2009年9月12日 (土) 掲載

◎秋のバル街、はしご酒楽しむ

 函館市の西部地区をスペインの飲食店「バル」街に見立て、飲み歩きを楽しんでもらうイベント「第12回函館西部地区2009秋のバル街」(実行委主催)が11日開かれた。市民ら約3200人が参加。店独自のピンチョー(つまみ)を楽しみ、初秋の一夜を過ごしていた。

 今回は今年4月に開かれた前回よりも2店多い66店が参加。函館開港150周年を記念し、約10店でメニューに記念カクテルなどを提供したほか、アクロス十字街前では、函館開港150人限定ワインサービス、生ハム、チーズが振る舞われ、長蛇の列ができた。

 ライブや踊りなど多彩な催しをする店もあり、フラメンコのステージ、ブルースやジャズライブなどでイベントを盛り上げた。また、高田屋嘉兵衛資料館では参加者に無料開放し、はこだて菜の花プロジェクトによる、菜種を搾った油で明かりをともす体験会を行った。

 末広町周辺をはしごしていた市内日吉町の会社員、原田誠さん(47)は「今回は平日なので、会社帰りに来ることができた。各店のバル街特有の雰囲気はとても心地よく酔わせてくれる」と話していた。(山崎純一)



◎函館市議会/医療費減免し未収金回収、国保モデル事業実施

 第3回函館市議会定例会は11日、一般質問を継続し6氏が立った。須田正晴市民部長は、国民健康保険の被保険者を対象にした医療機関の未収金問題対策モデル事業を、道内では函館市が実施することを報告。9月から来年3月まで市立函館病院で、収入が生活保護基準以下など一定の基準を満たす入院患者の医療費の自己負担金を減免する。(小泉まや)

 丸尾隆子氏(共産党)の質問に答え、詳細を説明した。事業名は「国民健康保険における一部負担金の適切な運用に係るモデル事業」。患者が医療機関窓口で支払わなければならない負担金(通常3割)が未収金となっている問題を解決する目的で行う。市では、市立函館病院と庁内の生活保護部局などで協議会を設置した。

 期間中に負担金減免の対象となるのは、市立函館病院の入院患者がおり、収入が生活保護世帯以下かつ預貯金が生保基準の3カ月以下、災害や事業の休廃止・失業などで収入が著しく減少した世帯。市が現在独自に行う減免や徴収猶予の基準より対象が広がる。

 また、通常は医療機関が実施する未収金の回収業務を、保険者である市が行える。市国保年金課は「悪質な事例に対して病院が回収しようとする場合は裁判をしなければならないが、市が行う場合は差し押さえが可能になるメリットがある」とする。

 減免する費用は国と市が半分ずつ負担。11日現在対象事例はなく、どの程度の支出があるかは未確定だが、市の負担分は国保事業特別会計の規定予算内で対応する。

 このほか、斉藤明男氏(新生クラブ)、日角邦夫氏(民主・市民ネット)、小野沢猛史氏(市民クラブ)、松宮健治氏(公明党)、市戸ゆたか氏(共産党)が質問した。



◎ねんりんピックの小学生絵のコンクールで亀田小・足立さん最高賞

 高齢者の祭典「ねんりんピック北海道・札幌2009」(札幌、5―8日)の一環として行われた「長寿社会・小学生の絵」のコンクールで、函館亀田小学校4年生の足立紗彩さん(10)の作品が、最高賞に当たる厚生労働大臣賞に輝いた。「世界一やさしいおばあちゃん」と題し、大好きな祖母のほほ笑む姿を描いた絵で、最高賞に選ばれたのは道南でただ1人。足立さんは「受賞した感覚がまだない」と驚き、うれしさをかみしめている。

 このコンクールは「おじいちゃん、おばあちゃん」をテーマに全国の小学生から絵と作文を募集。絵の部の応募総数は2121点で、東京芸術大教授ら審査員による審査の結果、入賞の60点が決まった。

 同校4年生は総合的な学習の時間に「応募の達人」と銘打ち、さまざまなコンクールに挑戦する取り組みを行っている。足立さんは担任の上山佳彦教諭(40)からこのコンクールを紹介され、「絵を描くのが好き」と参加することにした。

 4つ切りサイズの画用紙に描かれた作品は、顔を少し傾け、笑みを浮かべる祖母の柔らかい表情が印象的。青い水玉模様の服にカラフルなスカーフを巻き、優しげな祖母の普段の様子を丁寧に描いた。写真を参考に水彩絵の具で色付けをして仕上げたといい、「細かいしわが大変だったけど、いつもの髪型に似せて描けた」と振り返る。

 モデルとなった祖母も函館市内に住んでおり、「いろいろな料理を作ってくれたり、お風呂に連れていってくれて優しい。大好き」と足立さん。「今度はおじいちゃんも描きたい」と話している。(新目七恵)


◎乙部の館浦温泉でボーリングスタート

 【乙部】乙部町の館浦温泉で、新たな泉源確保に向けたボーリング探査が11日にスタートした。高さ約30メートルのやぐらが組まれた現場では、寺島光一郎町長や工事関係者が出席して開坑式が行われ、工事の安全と新たな泉源開発の成功を祈願した。

 同温泉は北海道南西沖地震の影響もあり、地下深部に達する源泉パイプの損傷が進んでいる。温泉の安定供給を目指す町は本年度、9000万円の予算を計上。道立地質研究所(札幌)のアドバイスを受け、既存の源泉から約60メートル離れた地点でボーリングを開始した。早ければ年内にも町内4番目となる泉源誕生が見込まれている。

 開坑式には、同温泉の開発を手掛けた祝田松利前町長、阿部一町議会議長、探査を請け負った大地コンサルタント(旭川)の工事関係者、館浦温泉自治会の竹中敏雄会長ら約30人が出席。神事に続き、寺島町長がボーリング機のスイッチを押し、地下1300メートルの泉源を狙う掘削作業がスタートした。寺島町長は「新たな泉源を中心にした館浦地区の末永い反映を期待します」とあいさつ。同社の千葉新次社長は「必ずや町の期待に添えるよう工事を進めます」と決意を述べた。

 古くは温泉開発が困難とされていた町内では1981年、館浦地区で初めて本格的なボーリング探査が行われ、予定深度を超える深さ1245メートルで、湯温70度に達する豊富な泉源を掘り当てた。館浦温泉と命名された泉源は毎分171リットルの湧出量を誇り、町営浴場いこいの湯をはじめ、近隣の旅館やホテル、公民館や町民プールなど公共施設にも肌触りのよい温泉水を供給。その後は緑町温泉や鳥山温泉の開発にもつながった。(松浦 純)


◎秋の大型連休は朝市お得、周辺宿泊者の割引や駐車料金返金

 9月の大型連休に合わせ、函館朝市協同組合連合会(井上敏廣理事長)は19日から、利用客に各種割引やプレゼントなどがある「秋の三大キャンペーン」を展開する。ETC(自動料金収受システム)搭載車の「1000円高速」に伴う需要にも期待し、駐車料金の返金サービスも行う。

 19日から5連休が続き、JR函館駅前周辺のホテルの予約状況も好調なことから、多くの観光客を呼び込もうと初めて企画。天候不順などで苦戦を強いられた夏季の挽回(ばんかい)を図る狙いもある。

 20―22日の3日間は、朝市周辺の13の宿泊施設とも連携し、「早朝“得”市」を開催。宿泊者限定で各日午前6時―同9時まで、朝市内を巡るスタンプラリーや割安な目玉商品を用意し、先着100人に500円相当の商品プレゼントや割引がある。

 19日―11月23日までは、同連合会に加盟する約80店のうち、1店舗で5250円以上購入した人に各店独自のプレゼントや割引も。さらに20―23日の4日間は、朝市の第2、第3、臨時駐車場を利用し、加盟店で2100円以上購入すると、先着100台限定で駐車料金500円が返金され、ペプシコーラの飲料がもらえる。

 キャンペーンに合わせ、同連合会は朝市のパンフレットも一新し、計10万部を市内各所で配布している。問い合わせは同連合会TEL0138・22・7981。(森健太郎)