2010年10月21日 (木) 掲載

◎毒キノコに要注意 全国で食中毒相次ぐ

 キノコ採りに出かける人が増えるこの季節、食用キノコと誤って毒キノコを食べて中毒を起こすケースが全国各地で相次いでいる。函館市衛生試験所では「毒キノコは注意すれば見分けが付く。食用キノコと同じ場所に自生しているケースもあるので気をつけて」と呼び掛けている。

 同試験所理化学担当の岡田和広主査によると、正確な数は把握できないが、道内には数十種類の毒キノコが生育。キノコ採りの際には、キノコに詳しい人とともに行動して知識を得る、見分けがつかない場合は保健所に相談することなどが肝要だ。

 特に食用キノコと間違えやすい毒キノコは、クサウラベニタケとツキヨタケ。いずれもおう吐、下痢、腹痛などの典型的な中毒症状を起こす。クサウラベニタケはキノコ採りで人気のあるハタケシメジ、ツキヨタケはムキタケに形状が似ている。

 見分けるポイントはどこか。岡田主査は「クサウラベニタケは、かさの裏にあるひだがピンク色。くきが白く、内部が空洞化しているため折れやすい。ツキヨタケは、くきを折ると黒い染みがある」とアドバイスする。

 また、キノコ採りで山に入る際にはクマやスズメバチなどの野生動物の危険から身を守る必要もある。岡田主査は「クマについては、鈴や音の鳴るものを身に付け、集団行動することが大切。スズメバチは下ばかり見ていると巣の存在に気がつかない場合がある。注意確認を怠らないで」と話している。(黒田 寛)



◎勝山館跡に多数の柱穴 中世の物見跡か

 【上ノ国】戦国時代の山城・勝山館跡(国指定史跡)の発掘調査を進めている上ノ国町教委は20日までに、城外との往来や本州との交易で栄えた港の様子を見張る物見跡とみられる多数の柱穴を確認した。23日午後1時半から現地説明会を予定している。

 勝山館は、松前氏の祖・武田信廣が15世紀後半に築いた山城。町教委は1979年から発掘調査を継続。ここ数年は城の入り口に当たる北端部の調査が進んでいる。本年度の発掘調査は、勝山館の入り口付近にある旧笹浪家住宅(重要文化財)や上ノ国八幡宮の裏手に当たる尾根沿いで行っている。

 現地には尾根を削って作られた4段の平地がある。2段目の先端付近では、幅約2メートル・長さ約6メートルの範囲で複数の柱穴を発見した。現在の国道付近には、本道と本州を結ぶ重要な交易拠点だった港があり、町教委の塚田直哉学芸員は「現地は見晴らしがよく、外敵の侵入を防ぐ防御施設というよりは、交易のために多くの船が行き来した港や海の様子を監視する施設があったのでは」とみる。

 現地では、江戸時代に松前藩主が勝山館跡にあった館神八幡宮と夷王山山頂の夷王山神社を参詣するために整備されたとみられる道路跡なども見つかった。また、発掘区域では、和人の墓とみられる遺構も確認した。勝山館背後の夷王山東斜面にある600基を超える、和人やアイヌの墓が密集する「夷王山墳墓群」は有名だが、2008年以降の調査では、城の入り口に当たる北側でも、多くの墓が見付かっている。塚田学芸員は「墓は当初の予想を超えて城の入り口に当たる北側にも広く分布していることが分かってきた」と話す。

 説明会の希望希望者は旧笹浪家住宅に集合する。問い合わせは町教委0139・55・2230。(松浦 純)



◎全国のうまいもの求め市民どっと 丸井今井で物産展

 全国の銘菓や特産品が一堂に集まる「第106回全国うまいもの大会」が20日、丸井今井函館店(函館市本町)で始まった。全70店が出店し、限定商品などを求め初日から多くの来場者でにぎわった。31日まで。

 毎年2回行われる人気イベント。常連の人気店舗に加え、横浜夢本舗(神奈川県)の釜焼チーズケーキや、米屋(広島県)の広島かきめしなどの初出店店舗も注目を集めていた。

 中でも三重県の赤福餅(もち)は午後1時から400個の限定販売(22日以降は200個)とあって、販売前から行列ができる人気ぶり。利久(宮城県)の牛たん弁当やニューなると(小樽市)の若どりのから揚げなども予約待ちの状態だった。

 市内亀田港町から夫婦で訪れた小野毅さん(46)は「今日は限定30個の富山のますのすしを無事に購入できた。うまいもの大会は全国を旅した気分になれるので、毎回楽しみ」と話していた。

 なお26日には一部店舗の入れ替えがあり、マダムシンコ(大阪府)のバームクーヘンなどが登場する。(小川俊之)


◎ハセスト函館夢弁当あすから発売 調理師専門学校生のメニューも

 道南地域の旬の食材をふんだんに盛り込んだ「函館夢弁当」が今年も22日から、函館市内・近郊のハセガワストア全店舗で発売される。今回は函館短大付設調理師専門学校(下野茂校長)の学生が考案したメニューも初めて取り入れられ、下野校長は「学生たちのアイデアも詰まった“夢”あふれる弁当を味わってほしい」と話している。

 同弁当は同ストアと同校、FMいるかの共同企画で、地産地消を目的に2001年から毎年秋に発売している。今年は10回目を記念して、同校の調理師科西洋ゼミの学生13人を対象にイカを使ったレシピのコンクールを行い、「いか団子(タルタルソース添え)」と「いかの赤ワインソース炒め」の2品が弁当に採用された。

 いか団子を考案した大矢有貴さんは「めんつゆを隠し味に自信の作品に仕上がったが、まさか採用されるとは思わなかった」と驚きの表情。「いかの赤ワインソース炒め」を考案した相澤直走さんは「パプリカを添えて彩りにもこだわった。多くの人に味わってほしい」と期待する。

 このほか「ハンバーグのカレーソース」や「鮭の洋風オーブン焼」など新鮮素材にひと手間加えた洋風メニュー6品に、炊き込みご飯の上に具材がたっぷり乗った「かに飯」が加わる全7品。同ストアの草刈直利商品部部長は「10回目を記念する豪華な仕上がりとなった」と話している。

 販売期間は31日までの10日間限定。価格は780円で数量限定のため、事前の予約も受け付ける。(小川俊之)



◎ハマナス会が緑の島に記念植樹

 市内でハマナスの植樹活動を展開するハマナスの会(工藤えみ代表)は16日、函館市大町の緑の島で記念植樹「みんなでつくる緑の島公園U」を開いた。同会会員や市民約100人が参加。東側(豊川ふ頭側)で約100本を植えた。

 同会は1997年に設立。市内の草木が育ちにくい場所で、潮風に強いとされるハマナスを植樹し、森林や景観保護の大切さを伝えている。これまで亀田川河口付近などで活動してきた。

 「みんなでつくる—」は今年2月、市内で1回目を開き、参加者にハマナスの種や鉢を約100セット配布。それが育ち、植樹することとなった。このほか、2007年に開かれた全国植樹祭(苫小牧)で、天皇、皇后両陛下が植樹されたハマナスの苗木6本も用意された。

 植樹会には西尾正範市長も訪れ、参加者を激励。参加者は手袋を着用し、スコップで穴を掘り、約50センチの苗木を丁寧に植えていった。函館港に囲まれ、東や南から潮風が当たりやすく、この日も冷たい風が吹きつけた。参加者は「天気が良いのに寒い」「早く大きくなって防風の役割を果たして」と話しながら作業を進めていた。

 工藤代表は「この場所でハマナスが大きく育てば、中の芝生広場にまで潮風が通らなくなり、さまざまな花や木を植樹できるようになる。そして広場の活用方法も多様になってくる」と話していた。(山崎純一)