2010年10月17日 (日) 掲載

◎ロシア軍艦に人、人、人…一般公開

 函館に寄港したロシア太平洋艦隊所属の対潜大型哨戒艦「アドミラル・パンテレーエフ」(6700トン)の一般公開が16日、函館港港町ふ頭(函館市港町2)で始まった。厳重な警備・保安態勢の下、ふ頭入り口や岸壁には長い列ができ、この日だけで市民ら約1400人が来訪。戦後初めて道内に入港したロシア艦船の迫力を目の当たりにした。

 午後零時45分の受付開始前からふ頭入り口の駐車場はほぼ満杯の状態に。手荷物検査を受けるための順番待ちの列が絶えず、岸壁まで移動する専用のマイクロバスに乗り込むまで30分程度要した。艦内の入場制限で岸壁でも300人ほどの長い列。乗艦までは最終的に1時間以上かかったが、乗組員らが同艦前で歌や演奏を披露して場を和ませた。

 今回公開されたのは同艦の甲板部のみとなったが、船首付近にある100ミリ単装砲などは間近で見学でき、乗艦した市民らはロシア人乗組員と記念写真を撮ったり、搭載された兵器に見入ったりしていた。同艦の隣では海上自衛隊の護衛艦「あまぎり」(3500トン)も同時に公開された。

 見学に訪れた市民らには比較的歓迎ムードが漂った。旧日本海軍だったという七飯町の無職、境昭三さん(83)は「装備は仰々しかったが、実際に近くで見ると古い艦船と分かる部分もあった。ロシアとけんかしてもしょうがないので寄港には賛成」。この日のために千葉市から訪れた男性会社員(41)は「自衛隊の船より重厚感があった。友好のために寄港はいいことだと思うが、もう少し内部も公開してほしかった」と話した。

 一般公開は17日も行われ、午後1時—4時(受付開始は午後零時45分、受付終了は午後3時半)。16日は急きょ駐車場を増設したが、対応しきれず、駐車待ちの車両で周辺道路が一時2キロ以上渋滞した。(森健太郎)



◎スーパーやドラッグストア 函館で進む深夜営業 顧客争奪戦が激化

 大都市圏を中心にスーパーやドラッグストアの営業時間の拡大が急速に進んでいる。函館地域でも8月にオープンした「スーパーセンタートライアル北美原店」(函館市北美原1)が24時間営業を行っているほか、午後11時や午前零時まで営業を行うスーパーも増えている。このほかドラッグストアの中にも深夜まで営業するところが出てきており、顧客争奪戦が激化している。

 トライアルは福岡を拠点とするディスカウントスタイルの大型スーパーチェーン。同社によると「具体的な数字は明かせないが、現在までの北美原店の売り上げは目標をクリアしている。プライベートブランドを中心に価格面で他店との差別化を図っていきたい」とし、「今後も立地条件が見合う場所があれば出店を考えていきたい」と強気の構え。

 函館地区で24時間営業を行ったスーパーはトライアルが初めてではない。2000年前後に市内のダイエー数店舗が24時間営業をいちはやく導入したが、費用対効果が見合わなかったために数年で撤退。同社の広報企画部では「現時点では函館地区で再び24時間営業を行うことは考えていないが、時間延長などについては検討の余地がある」と話している。

 このほかの主なスーパーの深夜営業の状況は「ホクレンショップ函館昭和店」(函館市昭和1)が深夜零時まで。道南ラルズでは本通店(本通4)が午前零時、ビッグハウスアドマーニ(同美原3)と戸倉店(同戸倉町263)が午後11時まで。マックスバリュは石川店(同石川町226)、堀川店(同堀川町4)がともに午後11時まで。またMEGAドン・キホーテ函館店の食料品、日用品売り場も午前零時までとなっている。

 トライアル北美原店と同一の商圏内にビッグハウスアドマーニを抱える道南ラルズでは「(トライアルのオープンで)一時的に売り上げに影響があったのは確かだが、顧客層や商品構成などが根本的に違うので、営業時間を延長して対抗することは考えていない」と話す。

 昨年業務提携した魚長とコープさっぽろは、道南地域で合わせて30店舗以上を展開するが、魚長の営業時間が最長午後9時まで、コープさっぽろが最長午後10時までと、深夜営業化には消極的な様子。魚長によると「現在はコープと仕入れや配送の共同化を進めコスト削減に力を注いでいる段階。営業時間の延長については今後の検討課題」と話す。

 一方、食料品や日用品の取り扱いも増えて小スーパー化しているドラッグストアにも、深夜営業化の動きがある。サッポロドラッグストアでは4月に田家店(同田家町20)と函館日乃出店(同日乃出町17)の営業時間を午前零時まで延長。同社は「今後も利用状況を見ながら随時深夜営業を拡大していきたい」と話し、コンビニエンスストアを含めた深夜の販売合戦に拍車が掛かっている。(小川俊之)



◎江差高校創立80周年祝う

 【江差】道立江差高校(館山昭校長、生徒374人)の創立80周年記念式典が16日、江差町伏木戸町の同高体育館で開かれた。全校生徒や教職員、道内外で活躍する卒業生ら約500人が80周年の節目を祝いながら、桧山南部地域の中心校としてさらなる飛躍と発展を誓い合った。

 式典は、第55回道吹奏楽コンクール・高校の部C編成で最高賞の金賞を受賞し、東京都府中市で開かれた第10回東日本学校吹奏楽大会でも銅賞を獲得した吹奏楽部による記念演奏でスタートした。

 館山校長は「人間で言えば傘寿に当たる年。歴史と伝統を作り上げて学舎を巣立った同窓生に敬意を表したい。地域に学び、地域に育ち、地域に貢献する人材の育成に取り組みたい」と式辞を述べた。

 同窓会・北鴎会の上野秀勝会長は「1万6000人を超える卒業生を輩出した本校で学んでいることを誇りに、明日の時代を輝かせる英知を学んでほしい」とあいさつ。来賓の神谷奈保子道教育委員長、同高OBの濱谷一治江差町長も在校生を激励。蠣崎幹太生徒会長は「校風や学校には卒業生の思い出が詰まっている。歴史の1ページにいる江差高校生として、3年間の高校生活を頑張りたい」と決意を述べた。式典では歴代校長やPTA会長の10人に表彰状を贈呈。同高と北鴎会で組織する80周年記念事業実行委から記念品として、スポットライトや屋外放送機材などの備品などが贈られた。

 同高は1930年開校の江差実科女学校がルーツ。49年に道立江差高等女学校と道立江差高校(旧)の統合で、江差高が誕生。熊石、乙部、奥尻の分校は、生徒数の増加に対応して分離独立。81年には普通科を江差高に、商業科、工業科、定時制普通科を旧江差南高に分離。旧厚沢部高と統合した上で伏木戸町の現校舎に移転した。

 旧江差南高は少子化の影響で96年に電気科、2004年に事務情報科を閉科。06年3月に江差高と統合して閉校した。統合校となった新生・江差高は、道内初の全日制普通科単位制を導入して新しいスタートを切った。(松浦 純)


◎新関氏、道議選出馬へ 北斗市区

 【北斗】北斗市議の新関一夫氏(55)は16日までに、来年4月の道議選北斗市区(定数1)から立候補する意向を固めた。所属する自民党からの公認を得たい考えで、函館新聞の取材に対し、新関氏は「開業まで5年と迫った北海道新幹線の問題に全力で取り組みたい」と話している。

 新関氏は1955年、旧上磯町出身。函館中部高、神奈川大経済学部卒。1998年に上磯町議に初当選し、2006年から北斗市議。町議時代を含め、現在、通算3期目となる。

 新関氏は「北海道新幹線開業に向けた取り組みは、今が一番重要な時期となっている。市議の立場だけではできることに限界があり、道政の場で国や道との橋渡し役として活動したい」と話す。既に党北斗支部に公認申請を済ませたといい、今後、早急に選挙に向けた準備に取り組むとしている。

 北斗市区では、既に元道議の河野光彦氏(69)が立候補の意向を示し、自民党への公認申請を済ませている。また、出馬が見込まれる現職の長尾信秀氏(64)=民主党=は「1人区に選挙戦はつきもの。他の予定者の動向にとらわれることはない」と話している。(今井正一)



◎学生が手ほどき児童がケーキ作り 函館短大付設調理師専門学校学祭

 函館短大付設調理師専門学校(函館市柏木町7)で16日、第22回学校祭「『味まつり』食の祭典 みんなの笑顔咲かせます。」が行われた。700人を超す市民らが足を運び、学生が実演販売する料理やお菓子、各種イベントを楽しんだ。

 例年、人気を集めている製菓衛生師科の学生が作ったシフォンケーキなどのお菓子をはじめ、和菓子、ケーキやパンなどを目当てに開場前から200人近くの列ができ、すぐに売り切れてしまう商品も多かった。また、道南の新鮮野菜などを提供する地元生産者による「青空市場」も軒を連ね、買い求める客らでにぎわっていた。

 調理師科の学生は、その場で作るオムライスなどの西洋料理や中華料理、日本料理などさまざなまジャンルの食品を販売。出来たての本格的な味に来場者も「おいしい」と連呼しながら、舌鼓を打っていた。ケーキ名人コンテストには10人の小学生が参加。思い思いのデコレーションで順位を競っていた。そのほか、学生食堂も一般開放され、学生の味を堪能。イカール星人の来場も祭りを盛り上げていた。(小杉貴洋)