2009年9月13日 (日) 掲載

◎どんきみ作りに興味津々 神山小お祭り広場

 函館神山小学校で12日、第15回「神小お祭り広場」が開かれた。今年は同小開校15周年と函館開港150周年に合わせた特別企画として「昭和の思い出コーナー」を設けたほか、PTA役員が製作した「どんきみ」製造機械のお披露目が行われるなど、例年以上に多彩な催しでにぎわった。

 同小PTA(佐藤敬一会長)が主催し毎年実施している行事。お化け屋敷や縁日コーナーなどおなじみの出し物に加え、昭和の思い出コーナーには、昭和30年代から40年代にかけて使用されていたアイロンや七輪、蓄音機などの懐かしい生活用品のほか、市内の写真家、金丸大作さんが撮影した昭和の子どもたちの写真30点も展示された。

 また、同小PTA副会長の上野山隆一さんが、子どもたちのおやつとして食べられていた「どんきみ」の製造機械を8か月かけて自ら制作し、この日が初のお披露目となった。生のお米を砲台型の機械に入れ、子どもたちが20分ほど回転させながら圧力を高め、最後は上野山さんがふたを外すと、膨張したどんきみが爆音とともに大量に噴出。子どもたちは出来たてを「さくさくしておいしい」と笑顔でほおばっていた。

 どんきみ作りを手伝った丹内真也君(同小6年)は「作業は大変だったけど、おいしいどんきみが出来上がってうれしかった。また機会があれば挑戦してみたい」と話していた。



◎民主政権誕生、どう付き合う? 首長や経済界に期待と戸惑い

 民主党と社民党、国民新党による連立政権の誕生が秒読み段階に入った。これまで北海道新幹線の建設問題など、自民党や中央省庁への陳情を重ねてきた道南の首長や経済界関係者は、脱・官僚政治を標ぼうする民主党への期待とともに、戸惑いの表情も浮かべる。与党の代議士となる逢坂誠二衆院議員との関係構築を模索し始める一方、野党に転落した自民党との関係もおろそかにできない―というのが心情のようだ。

 函館市の西尾正範市長は、民主党政権の誕生について「今まで与党、野党というとらえ方はしていないし。これまで通りのスタンスは変えない」と、ケースバイケースでの対応を強調。逢坂氏に対しては「与党議員であり、パイプの構築を積極的に進めていきたい。若くてバイタリティーもあるので期待している」と話す。

 一方で、道新幹線の建設促進や札幌延伸問題に関し、これまで道内選出の自民党議員や与党の整備新幹線建設促進プロジェクトチームを中心に陳情してきた経緯もある。同市長は「これまでお世話になっていた議員に陳情しないということにはならない」とも話し、関係維持に努める考えを示している。

 七飯町の中宮安一町長は、民主党が掲げる政治家主導の政権運営に対し、「期成会などの場に政治家が足を運び、地域の声を中央に届けてもらうような仕組みに変えてほしい」と期待の声を寄せる。

 同町長によると、07年には新幹線問題で年12回の陳情を重ねたといい、「自民党の議員には力になってもらった。砂をかけるわけにはいかない」とも話し、“等距離外交”に努める考えだ。

 北斗市の海老沢順三市長は3日の定例市議会で「民主党は官僚政治を否定している。逢坂氏に苦労をかけることになるので、個人的にものを頼むことはない」と述べ、波紋を広げた。

 同市長は「恒常的、形式的な陳情は民主党の方針に反することになる。逢坂氏には個人的付き合いの中で地域の実態を説明する」。陳情を行う場合は自身が会長を務める渡島総合開発期成会の枠組みを使い、「内閣に新設される国家戦略局に行くことになるだろう」と話す。

 地元経済界は、新幹線の札幌延伸を懸案として抱える中での政権交代。函館商工会議所の古川雅章専務理事は、当面は新政権の推移を見守る検討段階と断った上で「伝えるべき地域経済への要望はきちんと伝えなければ。自民党が予算権を握っていないからといって、手のひらを返すようなことはできない」と複雑な胸中を明かす。

 さらに新政権発足後、いつ“再政権交代”が起こるとも限らず、「自治体や関係機関と連携しながら、おそらくは自民、民主両方にお願いに上がると思う。ただ、長年付き合いのあった自民党に対し、民主党とは幹部のパイプがない…」と頭を痛めている。



◎新型インフル 道南で「流行入り」

 函館市と渡島保健所管内で、保健所が調査するインフルエンザの定点報告数が、第36週(8月31日―9月6日)の調査で「流行入り」の基準とされる1定点当たり1.00を超えた。江差保健所管内は1以下を保っているものの、八雲保健所管内はすでに4.00に上昇。国立感染症研究所(東京)は「最近の発生患者のほとんどが新型インフルエンザと推定される」としており、道南でも新型インフルが流行の状況にあるといえる。

 函館市内では、第33週(8月10―16日)に0.91と1に近づいたものの、次週では0.27に下がりいったん収束傾向に。ところが第35週(同24―30日)に0.73と再び上昇し、第36週は1.45となった。

 同じ第36週の定点報告数は、渡島保健所管内は1.00、江差保健所管内は0.33。八雲保健所管内は、第34週(同17―23日)に2.33となり、第35週は1.33に下がったものの、次週では大幅に増加した。

 全国の第36週報告数は、2.62で、3.53だった道内は都道府県別では6番目に高い数値。厚生労働省は8日の新型インフルエンザ対策担当課長会議で「今般の新型インフルエンザについても本格的な流行入り」としている。


◎100歳以上174人 道南最高齢は107歳の佐藤さん

 函館市と渡島、桧山両支庁は、100歳以上となる長寿者数(1日現在)を発表した。同市と両支庁合わせて174人(男性16人、女性158人)で、昨年度より35人増加した。道南の最高齢者は107歳(1902年2月5日生まれ)の佐藤カシクさん(乙部町)。

 発表された人数は9月30日時点で満100歳以上となる長寿者で、同市が91人(男性6人、女性85人)、函館市を除く渡島が53人(男性7人、女性46人)、桧山が30人(男性3人、女性27人)。

 函館市内の最高齢は女性が106歳の保苅さつさん、男性が102歳の大内春男さん。渡島は女性が105歳(名前非公表)、男性は103歳の仲上仁市さん(木古内町)。桧山は女性が佐藤さんで、男性が101歳の米谷林蔵さん(厚沢部町)。

 なお、老人の日(15日)記念行事として、本年度中に100歳に到達する(1909年4月1日から10年3月30日の生まれ)高齢者88人(函館47人、渡島28人、桧山13人)には、内閣総理大臣からの祝状および記念品(銀杯)が贈られる。函館市在住者には函館市から、それ以外の地域在住者には各保健福祉事務所または各市町から贈呈される。

 このほか、老人の日と老人週間(15日―21日)を中心とした道内の主な関連行事は次の通り。

 全道シルバー作品展(10―14日)=かでる2・7(札幌市中央区北2西7)1階展示ホール

 老人週間啓発事業「パネル展」(17、18日)=道庁(札幌市北3西6)1階道政コーナー

 高齢者生き活き写真展(14―16日)=道庁1階道政広報コーナー、(21―24日)=札幌地下街オーロラタウン  オーロラコーナー


◎総合評価落札を試行導入 10月から函館市と水道局

 函館市と市水道局は10月から、公共工事の品質確保を目的に一般競争入札の一部で「総合評価落札方式」を試行的に導入する。落札価格だけで決める従来の入札では工事の出来や安全な施工などが低下する恐れがあるため、過去の工事実績など他の要素も加味して落札業者を決める。場合によっては入札価格が高い業者でも落札できるシステムとなっている。

 市調度課によると、総合評価落札方式を試行するのは、土木工事の中の水道管更生工事、建築工事、舗装工事、水道施設工事の中の配水管敷設工事。市土木部が実施している市発注工事の過去の施行成績、国や道などの同種工事の施工実績、管理技術者の配置予定、労働福祉などで15点満点の標準点評価項目を作り、一定の算式で入札価格と標準点で総合判定する。

 例えば、標準点10の業者Aが2900万円で入札した場合、総合評価点は3・7931。標準点15の業者Bが3000万円で入札した場合、総合評価点は3・833で、入札価格が100万円高くても総合評価はBが上回り、落札業者となる。

 総合評価落札方式は、国が基本的なフレームを示し、道内では札幌市や旭川市など、函館近郊では七飯町が試行。北斗市も早期試行を検討している。函館市は10月1日公告の工事から実施し、実際の入札は10月末を予定している。対象工事の拡大などは来年度以降の検討課題となる。

 函館市では昨年、比較的小規模な工事で最低制限価格による落札が相次ぎ、くじ引きで業者を決める事例が続出。工事の品質低下や労働環境へのしわ寄せが懸念されたため、最低制限価格の事前公表を廃止した。合わせて最低制限価格の新たな算定方式を導入し、以前より1割ほど底上げする改善をしている。