2009年8月22日 (土) 掲載

◎31日「野菜の日」 料理、スイーツ楽しもう

 31日の「野菜の日」にちなみ、函館市・近郊の飲食店など15店舗が野菜を使った特別メニューを期間限定で提供するイベント「やさい~と2009」(実行委主催)が、31日から9月4日まで開催される。期間中は行きたい店を訪ね、料理やスイーツなど多彩な野菜メニューを楽しめる。

 企業や農家、飲食店、主婦らが集まり、地域の環境改善について学んだりプロジェクト活動に取り組んだりする「エコハ大学」で、参加者のベジタブル&フルーツマイスター(通称・野菜ソムリエ)の後藤るみ子さん(36)が提案。普段の生活の中で無理せず楽しみながら野菜を食べられる機会を設けようと企画した。後藤さんは「野菜の摂取量が減ってきているさまざまな要因はあるが、気軽にお店に行って野菜を食べられたら楽しいですよね」と話す。

 参加店はカフェやレストラン、居酒屋などジャンルはさまざま。地元産の野菜を提供する店もある。後藤さんは「函館は実は農業のまちでもある。そのことをもっと知ってもらいたい」と話し、「露地栽培の野菜が旬で、太陽の光をたくさん浴びた野菜達は栄養も豊富。地元産は最もおいしい状態で手に入る上、輸送距離も短いからCO2(二酸化炭素)の排出も少ないのでエコにもなる」と地元野菜をPRする。

 問い合わせは後藤さんTEL080・6089・0368。

 参加店は次の通り。

 ▽やさいばーみるや(函館市豊川町7の26、TEL26・2688)▽レストラングランポルト(函館市松風町2の8大門ビル7階、TEL27・5075)▽カフェ&ギャラリーピュアセピア(函館市谷地頭町21の17、TEL26・8886)▽蕎麦だいにんぐCOCOLO(函館市末広町14の3、TEL26・2333)▽気ままなパン屋窯蔵(函館市谷地頭町25の18、TEL23・8330)▽大陸的酒菜ホシ☆ハチジュウイチ(函館市千代台町11の9、TEL76・9952)▽カフェショコラ(函館市深堀町13の26、TEL33・5050)▽カフェ海の時計(函館市大町4の6函館元町ホテル2階、TEL24・1555)▽ステーキ居酒屋笑う門(函館市本町32の27ソシアルケイオービル1階、TEL32・2900)▽グラティフィー(函館市富岡町3の26の3、TEL83・8781)▽トマト・デリ(函館市昭和4の39の33グラースアンポタジェ1階、TEL84・6395)▽魚まさ美原店(函館市美原1の20の11、TEL40・4600)▽大福の大阪屋(函館市桔梗町418の486、TEL050・2020・8870)▽スミレカフェ(函館市八幡町18の18むげん空間小春日和内、TEL83・7721)▽たい焼き中村屋ななえ店(七飯町本町1の3の1、TEL86・7374)



◎選挙区候補立てない各党 比例候補当選に全力【2009総選挙道8区】

 衆院選道8区で選挙区候補を立てていない共産党、公明党、新党大地、社民党は、比例票の上積みに懸命だ。比例道ブロック候補が相次いで函館・道南入り。自民・公明対民主の政権選択の中で党が埋没しないよう危機感を強めているほか、政党間の協力を期待せず“自力”での票固めを覚悟している党もある。

 比例道ブロックは定数8。前回の場合1人30万票が当選の目安となり、各党は議席の死守や奪還に全力を挙げる。

 共産党は道内12選挙区のうち5選挙区での候補擁立となり、8区では小選挙区移行後初めて擁立を見送った。前々回に失った比例議席の回復に燃え、8区での目標は前回の約2万票より5割増しの約3万票。18日の公示日に比例候補の宮内聡氏が函館入りし、市内や道南を遊説した。

 選挙区候補がいれば道南を日々選挙カーが走るが、今回は比例のみのため、政党カーが入った18日しか街宣活動はできなかった。支部員が街頭に立ちハンドマイクで政党活動をすることも認められない。党函館地区委員会は「政党名を入れないプラカード型のポスターなどを使い、肉声で政治を変えることを訴えている」と語る。

 公明党は、自民党の8区候補の推薦を見送ったため、従来の「選挙区は自民、比例は公明」の相互協力が厳しくなった。8区の得票目標は、前回を約8000票上回る4万票に設定した。

 党函館総支部は「自前で票の拡大を図る覚悟で臨んでいる。自民党への逆風もあり、全国的にも与党として厳しい情勢だが、政策で何を実現したか、何を実行していくかを全力で訴える」と決意。24日には比例候補の稲津久氏が函館・道南入りする。

 新党大地は2人の当選を目指す。8区の前回得票は約2万5500票。民主と共闘した2007年の参院選で大地や民主が推薦した道選挙区候補の得票(全道約62万票、8区約4万3000票)からの上積みを目指す。

 民主との選挙協力は7区(釧路・根室)や12区(宗谷・網走)などで進んでおり、8区の幹部は「参院選でうまくいかなかった連合との協力関係が課題」という。函館地区連合は「大地と民主の協議に連合も同席し、民主で足りないところは連合がサポートする連携は取れている」と語る。22日に比例候補の鈴木宗男氏が函館・道南入りする。

 社民党も、議席の奪還に全力。8区の目標得票は前回並みの1万3300票だが、党函館支部は「政権選択の中で社民党が埋没してはならない」と党の存在意義をアピール。公示日の18日には比例候補の山口たか氏が函館で第一声を上げ、遊説をスタートさせた。



◎棒二森屋「食品館」午後8時まで 閉店時間を1時間延長

 函館市若松町の棒二森屋(井上裕司店長)は9月1日から、本館地下1階の食品売り場「食品館」の閉店時間を現行より1時間延長し、午後8時までとする。食品館以外のフロアや新館はこれまで通り午後7時まで。

 食品館は6月6日に全面改装し、リニューアルオープン。これに伴い改装前より来店客数が前年比で30%ほど伸び、売り上げも20%以上増加。閉店直前にも平均50―60人の買い物客が訪れているため、さらに利便性を高めようと延長を決めた。

 棒二森屋によると、生鮮食品や総菜類の品ぞろえを拡充した新装オープン後、仕事帰りや年齢層の低い来店客が増えているという。今後も午後4時以降にその日限りのお買い得品などを提供する「夕方の市」を開催する予定だ。

 食品館にテナントで入る専門店の営業時間も午後8時までに延長される。開店時間は全館とも現行の午前10時のまま。出入り口は午後7時以降、本館正面玄関のみとなる。駐車場「棒二パーキング」の営業時間はこれまで通り午前7時から午後9時まで。

 棒二森屋の島田順副店長は「改装後は順調に利用客が増え、家庭用品などへの波及効果も出ている。今後もお客さまの満足度を高め、ニーズに対応した店づくりを進めたい」と話している。問い合わせは同店TEL0138・26・1211。


◎衆院選企画「願いは届くか」(3)企業経営者 不況で安心遠ざかる

 「20年前なら計画がなくても家を建ててローンも返済できたけど、今は突然何が起こるかわからない時代。不動産を手放したい人は多いんじゃないかな」。函館市内で不動産業を営む高島繁さん(54)は、人々の苦しい生活ぶりを肌で感じ取る毎日を送っている。

 さまざまな理由で住宅ローンを返済できなくなった人のために、競売移行の前に金融機関など抵当権者の承認を取った上で、通常の不動産売買と同様に売却する“任意売却”のあっせんを専門とする。「リストラや離婚に追い込まれた人が駆け込んでは、ほっとして任意売却に応じている。この制度がなければ自己破産者はもっと増えているはず」

 不況の時代を反映する仕事だが、自身の生活も楽ではない。大手台所用品メーカーを退職後、猛勉強の末に7年前に妻と現在の会社を設立。2人の子どものうち、1人は私大に出した。もう1人は来年、受験を控える。「今は仕事がゼロという月はなくなったけど、妻と2人で食べていけるくらい」。子どもの成長が仕事の原動力だ。

 自分は無党派層と言い切る高島さん。各党のマニフェストを見るにつけ、耳障りのいい政策の羅列に疑問を隠そうとしない。「どこの政党も人々の現実を見ていない。住宅ローンと成長した子どもを抱えた45―55歳の世代を、どう支援するか考えてほしい」。民間企業の活性化策を一番に願っている。

 渡島管内のある建設業者はことし、3年ぶりに道発注の公共工事を受注した。常務の男性(30代)は「金額をだいぶ落として取っているし、ただ工事をやっただけ、という感じ」とこぼす。

 年を追うごとに減少が続く公共工事。常務の会社も1997年のピーク時は約6億円の売上高の半分を公共事業で賄ったが、昨年の売上高は約1億5000万円。「(公共工事は)ひどい時だと年間1000万円の時もある。他の会社はどうやっているのかと、素朴な疑問もあるね」

 現在は一般住宅の受注にシフトしているが、低価格競争の流れは住宅とて避けられないと感じている。4年前には初めて借金もして異業種に参入。以前からの念願だったといい、軌道にも乗り始めている。しかし「本業の状況がないと、異業種へ手は出せなかった」という言葉に、本音が見え隠れする。

 経営者として、従業員が満足する給料を出せているとは言いがたい現状に忸怩(じくじ)たる思いもある。しかし、辞めていく社員は今のところ出ていない。「従業員はよくやっていると思うし、本当に感謝している。政治に大きな期待はできないが、せめて若い人たちが安心して暮らせる社会にしてほしい」―。


◎真夏? 函館で日差し厳しく

 21日の道南は晴れ間が広がり、暖かい空気が入って気温が上がった。函館海洋気象台によると各地の最高気温は木古内28・4度、八雲27・9度で今年最高の暑さとなった。函館は28・4度で、この夏3番目だった。そのほか、ほとんどの地域で25度を越す夏日となった。

 函館市内では観光客や市民が残暑の厳しい日差しを避けようと日陰を探したり、日傘を差して歩く姿が見られた。大阪から来たという夫婦は「日差しは強いけど風があり気持ち良い」と話していた。

 同気象台によると、22日もおおむね好天に恵まれ、渡島の最高気温は27度と予想している。