2009年8月18日 (火) 掲載

◎衆院選きょう公示 政権交代など争点

 第45回衆院選は18日、公示される。道8区(渡島・桧山管内)には、民主党前職、逢坂誠二氏(50)、自民党新人、福島啓史郎氏(63)、無所属新人、佐藤健治氏(52)、幸福実現党新人、西野晃氏(32)の4人が立候補を予定している。政権交代を最大の争点に、30日の投開票に向け、12日間の選挙戦に突入する。

 逢坂氏は、今期限りで引退した金田誠一氏の後継として2007年11月、擁立が決まった。05年11月の前回選挙では比例単独で当選、小選挙区は初めての挑戦となる。

 全国的な民主への追い風のほか、8区では保守分裂や共産党の候補者擁立見送りが有利に作用するとの見方が強いが、陣営は「最後の最後まで油断しない」と引き締める。逢坂氏も、元ニセコ町長の経験から、構造改革で地方が受けた弊害などを指摘し、「政権交代で日本の大掃除を」と訴えている。

 福島氏は元農水官僚で参院議員を1期務め、昨年9月に自民党道8区支部長に就任。1年間で道南を10回ほど回り、知名度アップを図り、課題だった連合後援会も6月に発足させた。

 漁業・農業の振興、新幹線時代に対応した高速交通体系の整備と観光振興、地熱発電などの新エネルギーの開発拠点化などを掲げ、「疲弊した道南を再生するには、保守融和による自民党議席の奪還というチェンジ(変革)が必要」と訴える。

 佐藤氏は3回目の挑戦で、前回と前々回は自民党公認で出馬した。03年の前々回選挙は保守分裂で敗れ、前回は民主党の金田氏と事実上の一騎打ちをしたが、約2万票差で敗退した。

 「保守ではなく、道南の市民党」(佐藤氏)を掲げ、4年間の草の根選挙で有権者の声を広く聞いた。「疲弊した地域や集落を維持し、国際的な観点からは北米とアジアを結ぶ津軽海峡を持つ利点から港湾整備が必要」と訴える。

 西野氏は、宗教団体「幸福の科学」を支持母体に、知名度向上や支持拡大に努めている。消費税の廃止と、北朝鮮の核ミサイルに対抗するための国防強化を訴える。

 選挙区候補を立てない公明党は、自民党の福島氏を推薦しないことを発表し、自民党から再度、推薦要請を受けて折衝中。自民との選挙協力が成り立つか不透明だが、比例候補の8区得票目標を4万票に設定している。

 共産党も前々回に失った比例候補の議席獲得に全力。8区で2万9500票を目標にし、18日に比例候補が函館入りする。選挙区の投票は自主投票。

 社民党も比例区で議席獲得に全力。8区で前回(約1万3300票)並みの得票を目指し、18日に比例候補が函館から遊説をスタートさせる。(衆院選取材班)



◎函館地裁管内、裁判員候補 来年1800人

 函館地裁は17日、2010年の裁判員候補者名簿に登録する人数を1800人にすると発表し、同地裁管内21市町村(渡島、桧山と後志支庁の一部)の各選管に割当数を通知した。管内全体の有権者は6月2日現在41万3031人で、名簿に記載される確率は約229人に1人となる。

 09年は制度がスタートした5月21日からの約7カ月間のため、候補者数は管内全体で1500人だったが、初めて通年で裁判員裁判が実施される10年は300人増やした。

 管内で過去5年間の平均対象事件数は13・6件。最も対象事件が多かったのは07年の23件で、05、06年は各9件と少なかった。1件当たりに必要な裁判員数は約100人程度と見込み、辞退者数を勘案して多めに見積もっている。

 候補者数は、有権者数の比率で各市町村に割り当てて配分。函館市の場合は1039人で、有権者232人に1人の割合となり、管内市町村で最も可能性は小さい。以下有権者の多い順に、北斗市172人、七飯町104人、八雲町70人と続く。逆に少ないのは島牧村の8人、黒松内町、奥尻町が各13人、寿都町14人で、黒松内町は最も可能性の高い206人に1人が記載される。

 今後、各市町村の選管が必要人数を抽出し、候補者名簿を作成。新たな候補者には11月下旬ごろに最高裁から名簿記載通知や事前の調査票が郵送される予定。新しい名簿は10年1月1日から12月31日までの1年間に起訴された重大事件の裁判員裁判に使用される。(今井正一)



◎山車会館整備に1億950万円 江差、来春オープン

 【江差】江差町議会の第7回臨時会が17日に開かれた。町が江差追分会館に併設する「山車会館(仮称)」の整備費として総額1億950万円を計上した一般会計補正予算案を可決、閉会した。早ければ9月中旬にも着工。来年4月のオープンを予定している。

 山車会館は、姥神大神宮渡御祭の山車を展示公開する。追分会館裏手の江差港に面した町有地に建設する。双方の施設を渡り廊下で接続し、追分会館職員が管理を行う。施設は鉄骨造の2階建て。延べ床面積は約400平方メートル。1年交代で常時2基の山車を展示する方針で、町内13の山車保存会と協議している。

 館内では、貴重な山車を保護するため、内壁はケイ藻土塗りとして、湿度や温度の管理を行う。布製の装飾品などが照明で退色や劣化を起こさないよう、青色発光ダイオードによる照明設備も導入。山車の周囲には高さ1・5メートルの強化ガラス製のフェンスを設けるほか、監視カメラや追分会館職員による巡視も行い管理を徹底するという。館内には幅3・6メートル、高さ1・8メートルの大画面モニターも設置して、祭礼の歴史やにぎわいを映像で解説するほか、13基の山車を紹介するパネル展示も行う。

 9000万円に上る本体建設費は、日本宝くじ協会(東京)が全額助成する。映像設備の整備には、国の経済危機対策臨時交付金から1950万円を充てる。

 補正予算の総額は1億6295万円。経済危機対策臨時交付金による事業15件に5761万円を計上した。同町の交付総額は1億6722万円で約半額を留保した形になる。山車会館関連を除く計上額は3811万円。主な事業は、江差小の耐震改修実施設計、南が丘小の外壁補修、豊川町消防団詰所改修、町役場の医療給付事務のシステム化など。本年度の一般会計総額は52億9875万円になる。(松浦 純)


◎ドリームボックス150が閉幕

 8日から9日間にわたり函館港「緑の島」でさまざまな催事を繰り広げてきた函館開港150周年記念事業のメーンイベント「ドリームボックス150」(同事業実行委員会主催)は16日、最後のプログラム「グランドフィナーレ」を行い閉幕した。期間中、約13万人が来場し、コンサートや市民企画のイベント、海上スポーツの体験などを楽しんだ。

 最終日は戸井マグロ解体ショーやYOSAKOソーラン道南大会、公開演武大会・青少年武道体験会などが行われ、約1万3000人が訪れた。午後5時からはグランドフィナーレがスタートし、小中学生が未来の自分や夢を記した手紙をタイムカプセルに収納するセレモニーを実施。市内の小中学生10人が屋外ステージに登り、未来の函館や将来の夢を発表した後、85校802クラス分の手紙をタイムカプセルの中に入れた。タイムカプセルは50年後の2059年、開港200周年にセレモニーで開示される。

 次いで、友井賢太郎ビッグバンドのライブが行われ、約500人の来場者がステージ上で繰り広げられるジャズやヒット曲の演奏を満喫した。

 ライブ終了後、実行委の会長を務める西尾正範市長が「9日間、市民が一つになった。この事業を契機に来年以降も151(いちごーいち)プロジェクトととして新たなまちを作っていこう」とあいさつ。イベントの運営を支えた実行委のメンバーやボランティアスタッフらがステージに登り、記念ソング「あれから そして今」を歌い9日間のイベントの幕を閉じた。(鈴木 潤)


◎20日に函館焼き立てパン研究会が新作小麦のパン販売

 函館市・近郊の製パン業者ら5店舗でつくる「函館焼きたてパン研究会」(吉田信之会長)が20日から、同会専用の道産小麦を使ったパンを各店舗で一斉販売する。地産地消を合言葉に、よりおいしいパンを市民に食べてもらいたいと願う同会員は「ぜひ召し上がって」とPRしている。

 5店舗は今年2月、甘みともちもちした食感が味わえる今金産の小麦「春よ恋」を使用したパンを一斉販売。「すごいおいしい」と大好評だったが元々生産量が少ない小麦だけに約3カ月で在庫切れ。しかしその後もリピーターが絶えず、神戸こむぎ館(同市本町)の店長櫛引豊さん(56)が「在庫切れを理由にお客さんをがっかりさせたくない」と「春よ恋」に代わり得る小麦の開発を決意。5月から約2カ月間、自店で夜遅くまで試行錯誤を重ねてきた。

 「今金産に匹敵する小麦ができた。食パンやデニッシュ、揚げパンなどどんなパンにでも使える」と自信を見せる櫛引さん。この道30年の職人が完成させたのは2種類の道産小麦をブレンドさせたもので、ほかの会員もそのさくさくした食感、適度な甘み、あっさりした味わいにうなずき早速専用粉で試作。中には道南産の「ふっくりんこ」や黒米など、独自色で売り込む店舗も。

 吉田会長(69)は「今後はこれを専用粉に何カ月間も各店舗で販売する。また来年1、2月には再び今金産の小麦が使えるかもしれない」と話している。

 問い合わせは同研究会事務局の坂下章さんTEL0138・41・0105。

 販売店は次の通り。

 ▽神戸こむぎ館(函館市本町28、TEL0138・55・3825)▽フレッシュベーク ヨシダ(同市中島町23、TEL55・4035)▽パン工房元町ぼん・ぱん(同市末広町16、TEL22・8008)▽手作りパンの家こすもす(同市富岡町3、TEL40・8022)▽函館大沼プリンスホテル(七飯町西大沼温泉内プリンスパン工房、TEL67・1111)(長内 健)