毎年執り行われている。

 参列者が一人一人玉ぐしをささげ、手を合わせた。国歌斉唱、真崎宮司による祝詞奏上の後、1歳の時に父が戦死したという木村会長(72)が「この日は64年間の歳月が流れても忘れることができない特別な日。わが国の安泰を築いてくれた戦没者への思いを胸に、日本の平和と文化を守り続けます」と述べた。

 沖縄で夫が戦死したという同市在住の福士キチヨさん(90)は「祈願式には毎年来ている。戦争は2度とあってはならないし、戦争のつらさももう味わいたくない」と話していた。(長内 健)