2009年8月3日 (月) 掲載

◎ワッショイはこだて、ねぶたや神戸サンバも

 「開港150周年記念函館港まつり」(実行委主催)は2日、メーンの「ワッショイはこだて」1日目十字街・松風コースが行われた。今年は新潟、横浜など開港4都市の祭りや、2年ぶりに「青森ねぶた」が参加。「函館港おどり」や「函館イカ踊り」の参加者と合わせて78団体約9200人、山車85台がパレードし、函館の一夜を盛り上げた。

 函館市末広町の十字街付近で行われた出発式では、実行委の木村孝男会長が「開港150年の節目を祝い、明日の函館の躍進につながる祭りにしたい」とあいさつ。ミス函館、神戸、長崎などの開港5都市親善大使も紹介された。

 「ワッショイ―」は、午後4時20分ごろ、同市豊川町の豊川広路を先頭にスタート。同松風町までの電車通り約1.4キロの道のりを、華やかな衣装と、各団体が工夫を凝らし開港150年を祝う言葉で飾られた山車とともに、踊りを披露しながら練り歩いた。あいにくの曇り空で肌寒さを感じる日となったが、沿道に詰め掛けた観客の心を熱くし、惜しみない声援が送られた。

 また、開港4都市からは、新潟下駄総踊り、横浜中華獅子舞、神戸サンバ、長崎龍踊りが参加。珍しい踊りや龍の舞う姿に大きな拍手が起こった。青森ねぶたは「らっせらー」の元気な掛け声の跳人(はねと)と呼ばれる踊り手が幅9メートル、高さ3.5メートルの「陸軍奉行土方歳三」のねぶたを先導。土方の勇姿が夜の街を照らし、観客を魅了した。

 3日は午後4時15分から「ワッショイ―」2日目の堀川・五稜郭コースが行われる。同7時から同市末広町高田屋通りで「函館新聞社杯争奪ファンタジアクロス音楽祭」の決勝が予定されている。(山崎純一)



◎09年上半期道内貿易 輸出入、貿易額とも過去最大の下げ幅

 函館税関がまとめた2009年上半期(1―6月)の道内外国貿易概況によると、輸出は一般機械や自動車の部分品などが大幅に落ち込み、前年同期比41.6%減の1204億700万円、輸入は原・粗油の急減が響き、同52・6%減の4127億7600万円だった。

 輸出入を合わせた総貿易額も前年同期に比べ半減し、半期ベースでは4期ぶりのマイナスに転じた。輸出入、貿易額とも比較可能な統計が残る1980年以降、最大の下げ幅を更新し、世界的な景気悪化の影響を浮き彫りにした。

 輸出が前年同期を下回るのは、半期ベースで2003年の上半期以来12期ぶり。一般機械はクウェート向けの加熱・冷却用機器や、香港向けの建設用重機が落ち込み、同28.1%減の267億7000万円。世界的な自動車の販売不振を受け、自動車の部分品は同40.6%減の145億4700万円となり、北米向けを中心に低迷した。

 このほか、鉱物性タール・粗製薬品はペットボトルや合成繊維の原料となるアジア向けの粗キシレンの受注が大幅に冷え込み、同69.1%減の9800万円。魚介類・同調整品は香港向けに高級食材のナマコが好調で、同1.9%増の90億3000万円と、主要品目では唯一健闘した。

 一方、輸入は07年上期以来、半期ベースでは4期ぶりに前年実績を下回った。原・粗油は原油の国際価格が下落したのに加え、道内の石油精製工場の2年ごとの定期点検に伴う稼働停止も重なり、同71.0%減の1506億1800万円と激減した。

 トウモロコシや飼料、石炭なども昨年に比べて国際価格が下落基調にあるため、数量がほぼ前年並みに推移したのに対し、額では石炭が同12.7%減、トウモロコシが同27.7%減、飼料が同16.4%と軒並み減少幅が大きかった。一般機械はドイツからの木材加工用機器が伸び、同14.0%増、石油製品は韓国からの灯油のスポット需要があり、同30.7%増だった。(森健太郎)



◎18日から日ロ沿岸市長会議、ロシアから12市参加

 18日から3日間、函館市で開かれる「日ロ沿岸市長会議・日ロ沿岸ビジネスフォーラム」(日ロ沿岸市長会など主催)のロシア極東参加都市が固まった。会員18市のうちハバロフスクやウラジオストクなど12市から市長や副市長らが出席。日本側は秋田や富山、新潟など18市全市が参加し、開催に合わせて日本側各市を紹介するパネル展を開催する。

 市国際課によると、流動的な要素があるが、ロシア側からは姉妹都市のウラジオ市長とユジノサハリンスク副市長のほか、ヤクーツク市長、ワニノ地区長、ナホトカ副市長、ホルムスク副市長、イルクーツク副市長らが出席する。

 フォーラムは「経済」と「観光」をテーマに開き、ハバロフスクの旅行会社「イントゥル・ハバロフスク」「マンダリン」などが参加を予定。日本側も社団法人ロシアNIS貿易会をはじめ、函館や札幌などの民間企業が出席する。「貿易や経済協力、観光振興に向けた日ロ各市の取り組みが報告され、今後を考える情報となる」(同課)ため、大勢の参加を呼び掛けている。

 また、フォーラムに先立ち11日から市地域交流まちづくりセンター(末広町)で、日本の18市のロシア交流と観光名所を伝えるパネル展とを開催する。「函館市民に沿岸各市のPRをしたい」との意向を受け、市が準備を進めてきた。各市のロシア交流を知ることができ、観光パンフレットなども置く。1970年の第1回日ソ沿岸市長会議(ハバロフスク)から2007年の第21回会議(ブラゴヴェシチェンスク)までの写真も展示し、40年近い日ロ沿岸市長会議の沿革を知ることができる。

 フォーラムの参加申し込み、問い合わせは市国際課TEL0138・21・3634。 (高柳 謙)



◎親子教室で川遊び満喫

 特定非営利活動法人(NPO法人)「NATURAS(なちゅらす)」と「北海道魚道研究会」が共催する「川ガキ育成親子教室」が2日、川汲公園(函館市川汲町)で行われた。魚や虫と触れ合う川遊び中心の時間に参加した子どもたちは大はしゃぎ。親子で自然の魅力を満喫した。

 ヤマメやイワナが生息する清流の山間部を舞台に、自然と人間の共生について子どもたちに考えてもらおうと実施。市内の親子21組と2団体合わせて約70人が参加した。

 同研究会のスタッフが水槽に入れたヤマメ、イワナなど3種類の魚を紹介すると、初めて見る子どもたちは興味津々の表情。専用のメガネや網を使っての川遊びでは、「変な虫見つけた!」「魚泳いでる!」などと大自然の生物に大歓声が上がり、保護者やスタッフも、児童の弾ける笑顔に目を細めていた。

 イワナの稚魚2匹を捕まえた函館柏野小4年の平沢柚香子さん(10)と同校1年の岳大君(6)きょうだいは「川遊びなんてめったにできないからすごい面白い」と元気に話していた。(長内 健).


◎包括支援センター運営協議会、健康づくり、介護予防に力

 本年度1回目の函館市地域包括支援センター運営協議会が2日、市役所大会議室で開かれた。地域の保健・医療・福祉の向上を担う市内6センターの本年度業務や重点事項などが報告され、原案通り承認した。正副会長の改選で会長に岩崎清さん、副会長に岡田晋吾さんを選出した。

 同協議会は、設置から3年目を迎えた地域包括支援センターの適切な運営を図るために置かれた機関。昨年度の事業実績で、包括支援センターの職員が作成する介護予防サービス計画が、センターにより1人当たり50―70人台と幅があるため、委員から過度の負担とならないよう軽減や平準化を図るべきとする意見があった。

 本年度から新たに始まった「高齢者の生きがいと健康づくり推進事業」の内容について質問があり、市福祉部は、おおむね65歳以上の高齢者を対象に、町会館や小学校の空き教室を活用し、年24回の健康づくり教室を開くことを説明した。

 市の岡田芳樹福祉部長は「本格的な高齢社会が到来する中、介護保険財政は厳しく、今後とも健康づくりや介護予防の取り組みを進めるとともに、地域包括支援センターの役割をさらに高めたい」とあいさつした。(高柳 謙)