2009年9月18日 (金) 掲載

◎七飯でリンゴの収穫作業本格化

 【七飯】町内の果樹園ではリンゴの収穫作業が本格化している。各農家が真っ赤に色づいたリンゴを、丁寧にもぎ取っている。

 町内大中山6の「トトロの里」では、3ヘクタールの敷地に10種類以上、約700本のリンゴの木がある。今月から「つがる」や「きおう」のもぎ取りを始めており、店頭販売や函館市内のスーパーなどへの出荷を進める。冨原孝一代表(75)は「今年は日照不足に悩まされたが、台風が来ていないのが幸い。このままいってくれれば」と話す。作業は11月中旬まで続く。

 新函館農協七飯基幹支店によると、町内のリンゴ生産農家は約40戸。今年は7月の天候不順などの影響で1週間ほど作業が遅れているが、生育は良く、数量は平年並みとなる見込み。(千葉卓陽)



◎09年度基準地価、市内商業地 大幅下落

 道は17日、7月1日現在の基準地価(地価調査)を発表した。昨年度の平均変動率が前年から横ばいだった函館市内の商業地が、本年度はマイナス4.5%と大幅に下落したのをはじめ、渡島、桧山管内のすべての調査地点で下落している。渡島管内の1平方㍍あたりの最高価格は、商業地が函館市本町7の21、第一マルカツビルで平均変動率マイナス10.5%の14万5000円。住宅地は同市本町29の11で同マイナス3.6%の8万500円。桧山管内は商業地が江差町中歌町59の2で同マイナス4.1%の4万6500円。住宅地が同町豊川町106の1でマイナス3.9%の1万9700円。

 調査は国土利用計画法施行例に基づき道が実施。国土交通省が1月1日現在で判定する「地価公示」とともに一般の土地取引の指標として用いられる。渡島管内は昨年度から7地点減少し77地点、桧山管内は変わらず29地点で調査が行われた。

 函館市内の商業地の1平方㍍あたりの平均価格は8万2900円で、平均変動率はマイナス4.5%と、昨年の0.0%から大幅な下落に転じた。昨年3カ所あった上昇地点もすべてマイナスになっている。18年連続で下落が続く同市の住宅地は、平均変動率が昨年のマイナス2.9%から同4.4%に拡大。郊外部のみならず、昨年横ばいだった中心部での下落が目立つ。

 同市周辺の平均価格は、北斗市の住宅地が2万9400円(平均変動率マイナス3.0%)、商業地が5万5000円(同マイナス4.3%)。七飯町の住宅地が2万700円(同マイナス4.4%)商業地が3万6400円(同マイナス4.2%)。

 渡島管内全体の平均地価は住宅地が2万5300円(同マイナス3.9%)で11年連続の下落、商業地が5万5300円(同マイナス4.7%)で2年連続の下落。桧山管内全体では住宅地が1万1300円(同マイナス2.1%)、商業地が2万3900円(同マイナス2.8%)。

 全道平均では住宅地が2万500円(同マイナス3.6%)、商業地は同6万8300円(同マイナス5.7%)。(小川俊之)



◎イカゴロ海中還元 投入量拡大に向け試験開始

 【乙部】桧山沿岸でのイカゴロ(イカ内臓)の海中還元試験事業をめぐり、1回当たり100キロを上限とする海中投入量の引き上げに向けた、環境影響試験が17日にスタートした。従来の上限を上回る200―300キロのイカゴロを海中に投入し、水質への影響などを分析する。(松浦 純)

 環境影響試験は、ひやま漁協(乙部町、市山亮悦組合長)が実施。イカゴロの投入に伴う油膜の発生を目視で観測するほか、周辺の海水を採取して水質への影響を分析する。調査は11月末まで。今回を含め3回の試験投入を行う。事業費は約170万円。桧山支庁の地域政策総合補助金でおよそ5割の補助を受ける。

 17日の試験投入では、急速冷凍で固形化したイカゴロを飛散防止用のネットで包み、海中還元試験のため鳥山・館浦地区の沖合いに設置されている、鋼鉄製のかごにそれぞれ300キロ、200キロを投入し、水深約10メートルの海底に沈めた。同日の試験では油膜拡散など、目に見える影響は確認されなかった。

 桧山沿岸では2006―07年に、上ノ国町でイカゴロによる集魚試験が実施された。乙部町でも07年、豊かな浜づくり協議会(会長・寺島光一郎町長)が発足。海中で海草類が枯死する“磯焼け”への対策として、漁業者自身が水揚げ額の1%を拠出して試験費用を負担し、イカゴロの栄養分を海中に還元する試験を続けている。

 イカゴロの投入量は、上ノ国町の前例を踏襲して、1回当たり100キロを上限とし、投入地点も1キロ以上の距離を置いている。しかし、漁業者の間では「100キロ程度の量は数日間で分解される。イカゴロの栄養分も狭い範囲にとどまり、磯焼け対策や魚を集める効果も限定される」との意見が大勢を占める。このため、今回の環境影響試験では、投入量の制限緩和の可能性を探る狙いがある。乙部町も「今回の試験を通じて環境に影響のない量的な上限を把握するためのデータが得られれば」としている。

 乙部町でのイカゴロの海中還元試験をめぐっては昨年3月、桧山支庁が効力が失われている過去の通達に基づき、同協議会に試験の中止を要請。試験が一時中断された。町や同協議会は「国の法解釈では規制対象に当たらない」と撤回を要請。道は法解釈の誤りを認め、高橋はるみ知事が直接謝罪する事態になった。


◎函商高「HAKOSHOP」が新商品

 函館商業高校(滝田進校長、生徒711人)の生徒らによる模擬株式会社「HAKOSHOP(はこしょっぷ)」が、新商品第3弾として菓子「箱館ハイカラ號サブレ」を考案した。化粧箱とサブレの型は、市民や観光客に親しまれるレトロ市電がモチーフ。19日から函館市交通局の駒場車庫(駒場町15)で販売を始める。生徒らは「函館を代表する観光土産に」と期待を寄せている。

 はこしょっぷは昨年7月に設立。これまでにタオルや米粉のクッキーなどを作り、同校ホームページや各種イベントで販売している。今回、市電に関する菓子を作ろうと同校が市交通局と函館の社会福祉法人「かいせい」に企画を持ち掛け、共同開発した。

 サブレのデザインは函商生、製造・販売はかいせいが担当。道産小麦100%で、もちもちした食感が特徴だ。箱には市電の写真を活用し、取っ手部分には運行路線図と歴史を盛り込んだ。

 3年生の佐藤達哉君(18)は「売れるか不安だけど、市の有名な観光土産になれば」と話し、岩崎未千留さん(17)は「おいしい。若い人やお年寄りにも食べてほしい」と太鼓判を押す。かいせいの職員中村将司さん(27)は「シンプルな味にし、無添加なので安心して食べて」と話す。

 19日は100箱を用意。24日からはかいせいでも取り扱い、販売場所を募る予定だ。

 同校は本年度、道教委の「専門高校Power Upプロジェクト」推進事業の実践研究校に指定されており、商品開発はこの一環。今後、青森商業高校と連携した青函ブランドの開発を目指している。

 商品に関する問い合わせはかいせいTEL0138・22・8775。(新目七恵)


◎江差追分全国大会きょう開幕、優雅な踊りで前夜祭彩る

 【江差】18日に開幕する第47回江差追分全国大会(江差追分会など主催)を控え、17日夜、江差町のいにしえ街道では「江差追分踊り行進」が行われ、女性ばかり約30人の踊り手が優雅な踊りで、大会前夜の熱気に沸く江差のマチを彩った。

 全国大会の“前夜祭”として、町民有志でつくる「江差追分を応援する町おこしの会」(桑名秀雄会長)が主催し、2007年にスタートした。アイヌ民族の衣装に身を包み、船のかいを手にした女性たちは、全国大会歴代優勝者による生の歌声に合わせ、町会所会館から姥神大神宮まで行進。船乗りの動きや、空を飛び交うカモメの姿をモチーフにした踊りを披露した。沿道で見守る観客は「江差追分にぴったりの美しい踊りですね」と、女性たちのあでやかな姿に魅了されていた。

 町文化会館(茂尻町71)で開かれる全国大会は、一般・熟年・少年の3大会で構成。国内外から408人が出場する。18、19の両日は予選会。20日は少年大会に続いて、熟年・一般大会の決選会を行う。決選会の順位発表は午後7時ごろ。それぞれの優勝者が感激の歌声を披露する。

 大会アトラクションとして、19日午後8時半からは、昨年の全国大会優勝者と、全国の江差追分会支部による発表、20日同5時半からは、特別アトラクションとして「歴世の奥義・江差うたの源流とその魅力」をテーマに、江差追分のルーツとされる各地の民謡を披露する。

 決選会の入場券付きプログラムは前売り2000円、当日2300円。問い合わせは大会本部TEL0139・52・6105または江差追分会事務局同52・5555へ。大会当日はインターネット中継(http://www.hakodate.or.jp/oiwake/)も予定している。(松浦 純)