2009年9月16日 (水) 掲載

◎高丘町会・函館市・函大、16日にクマの餌一掃クリーン作戦

 教育機関が集中する函館市高丘町の住宅街に近い草むらで8月にクマが出没したとの情報を受け、市や高丘町会(武下秀雄会長)、函館大学(溝田春夫学長)が16日朝、周辺からクマの餌を一掃する活動を展開する。参加者は約80人に上る見通し。クマによる事故防止を目的とした取り組みは市街地では珍しく、地域一丸となったモデルケースとしても注目されそうだ。

 同町会や市などによると、現場は高丘町中心部から見晴町に抜ける舗道に沿った草むら。養蜂箱を置いていた東京の業者が8月18日午前、7、8箱が壊されているのを発見し市に通報。市農林水産部農林課は「クマによる被害と聞いて驚いた。鈴蘭丘町や銅山町、旭岡町などでの目撃は聞いているが、人家から500メートルと離れていない場所での出没は聞いたことがない。ハチミツの匂いに誘われて山から降りてきた可能性もある」と推測。9月15日現在、クマは見付かっていない。

 市は8月27日に注意を呼び掛ける看板を舗道に3カ所設置。同町会でも車両でのパトロールを強化し、クマが出没したとみられる場所の地図を付けたチラシを町内の各家庭や教育機関などに配った。

 今回の清掃活動は、クマの餌となるようなごみを地域から取り除くのが目的。現場周辺には野球場もあることから、同大野球部員も日ごろの感謝を込め活動に参加。活動は「スマイル・クリーン・ウォーク運動」と銘打って実施する。

 当日は市土木部幹部や高丘町会員のほか、同大野球部員約70人と溝田学長も参加する。舗道から函大野球場までの区間を中心に午前8時半から約1時間、作業に当たる。

 現場の道路が散歩コースという武下会長は「毎日行き来しているとごみが目に付く。清掃を通じてクマによる事故を防ぐことができれば」と期待する。

 市農林課は「これからキノコ採りのシーズンも始まる。高丘町の市民はもちろん、出掛ける人は十分注意してほしい」と呼び掛けている。(長内 健)



◎施設利用のネット予約OK、函館市が来月から新システム

 函館市は10月から、屋外体育施設や市地域交流まちづくりセンターなど21施設の利用申し込みをインターネットや携帯電話からできるシステム運用を開始する。市民からの要望が高かったサービスで、市情報システム課は「施設利用の利便性向上と利用率の向上が期待できる」と話している。

 システムの利用に当たっては、各施設の窓口かパソコンでの利用者登録が必要。個人や団体の住所、氏名、電話番号、メールアドレスを伝え、IDとパスワードを入手する。各施設の空き状況をパソコンや携帯電話で確認し、予約することができる。10月1日から市のホームページで利用者登録を開始する。

 各施設が定める日までに使用料金を支払い、使用許可書を受ける。ただし、宗教の勧誘や商品の販売など、施設によってはできない活動もあるため、各施設が利用目的を照会し、許可しないこともある。施設が定める日まで使用料金を納めない場合は、予約を取り消すこともある。

 道内ほとんどの自治体が加入している北海道電子自治体プラットホーム(HARP)の基盤を利用したサービスで、同様の予約システムは札幌市で稼働している。市文化・スポーツ振興財団も市民会館、市民体育館、市芸術ホールで同様のサービス提供を検討している。

 利用対象施設は次の通り。

 千代台公園野球場、千代台公園庭球場、西桔梗野球場、日吉サッカー場、日吉市民庭球場、新川公園野球場、根崎公園野球場、青柳市民庭球場、NHK広場テニスコート、市南茅部運動広場、見晴公園、昭和公園、旭岡公園、空港緑地志海苔ふれあい広場、西桔梗公園、西桔梗西緑地、市地域交流まちづくりセンター、市女性センター、函館競輪場、市臨海研究所、市産業支援センター(高柳 謙)



◎俳優・小倉一郎夫妻らが道南で俳句会楽しむ

 俳優の小倉一郎さん(57)が所属する俳句会「天河の会」が、13日から3日間にわたり道南地域で句会旅行を楽しんだ。小倉さんの妻で、函館出身の歌手・谷ちえ子さんがガイド役となり、著名な観光スポットを巡るとともに、宿泊先での句会で作品を発表し合った。小倉さんは「ドラマの撮影などで道南は何度も訪れているが、今回は新しい発見が数多くあり新鮮な感動を受けた」と話していた。

 存在感のある名脇役として映画やテレビドラマなどで活躍する小倉さんは、俳人としてもその名が知られている。天河の会は、小倉さんがNHKの俳句番組にゲスト出演したことをきっかけに、全国の俳句愛好者と2年前に結成。これまで石川、東京、京都で句会旅行を楽しんできた。

 今回は谷さんのふるさと函館と七飯町大沼を周遊。谷さんは1977年にアイドル歌手としてデビュー。その後一時活動を休止していたが、2006年の小倉さんとの結婚後に活動を再開。現在は東京と函館を中心にライブ活動を行っている。俳句に関しても小倉さんの影響で本格的に取り組むようになったという。

 最終日の15日は五稜郭公園などを訪れ、タワーの展望台から五稜郭の姿を楽しんだ、小倉さん夫妻らメンバー5人。小倉さんは「刺激されることの多い旅だった。また機会があれば函館を再訪したい」と充実した3日間を振り返った。

 今回の旅を通じて小倉さん夫妻が一番印象に残ったのは14日早朝のイカ釣り船体験で、その時の様子を詠んだ句も残した。小倉さん(俳号=小倉蒼蛙)の作品は「烏賊(いか)釣りの糸の重たき日本海」。谷さん(俳号=小倉夢童)の作品は「朝寒や烏賊釣舟の紺走る」。


◎福島町聴覚障害者偽装、34人が助成金の返還を申し出

 【福島】札幌市の耳鼻咽喉科医師が作った虚偽の診断書や意見書で、聴覚の身体障害者手帳が不正に交付された問題で、この医師の診断で手帳交付を受けた福島町の町民34人全員(昨年4月23日までに手帳返還済み)が、重度心身障害者医療給付事業助成金の返還を町に申し出ていたことが分かった。返還額は2004から08年度までの5年間で2516件、953万8438円に上る見込み(8月25日現在)。町は道の同助成金返還に関する基本的方針が決まり次第、本格的な返還事務作業に入る。

 15日開会の定例議会で村田駿町長が報告した。8月6、7日に役場で34人と面談し、手帳取得時の交付要件が重度心身障害者に該当するものでなかったことを全員が認め、自主的な助成金返金の申し出となった。

 34人は補聴器を使用しても通常の会話が困難とされる2級重度障害者認定を受けていた。しかし、昨年3月6日に道の連絡を受け、役場で渡島支庁担当者らが面会調査を行い、全員が通常の会話ができるることを確認した。これを受け、34人は手帳を申請先の道へ自主返還していたが、その期間中の受給額の返還などの対応は決まっていなかった。(田中陽介)


◎亀田八幡宮例大祭、みこしが市内を練り歩く

 函館市八幡町の亀田八幡宮(藤山豊昭宮司)の例大祭は15日、例祭を迎え、日中は神輿(みこし)渡御が行われた。女性、男性の2つのみこしが市内五稜郭町、人見町などを勇壮に練り歩き、威勢の良い声を響かせた。

 午前9時に亀田八幡宮を出発。この日は梁川町、杉並町、時任町などを通る約10キロのコース。笛の音が聞こえると家から出てきて声援を送る住民の姿が見られた。午後2時ごろの休憩中に激しい雨に見舞われたものの、予定通り約8時間半かけて巡行を終えた。

 みこし渡御は16日も開かれる。午前9時出発。万代町、上新川町、高盛町、的場町、千代台町などを通る。そのほか境内などでは、午後6時半から民謡などの踊り、同8時20分から市消防団による「町火消し」などが行われる。(山崎純一)


◎18日に江差追分全国大会、新型インフル対策の対応マニュアル策定

 【江差】第47回江差追分全国大会の開幕を18日に控え、大会を主催する江差追分会(会長・濱谷一治江差町長)は、大会会場で新型インフルエンザ患者が発生した場合を想定した対応マニュアルをまとめた。

 大会は18―20日までの3日間、町文化会館(茂尻町71)で開かれ、国内外から多数の大会出場者や観客が訪れる。道南でも函館市などで新型インフルエンザの流行期が始まる中で、大勢の観客や出場者が、長時間滞在する大会会場での感染防止対策が課題になっている。

 同会の小田島訓事務局長によると、会場内で発熱や体調不良を訴える人が出た場合、ただちに出場者や観客との接触を避けるため確保する観覧室に患者を誘導するよう、大会運営に従事する町職員に徹底。大会初日の18日は、町内の医療機関で、休日の19・20日は、最寄りの救急当番医での受診を勧める。原則として患者本人が自家用車やタクシーで移動することになるが、症状が重く自力での移動が困難な場合は、症状に応じて搬送方法も検討するとしている。

 大会開催に合わせて、町の新型インフルエンザ対策本部も、町内外のホテルや旅館に、手指用消毒薬の設置や施設内の消毒を要請。同会が大会関係者の宿泊先として確保した宿泊先でも消毒薬の設置など対策を強化する。

 15日現在、江差保健所管内の桧山管内南部では、新型インフルエンザの集団感染は発生しておらず、学級閉鎖なども行われていない。同保健所管内のインフルエンザ定点報告数は第33週(8月10―16日)に0・67人に上昇したが、第35週(同24―30日)は報告数がなく、第36週(8月31日―9月6日)も0・33人と低調に推移。町の対策本部は、管内での本格的流行も視野に、手洗いやうがいといった予防対策の徹底を呼び掛けている。(松浦 純)