2009年8月8日 (土) 掲載

◎ドリームボックスきょう開幕、ブルーインパルスリハーサル

 函館開港150周年記念事業のメーンイベント「ドリームボックス150」は8日午前10時から、函館港「緑の島」で開幕する。16日までの9日間、「食」「音楽」「スポーツ」をキーワードにコンサートや体験型行事など多彩な催事が繰り広げられる。

 午前10時から、オープニングセレモニーを実施し、航空自衛隊第4航空団(宮城県東松島市)の第11飛行隊(ブルーインパルス)の祝賀飛行で最初の催事をスタート。屋外ステージでは記念ソングの合唱、海上自衛隊東京音楽隊の演奏会が行われる。

 午後からはPMFブラス・アンサンブルコンサート(2時、5時)やアフリカン太鼓と紙芝居を融合した「アフリカのぼく」(6時)、YOSAKOIソーランチームの演舞(7時)が行われる。

 7日は午前10時半ごろから、函館港上空でブルーインパルスのリハーサルが行われ、大勢の市民が航空ファンが緑の島周辺に集合。駒ケ岳方向が6機の練習機が編隊を組んで輪を描くような飛行が披露されると拍手が沸き起こっていた。この日は同航空団の杉山政樹司令が西尾正範市長を訪問し、「6機が一体となった雄大なフライトを見てほしい」と話していた。(鈴木 潤、山崎純一)



◎08年度観光アンケート/宿泊、日帰り客の旅費は前年度下回る

 函館市と函館国際観光コンベンション協会は7日までに、市内の観光客を対象に行った2008年度観光アンケートの結果をまとめた。それによると、市内で使った1人当たりの旅行費用の平均は宿泊客が3万3803円、日帰り客が9730円と、ともに前年度を1割ほど下回った。市観光振興課は「ガソリン代の高騰や世界的な同時不況の影響で出費を抑えたのでは」とみている。調査を基に市が試算した08年度の函館観光の経済波及効果は1647億円で、前年度と比較して61億下回った。

 アンケートは函館山や元町周辺、五稜郭公園など市内の観光スポットで面接調査を実施。08年4月から今年3月まで2444人から9項目について聞き取りした。

 宿泊客、日帰り客を合わせた1人当たりの平均旅行費用は前年度よりも4969円下回る3万2331円。宿泊客は前年度より4613円、日帰り客は同じく1376円下回った。

 最近5年間は宿泊客が2万8000円から3万8000円で、日帰り客が9700円から1万3000円で推移。日帰り客は2年連続の減少となった。

 宿泊客、日帰りとも19歳以下の消費額が大幅に落ち込み、減少の一因となった。宿泊客は60歳以上の平均が4万6178円と各年代と比較して一番高いが、日帰り客では5901円と最少。日帰り客は20―29歳の平均が1万5429円と最も高かった。

 宿泊客、日帰り客の使い道の内訳をみると、宿泊客は、宿泊費が平均額の39%に当たる1万3271円、みやげ購入費が9058(27%)、飲食費7186円(21%)。一方、日帰り客はみやげ購入費3455円(36%)、飲食費2161円(22%)。

 市内での宿泊日数は1泊67%で一番多く、2泊25%、3泊3%で、日帰りが5%だった。(鈴木潤)



◎大原麗子さん死去に市民から惜しむ声

 東京の自宅で死亡したことが6日分かった女優の大原麗子さん(62)は、1983年の映画「居酒屋兆治」(降旗康男監督)の撮影で函館を訪れていた。存在感のある演技で市民に親しまれた女優の突然の訃報(ふほう)に、地元ロケでかかわった住民の間にも驚き、惜しむ声が上がった。

 函館市中島町にある「中島廉売(れんばい)」では、主演の高倉健さんも参加してロケが行われた。当時、酒屋を営んでいた川井宏さん(76)の妻、遼子さん(69)は「不幸な女性の役に入り込み、周囲の様子に一切表情を変えない本物の女優。年齢を感じさせない落ち着きがあり、まるでお人形さんのようだった。ニュースを見てびっくりした」と振り返る。

 エキストラとして参加した同町の「カメラのカンコー堂」の山崎ケイ子さん(75)も「大原さんの死を知り、人でにぎわった撮影時の魚屋通りを思い出した。さみしげな様子が役にぴったりだったけどかわいそう」と語る。「中村商店」の中村信子さんは「きれいな人で何度もヘアメークを直していたのが印象的」とし、「鮮魚ささき」の当時社長だった佐々木仁さん(75)も「女優としてまだ現役の年齢だったのに気の毒」と惜しむ。

 撮影期間中、大原さんがかばんを買いに訪れた松風町のかばん店「松坂屋」の店長、阿部恭子さんは「体が細く、顔も小さくてかわいらしかった」と語る。同店で購入したかばんが劇中スクリーンに映ったという。金森倉庫近くで行われたロケを見に行った函館市海岸町の「喫茶店サラブレット」の店主、照井恵子さんは「細くてかわいらしい人。孤独死が映画のラストシーンと重なり、親の介護も大変だったろうと思うとかわいそうで涙が出た」とショックを隠さない。

 ロケを手伝ったカフェやまじょうの店主、太田誠一さんは「清楚で芯の強い印象があった。ああいう小悪魔的でかわいらしいタイプの女優さんが亡くなり本当に残念」と悔やんだ。(新目七恵)


◎公衆浴場の利用実態把握へ、初のアンケート実施へ

 市立函館保健所(山田隆良所長)は、公衆浴場(銭湯)の利用についてのアンケートを同市で初めて実施する。市民の銭湯への認識や利用頻度、目的などを把握し、銭湯のない地域への対策などを考える基礎データとする。無作為抽出の一般市民世帯と、銭湯を利用する市民に対して行い、10月には分析結果などを出す予定。

 銭湯は優遇措置がある一方、入浴料を420円以下とするよう定められている浴場。市内には7月30日現在で41カ所の銭湯があるが、1985(昭和60)年の78件と比べると急速に減少している。減っている要因について同保健所は「各家庭への風呂の整備が最も大きい」とする。

 一方で市内には、五稜郭方面など半径500メートル以内に銭湯がない地域がある。このような地域の世帯で風呂がなかったり、浴室のない市営住宅世帯は自家用車などで浴場施設に行くとされるが、ほかの理由で不便さはないか、なども調査する。

 一般世帯向けのアンケート対象は、旧函館市の全13万6030世帯(6月30日現在)から、無作為で5067世帯を抽出。30日に発送し、8月末日を回答締め切り(ポスト投かん)とした。

 アンケートでは、年代や性別、世帯の人数、住居形態、居住する町などを押さえた上で、①自宅に風呂があるか②過去1年間に市内の銭湯を利用したか③銭湯へのイメージ④銭湯に期待するサービス―などを問う。

 対象を銭湯利用者に限定したアンケートは今後実施し、一般向けのアンケートと同じ時期にまとめる予定。同保健所は「銭湯の使い方、ニーズをつかみたい」と話している。(小泉まや)


◎野外劇20万人突破、和田さんに記念品

 国の特別史跡・五稜郭跡(五稜郭公園)で開かれている市民創作・函館野外劇の第22回公演「星の城、明日に輝け」の来場者が7日、1988年の第1回公演から通算20万人を突破した。

 20万人目となったのは市内大川町の和田栄さん(78)。数年前から3回目の観劇で、この日は一人で訪れた。開演前にセレモニーが行われ、主催するNPO法人市民創作「函館野外劇」の会の家口利明副理事長から土方歳三グッズの記念品を受け取った。和田さんは「驚いた。野外劇は照明の演出が華やかで楽しい。これからも役者の皆さんは練習を頑張って野外劇を続けてほしい」と話していた。

 函館野外劇は第1回(10回公演)に約1万4000人が来場。13―15回は数千人と低迷していたが、第16回(2003年)に演出をリニューアルして盛り返し、現在は年間平均約1万人が来場している。今年の公演は9日まで。(山崎純一)