2009年8月2日 (日) 掲載

◎港まつり開幕、開港パレードで節目祝う

 港町函館の夏を盛り上げる一大イベント「開港150周年記念函館港まつり」(同実行委主催)が1日、開幕した。市民らが函館の歴史にかかわる人物にふんして練り歩く「箱館開港パレード・高田屋嘉兵衛からペリーへ」で幕開け。5日まで多彩なイベントが展開される。

 港まつりは1935(昭和10)年、前年に発生した函館大火からの復興を願って始まった。この年、函館が開港した1859年から「喜寿」の77年目に当たることから、盛大な祭りとなった。当時は7月に行われたが、1966年から8月に移行した。

 パレードは午後4時すぎに高田屋嘉兵衛銅像前(函館市宝来町)を出発。花泉舞衛社中による高田屋嘉兵音頭や、回転太鼓、ふとんだんじりなどの一行を先頭に、嘉兵衛の7代目高田嘉七さん(78)、第30代ミス函館らが車上から手を振りながら観客の前を通った。また、陸上自衛隊函館駐屯地が製作した山車「黒船号」「開国五カ国号」も加わり、行列を華やかに彩った。

 約1時間でウオーターフロント特設ステージ(同市末広町)に到着し、箱館港歴史セレモニーを実施。留学生たちがペリー提督などを演じ、開港時の歴史劇を披露した。その後の開会式では実行委の木村孝男会長が「函館が祭りに染められて開港150年の節目を祝い、活気づいた市民が喜んでくれることを確信しています」とあいさつした。

 2日は「ワッショイはこだて(十字街・松風コース)」が午後4時15分から行われ、2年ぶりに「青森ねぶた」、新潟、横浜、神戸、長崎の開港4都市の各祭りが第2部に登場する。(山崎純一)



◎新生・丸井今井 函館も始動

 経営再建中の丸井今井(札幌市)からの事業譲渡を受け、三越伊勢丹ホールディングス(HD、東京)の完全子会社となった函館店(函館市本町32)が1日、新会社「函館丸井今井」(菊地敏郎社長)として営業を開始した。

 函館店では開店30分前の午前9時半から、この日出勤した全従業員約400人を集め朝礼を行い、菊地社長は「気持ちも新たに函館のお客さまに愛される店をつくろう」と従業員に呼び掛けた。

 午前10時の開店時にはこれまでの週末よりも多い約50人の買い物客が正面入り口に並んだ。菊地社長らは次々と入ってくる買い物客を出迎え、「いらっしゃいませ」と声を掛けながら深々と頭を下げていた。

 菊地社長は来店した丸井今井OBから激励を受ける一幕もあり、「一時は閉鎖もよぎっただけに、この日を迎えられて感無量。安堵(あんど)とともに、今後の課題に責任も感じる」と話した。「丸井今井」の名前のほか、店内の売り場や商品展開は当面、大きく変わらないという。

 この日訪れた市内柳町の主婦(54)は「三越伊勢丹の経営手法で丸井さんがどう変わるか見もの。これからもひいきにしたい」と期待を寄せる一方、週5日は利用するという別の主婦(75)は「働く人の意識が変わらなければ2、3年後に同じ問題がまた起こりそう。客の目線で品ぞろえやサービスをしてほしい」と注文を付けた。(森健太郎)



◎北村水産がイカ墨入り明太子の販売始める

 函館市大手町9のカニ卸販売「マルキタ北村水産」(北村暢一社長)が、函館開港150周年を記念したイカ墨入りめんたいこ「函館キャビア」(250グラム、1575円)の販売を始めた。函館産のイカ墨で染めた道南の噴火湾産のタラコ。同社は「ほかでは置いていない逸品。熱々のご飯、パスタやお酒のつまみにぜひ」とPRしている。

 「節目の年なんだから、函館を応援できる新しい何かを作ろう」と北村社長が考案。約半年間、従業員とともに試行錯誤を続け、たどり着いたのが、3日間イカ墨パウダーに漬けためんたいこ。その黒さから商品名に「キャビア」(チョウザメの卵)が付くが、チョウザメは一切使用していない。

 気になるその味は、めんたいこ特有の辛い後味がイカ墨のまろやかな風味によって程よく口の中に溶け合う仕上がり。同社の田村貴代美常務(42)は「黒いめんたいこと聞いて初めはみんな目を丸くしたが、食べたらこれが病みつきになる」と勧める。

 同社が経営する末広町、若松町2店の店頭でも販売。ホームページ(HP)でも受け付けるほか、同社が経営する居酒屋「蟹喰楽部(かにくらぶ)」(大手町)のメニューにも近日中に並ぶ予定。HPアドレスはhttp://www.rakuten.ne.jp/gold/kitamurasuisan/(長内 健)



◎ハコトリ先行展示始まる

 函館市内西部地区などの空き屋や店舗を会場とし、国内外のアーティストの作品展示などを行う初イベント「アートフェス・ハコトリ」の先行展示が1日、大門商店街の一部と函館元町ホテルで始まった。日用品や衣類などが並ぶショーウインドーに陶芸や絵画、立体などさまざまなアート作品が飾られ、道行く人の目を引いている。

 市民有志の実行委員会(大下智一代表)が街が活気づくアートイベントをしようと企画。本格展示は8日からだが、港祭りに合わせて会場一部で早めて展示した。

 展示が始まったのは大門の三上参省堂薬局や丸山靴店、渡辺時計店など14店舗で、地元作家ら15人の作品を並べた。リーガル靴店では函館在住の画家、隅田信城さんの絵画3点がショーウインドーに商品と共に飾られ、不思議な光景を作りだしていた。このほか、弁慶力餅の店内にはさまざまな作家の作品を木箱に収めた「ハコトリの木」を展示している。

 大下代表は「ウインドーショッピングしながら、店のショーウインドーに注意して歩いてみて」と話している。

 展示は30日まで。8日からは市内約40カ所で30人の作家の作品やパフォーマンスが展開される予定。(新目七恵)


◎森町、ラジオ体操会に2000人

 【森】本年度の「夏期巡回ラジオ体操・みんなの体操会」が1日早朝、森町青葉ケ丘公園グラウンドで開かれた。町民約2000人が集まり、朝からはつらつと体操に励んだ。

 町、かんぽ生命、NHKなどの主催。ことしの同体操会は7月20日の東京を皮切りに、今月31日まで全国43カ所で開かれる。道南での開催は2007年に七飯町で開かれて以来で、森では初めて。

 午前6時から開かれた体操会では、佐藤克男町長が「日本が世界一の長寿国といわれるのはラジオ体操があるからこそ。皆で体操を励行して、健康づくりを楽しもう」とあいさつした。

 体操指導員による声だしなどのリハーサルを経て、同6時半からはNHKラジオ第1放送での全国中継がスタート。町民は「あたらしい朝が来た」から始まる、おなじみのラジオ体操の歌を合唱した後、ピアノ伴奏に乗って第1体操、第2体操を続けて実施。指導員の動きに合わせながら「1、2、3、4!」と元気な声を出し、きびきびと体操を行った。

 道南ラジオ体操連盟の中村弘会長は「夏期巡回の会場になると、ラジオ体操も盛んになり、町おこしにもつながる。住民の意識も高まっていくのでは」と話していた。(千葉卓陽)