2009年8月5日 (水) 掲載

◎開幕目前 準備万端…8日から「ドリームボックス150」

 函館開港150周年記念事業のメーンイベント「ドリームボックス150」(同事業実行委員会主催)は8日、函館港「緑の島」で開幕する。「ドリームボックス」は、緑の島を夢のたくさん詰まった箱にしようと願ったネーミングで、大勢の来場者を迎えるための準備は万全に整った。16日までの9日間、「食」「音楽」「スポーツ」をキーワードに著名なアーティストのコンサートや体験型行事など約50の催事が繰り広げられ、節目を祝う市民らの笑顔が連日、会場いっぱいに広がりそうだ。

 開幕日の8日は午前10時から、オープニングセレモニーを実施。航空自衛隊第4航空団(宮城県東松島市)の第11飛行隊(ブルーインパルス)の祝賀飛行や屋外ステージでは記念ソングの合唱、海上自衛隊東京音楽隊の演奏会が行われる。

 「食」をテーマとしたイベントは「HAKODATE国際フィッシャーマンズマーケット」と称し、函館の漁業や水産加工などにかかわる物産販売、学術研究機関の展示コーナーを開設。函館近海の海産物を使った食事メニュー(有料)を提供するフードゾーンも設ける。

 「音楽」では、PMFブラス・アンサンブル・コンサート」(8日午後2時、同5時)や、7日に開幕する「はこだて国際民俗芸術祭」の特別企画イベント「民俗芸能サミット・見本市サミット」(9日午前11時)などが行われる。

 「スポーツ」をテーマとしたイベントは「海上スポーツデイ」(9日午前10時半)と、「陸上スポーツデイ」(15日同10時)と称して市民運動会を開催。会場のにぎわいを創出するイベントとして、プラネタリウムや市民茶会、ヨットや大型カヌーなど試乗体験なども企画されている。

 来場者の買い物は専用通貨「ペロリ」(1ペロリ1円)を使用してもらい、前売り通貨(7日まで販売)はプレミアム(10%増し)付き。

 同実行委員会の会長を務める西尾正範市長は「港町函館を改めて世界や未来に発信する契機にしたい。市民みんなが元気になるようにぎわってほしい」としている。

 このほかの主な催事は次の通り。

 ◆食▽戸井マグロ解体ショー(16日午前11時)=終了後、マグロ丼を1食500円で販売。

 ◆音楽▽アフリカのぼく(8日午後6時)=紙芝居とアフリカ太鼓のライブ。入場券1500円(当日2500円)

 ▽HAKODATE黒船2009(9日午後5時)=ダンスパフォーマンスやDJプレイアーティストによるライブ。入場券2000円、当日2500円。

 ▽COP10スペシャルライブ(13日午後6時半)=「マリーンシングス熱帯JAZZ」「TOKUウイズ大黒摩季」が出演。いす指定席3700円、立見2000円。当日各500円増し。

 ◆スポーツ▽函館ペリー来港回顧ボート競走(9日午前10時)=一般と女子の各部合わせて33チーム出場する。(鈴木 潤)



◎中部高が準優勝…NHK杯全国高校放送コンテスト・テレビドキュメント部門

 函館中部高校放送局(外崎智巳局長、局員13人)の制作したテレビ番組が、このほど東京で行われた第56回NHK杯全国高校放送コンテストのテレビドキュメント部門で準優勝に輝いた。「それでもやっぱり測っちゃう?」と題し、座高測定の必要性を問うユニークな内容。メーンディレクターを担当した2年生の宇田結香さん(17)は「一生懸命作ったのが評価されてうれしい」と喜んでいる。

 このコンテストは情報発信としての校内放送活動の発展を図るのが狙い。アナウンスや朗読など6部門あり、道内は地区、全道大会を経て全国出場校を決める。全国大会のテレビドキュメント部門には道内8校を含む184作品が審査を受けた。

 中部高の作品は、身体測定で座高を測ることに疑問を持った宇田さんが同級生や教諭らに質問をぶつけ、医師や文部科学省にも取材を重ねて必要性を調査。内臓の成長を確認し、いすや机の高さを調整するという目的が現代の状況に合っていない点を指摘し、「時代に合わせて変える必要があるのでは」と締めくくった。カメラマンは2年生の北村陽さんが担当し、4月から取材を始めたものを約8分間に編集した。

 宇田さんは「何度もいろいろな所に取材したのが大変だった」と振り返り、「テンポ良く見せ、楽しめるように編集した。何事にも問題意識を持って取り組むのが大事だと伝えたかった」と語る。中部高の作品は10日午前9時半からNHK教育テレビで放送される予定。

 同部門ではこのほか、森高放送局(新井田貴幸局長、10人)が部活の壮行式を舞台に文化部の置かれている現状を描いた「文化部の選手宣誓」が入選、市立函館高放送局(戸澤勇次局長、16人)が函館に新しくできた夜間中学の参加者の思いを聞き、学ぶことの大切さを訴えた「まなぶこころ」が制作奨励に選ばれた。(新目七恵)



◎日米学生会議が開幕…あす手嶋さん基調講演

 国内4都市を移動しながら開催する第61回日米学生会議(国際教育振興会主催)が4日、函館市で開幕した。9日までの日程で、日米の大学生が両国関係や国際問題、世界の将来を英語で議論する。初日は西尾正範市長を訪問後、市青少年研修センターで分科会を開いた。

 6日午後2時から函館大学講堂でフォーラムを開き、外交ジャーナリストの手嶋龍一さんが基調講演する。参加無料で、大勢の来場を呼び掛けている。

 同会議は1934(昭和9)年、悪化していた日米関係を憂慮した日本の学生有志が、両国の相互理解を進める目的で創設。歴史と伝統ある学生会議で、道内開催は初めて。函館開催に尽力した国際教育振興会の大井孝理事長は「開港150周年記念事業として、5月の外国人による日本語弁論大会と合わせて開催した」と話す。

 会議には両国から各36人の学生が参加。分科会では「食糧の安全保障」「国際開発と自立的発展」など7テーマで議論を深める。分科会「世界を動かす新興国」では、ロシアやブラジルなどの新興国が台頭する中で、日米はどう対応し、両国の企業は新興国に進出する際、どう戦略的な優位性を保つかという議論が生まれているという。

 松本秀也実行委員長(慶大4年)は「限られた時間での議論は限られているが、互いの考えを理解した上でどう問題を解決していくかというプロセスが大事」、竹内友理副実行委員長(東大3年)も「開港150周年、学生会議75周年の節目に、諸外国との交流が最初に始まった函館に学生会議が帰ってくるのは自然なこと」と意義を語る。

 西尾市長は「日本とアメリカという力のある国だけでなくアフリカの果てまで、自分たちが人生の歩みの中で何が貢献できるか、考えてください」と激励した。(高柳 謙)



◎函館港まつり 港おどり・いか踊り熱く…コンテスト 各部門の受賞団体表彰

 「開港150周年記念函館港まつり」(実行委主催)は4日目の4日、JR函館駅前交差点から松風町交差点までの歩行者天国で港おどり・いか踊り大会、ワッショイはこだてコンテストの表彰式などが行われた。

 「黒船」号の山車を囲んで行われた同大会では、港おどりといか踊りが何回も繰り返され、多くの市民や観光客が飛び入り参加した。いか踊りでは小さな子どもから外国人までが曲に合わせて飛んだり跳ねたりしながら、楽しそうに体を動かしていた。

 表彰式では寺坂伊佐夫副会長が港おどり、サマーカーニバル、いか踊りの各部門の優勝、準優勝の受賞団体などに賞状やトロフィーを手渡した。サマーカーニバルの部に初出場し、優勝したホリデイスポーツクラブ函館の佐藤央店長(28)は「すごく楽しみながら参加できた。できればまた来年も出場して連覇を目指したい」と話していた。(宮木佳奈美)

 ホリデイスポーツクラブ函館以外の優勝、準優勝の受賞団体は次の通り。

 【十字街・松風コース】◇港おどりの部▽優勝=陸上自衛隊函館駐屯地▽準優勝=NTT東日本函館グループ◇サマーカーニバルの部▽準優勝=大門商店街&函館躍魂いさり火◇いか踊りの部▽優勝=函館水産連合協議会▽準優勝=JR北海道函館支社

 【堀川・五稜郭コース】◇港おどりの部▽優勝=函館中央病院▽準優勝=美原町会◇サマーカーニバルの部▽優勝=子ども歌舞伎・市松流・悦山会▽準優勝=函館空港◇いか踊りの部▽優勝=函館五稜郭病院▽準優勝=スプリングボードU21


◎江差地方法人会江差地区会 優勝旗を寄贈…姥神大神宮渡御祭「祭り囃子コンクール」

 【江差】江差地方法人会江差地区会(小笠原弘会長)は3日、姥神大神宮渡御祭で開催される「祭り囃子(ばやし)コンクール」の優勝旗を新調し、姥神大神宮祭典協賛実行委員会(打越東亜夫会長)に寄贈した。

 贈呈式には、江差地方法人会の大島仁志事務局長が出席し、紺色の生地に鮮やかな金色で「優勝」の文字を刺しゅうした優勝旗を打越会長に手渡した。打越会長は「新調された優勝旗を励みに、祭り囃子のレベルアップを目指してほしい」としている。優勝旗は11日、今年のコンクールで優勝した山車に贈られる。山車に優勝旗を掲げて町内を巡行することが栄誉とされている。従来の優勝旗は長年の使用で傷みが激しくなっていた。

 コンクールは、京都の祇園祭にルーツがある、祭り囃子の保存伝承を目的に1978年にスタート。下町巡行が行われる10日には、13基の山車を対象に、同神宮前で審査を行い、町会所会館までの巡行の様子も評価対象になる。

 囃子の調子や笛・太鼓のレベルとともに、祭礼に臨む姿勢を評価するため、はんてんなどの服装や山車の装飾も厳しく審査する。町内の子供たちはコンクールでの優勝を目指し、夏休み前の7月下旬から笛や太鼓に励んでいる。(松浦 純)