2009年9月7日 (月) 掲載

◎自由市場祭りにぎわう

 はこだて自由市場(函館市新川町)共同組合主催の「はこだて自由市場祭り」が6日、同市場駐車場で開かれ、マグロ解体販売や温泉宿泊券などが当たる抽選会など多彩な催しを目当てにした大勢の市民らでにぎわった。

 今回で13回目の同祭りは、利用者への日ごろの愛顧に感謝する意味で海産物を中心とした商品が特別価格で販売されることから、毎年大勢の人たちが朝早くから詰め掛ける。

 この日は約2000人が来場。会場内に不定期に現れる「鮭(さけ)おじさん」にジャンケンで勝つとサケを1本もらえたり、先着300人への卵のプレゼント、豪華賞品が当たる宝くじ抽選券の配布など、多彩なイベントが目白押し。アワビ焼きや毛ガニの味噌汁などの屋台もあり家族連れなどが新鮮素材に舌鼓を打っていた。

 また、青森の龍飛崎沖産の約140キロの特大本マグロの解体販売では、赤身・中トロ・大トロに切り分けられたパック詰めが通常の2割以上安く販売されるとあって、約30分で用意したすべてが完売した。そのほか、にぎりずしも提供されここでも長蛇の列ができていた。

 市内の主婦、石山カツ子さん(65)は「マグロの解体やイカのくじが楽しかった。中トロと赤身が安く手に入ったので今夜の夕食は刺身だね」と話していた。(小杉貴洋)



◎市など函館空港の需要拡大へ 新規旅行商品に助成

 減少傾向が続く函館空港の利用客の需要拡大を目指し、函館市や函館商工会議所などは、同空港発着の定期航空路線を活用したツアー型旅行商品の助成事業を始める。2011年3月までの期間限定で、リーフレットなど宣伝用印刷物の作成費用を10万円を上限に補助するほか、新聞や雑誌などの広告掲載も合わせて行う。

 同空港の利用状況は1998年の249万人をピークに減少傾向が続いていて、2007年は200万人を割る190万人、08年は174万人にまで落ち込んだ。

 不況により各航空会社とも路線の縮小廃止などで合理化を進めており、昨年11月から日本航空の関西路線が運休したのをはじめ、今年に入ってからはサハリン航空のユジノサハリンスク線も運休を繰り返す中、さらに新型インフルエンザの流行などにより客足の落ち込みに歯止めがかからない状況。

 こうした現状を打開しようと、市と同会議所、函館国際観光コンベンション協会、函館空港ビルディングの官民4団体は6月、同空港定期航空路線活性化事業委員会(会長・高橋良弘市港湾空港部長)を立ち上げ、助成事業の実施を決めた。

 助成、広告費用は4団体がそれぞれ応分を負担し本年度は計500万円を予算化した。市内外の旅行代理店へ活用を呼び掛けていて、市空港課は「印刷物の作成費用が浮いた分、魅力あるメニューを企画して商品に組み込んでもらえれば。函館側からの送客需要拡大を図りたい」としている。

 今後は、広告を載せるだけでなく特集記事も掲載してもらえるよう一歩踏み込んだPRを進め、旅行需要の掘り起こしを行っていく。助成事業の問い合わせは同課TEL0138・21・3439。(鈴木 潤)



◎函館市 08年度連結決算は黒字

 2007年度に赤字を出した函館市の全会計連結決算が、08年度は黒字に転じ、数値上の財政状況は良くなった。病院事業会計の資金不足が公立病院特例債(借金)の発行により圧縮されたためで、普通会計決算も予定していた基金の取り崩しをしないで黒字を維持することができた。

 地方財政健全化法に基づき、07年度決算から自治体の財政状況を指標で公表することが義務付けられた。①普通会計の実質赤字比率②全会計の連結実質赤字比率③実質公債費負担率④借金の将来負担比率―の4点。

 市財政課によると、08年度の普通会計決算は7億7000万円の黒字で、①の実質赤字比率は0%。行財政改革による職員削減で10億円規模の効果額を生み出していることから、予定していた基金10億円の取り崩しをせずに済んだ。しかし、国が認めた借金である退職手当債の発行などで歳入を賄っている面もあり、基金の取り崩しや過度な借金に頼らない財政運営が求められる。

 普通会計に特別会計や企業会計を加えた連結決算は8600万円の黒字となり、②の連結実質赤字比率は07年度の1・55%から08年度は0%となった。国民健康保険事業が6億4000万円、自転車競走事業が5億2000万円の累積赤字を抱え、病院事業も21億7000万円の資金不足があるが、普通会計のほか水道事業の黒字15億7000万円などでかろうじて黒字に転換した。ただ、水道事業会計の将来予測は厳しく、病院事業も特例債で一時的に借金を借り換えしたに過ぎず、課題がある。

 標準財政規模(市税と地方交付税)に対する借金返済の割合を示す実質公債費負担率は07年度の10・8%から08年度は10・0%に改善し、国の黄信号ライン25%も下回っている。借金の将来負担比率は143・5%から同じく128・7%に減り、黄信号ライン350%には達していない。(高柳 謙)


◎木古内のプレミアム商品券40分間で完売

 【木古内】木古内商工会(木元護会長)の今年2回目のプレミアム商品券が6日発売され、販売開始40分で完売した。販売会場は2割得(プレミアム率25%)の商品券を買い求める大勢でにぎわい、関心の強さを示した。

 役場と会館、2商店で午前10時に販売開始。役場では同9時ごろから住民が玄関前に並び、販売開始直後には長い列ができた。受け付けは混乱を避けるため、2、3人ずつ分けて対応した。

 現金4000円で5000円分(500円券10枚)の額面を16歳以上1人20セットまで購入できると、チラシで周知。前回の3月29日発行時(1時間で完売)と同じ6000セットを58店舗が取り扱った。

 1セットに抽選券1枚が付き、加盟店の買い物券が当たる。当選番号は7日から加盟店で張り出される。

 同商工会は「各会場とも大勢で混雑したが、住民同士の協力で円滑に販売することができた。商品券効果とともにこの連携も力に、地域経済を盛り返したい」と話している。

 商品券有効期間は12月末まで。(田中陽介)


◎目と耳で楽しむ「海炭市」の世界…実行委が演奏と朗読

 函館出身の作家、佐藤泰志の遺作となった小説「海炭市叙景」の映画化を目指す市民有志の実行委員会(菅原和博委員長)が6日、函館市五稜郭町43の五稜郭タワーで、音楽と朗読のイベント「目で読み耳で聞く『海炭市叙景』の世界」を開いた。

 このイベントは来年2月にクランクインし、全編函館ロケを予定している同小説の映画化に際し、撮影資金を市民の出資で集めるためのPRの一環として行われた。同タワーではパネル展も11日まで実施されている。

 午後1時から始まったイベントは、実行委員の寺尾修一さんがボーカルやギターなどを担当。荒良木亮さんがパーカッションで参加し小説に登場する音楽をメインにしたコンサートから始まった。ガンズ&ローゼスやエアロスミス、トム・ウェイツなどの洋楽を披露し、同タワーを訪れていた人たちが聴き入った。そのほか、函館を拠点に活動する劇団G4のメンバーが同小説の18の短編の中からピックアップしての朗読劇も披露された。(小杉貴洋)