2010年10月24日 (日) 掲載

◎せせらぎ温泉でマルメロ風呂スタート

 【北斗】市健康センター「せせらぎ温泉」(本町311)で23日、恒例のマルメロ風呂がスタートした。大勢の入浴客がマルメロの甘い香りを楽しみながら体を温めている。

 同温泉では、毎年利用者サービスとして、この時期に実施している。19日に市営果樹園「マルメロかおりの里」(市渡)で収穫されたばかりの果実を1日約40`使用。今年は、11月14日までの20日間を予定し、男女とも中風呂のほか、初めて露天風呂にも実を浮かべるサービスを始めた。

 この日は、オープンに合わせて約30人の入浴客が来館。浴槽のマルメロを手に取りながら、独特の甘い香りとともに体の疲れを癒やしていた。一番風呂を楽しんだ市公園通の芝崎泰三さん(73)は「マルメロ風呂は体がぽかぽか体が温まります。香りもいいですね」と話していた。

 営業時間は午前10時から午後10時。月曜休館。問い合わせは同温泉TEL0138-77-7070。(今井正一)



◎【企画・2011統一地方選展望】
 ▽道議選函館市区=現職中心に激戦か

 来年4月の統一地方選挙まで残り半年を切った。道南では道議選が函館市、北斗市、渡島総合振興局、桧山振興局の4選挙区で行われる。各選挙区とも激戦の様相で、北斗、渡島、桧山の3選挙区は自民・保守系と民主系の対決となる公算が大きい。渡島管内で唯一の首長選となる函館市長選を含め、情勢を探る。

 定数6で、9月2日現在の有権者は23万8666人(男性10万6669人、女性13万1997人)。有権者は前回2007年の道議選から約6700人減っている。

 前々回(03年)は10人、前回は9人が立候補する大激戦区となっており、うち自民・保守系は03年5人、07年4人と乱立。議席の内訳は民主が3人を維持、自民は新人候補の当選で1999年以来の2議席を回復、公明が1となった。

 現時点で出馬が確実視されるのは、現職では民主党の平出陽子氏(61)、斉藤博氏(59)、高橋亨氏(57)、自民党の川尻秀之氏(65)、佐々木俊雄氏(60)、共産党新人の古岡友弥氏(33)と、7月の参院選で当選した公明党の横山信一氏(51)の後継候補の計7人。これに加え、元職の畠山博氏(65)や、党勢拡大を図るみんなの党などの動向が注目されている。

 民主党の3人は9月に党の公認候補に選ばれ、地元の集会や行事に積極的に参加し、活動を始めている。

 政権与党とはいえ、支持基盤となる労組票の減少などもあり、過去2回続いた3議席死守は相当な厳しさがある。斉藤氏は11月に市内で道政報告会を開いて浸透を図る構えで、「3議席から欠けるということにはならない」と意気込む。副議長の平出氏は地元に戻れる機会は少ないものの、出身組合以外のあいさつ回りにも力を入れる。「政権与党になったことで、保守層との付き合いも増えてきた」と手応えを語る。

 補選を経て2選を果たした高橋氏も真価が問われる。12月以降に動きを本格化させる見通しで、「民主の市議選候補と連動した戦いをしたい」と語る。

 自民党の川尻、佐々木両氏は9月に党の1次公認を受けており、ポスター張りなどの作業を着々と進めている。

 川尻氏は今月17日に政経セミナーを開催。石破茂党政調会長が応援に駆け付けた中、道議会与党会派としての実績をアピールするとともに、公共事業の増加に取り組む姿勢を強調した。前回は6番目のイスに滑り込んだ佐々木氏もまた「公共工事が減り続け、支持者からは厳しいとの声を聞くばかり。自民党による景気対策を望む声は強い」と、2期目の当選に意欲を見せる。両氏とも建設業界、水産業界などの後援組織をフル回転させて臨む構えだ。

 建設、医療、福祉業界に地盤を持つ畠山氏は「後援会と協議している最中。何人出るか分からない面もあり、他党の動きがどうなるのか見たい」と情勢を見極める構え。また、03、07年に出馬した大日向豊吉氏(60)は「関心はあるが、自分から進んで立候補する考えはない」と話し、出馬を見送る方向。

 公明党は党道本で候補者の選考を進めているが、人選作業が難航。後継には当初、現職の函館市議ら数人の名前が取りざたされたが、9月には市議団5人のうち3人が市議選候補に決まり、2人が勇退の方向にある点から、地元に関係のない「落下傘候補」が来る可能性も否定できない。

 同党函館総支部は「何人か名前は出ていて、本人にも意見を聞きながら進めている段階。支持者への周知も時間が必要で、早く決めてほしいのだが」と気をもむ。  共産党は08年春に古岡氏の擁立を決定。同党は現職がいる旭川市、小樽市のほか、以前議席のあった函館など3選挙区を「重点選挙区」と位置づける。だが、今夏の参院選候補の得票が函館市で1万704票にとどまった点から、党函館地区委員会幹部は「相当厳しい戦いになる」。チラシの全戸配布などを進めながら、11月からは市議選候補者とも連動して地域演説会を行っていく。

 道南に地盤を持たないみんなの党は、今夏の参院選に出馬した中川賢一氏がトップを務める北海道連絡会議が、参院選後の7月末ごろからホームページを通じて公募を行っている。同会議は「函館市区には数人の応募があった。検討段階に入った人物もいる」とし、出馬を模索している。

 ▽函館市長選=現職と前副市長 一騎打ちの公算

 現在のところ、昨年末に副市長を辞職した工藤寿樹氏(60)が出馬の意向を示している。正式表明はまだだが、今年5月に後援会を発足させ、ホームページも立ち上げたほか、地元の亀田地区を中心に各町会をこまめに回るなど地道な活動を続ける。地元経済の再生や、日本一の福祉都市実現などの政策を打ち出す一方、「今の市政には志が感じられない。何ら実績も上げられていない」と、現市政への批判を強める。

 現職の西尾正範氏(61)は「年内は仕事第一。来年のことはあまり考えず、市民のために働くべき」と、現段階では2選出馬を明言していない。ただ、自身の後援会「子ども達の笑顔と未来の会」が今年に入り役員を一部入れ替えたほか、11月下旬には後援会主催で市政報告会を行う予定で、水面下での準備が進む。市関係者からは「12月議会で態度を表明するのでは」との声も出ている。 (統一地方選取材班)



◎函館ラ・サール学園が創立50周年祝い記念式典

 函館ラ・サール学園の創立50周年を祝う記念式典やフォーラムが23日、函館市民会館で開かれた。ラベル・アンドレ理事長は「50年間、多くの人に支えられてきた」と歴史を振り返り、「聖ラ・サールの精神を大切にしながら、未来に向かって新たなチャレンジを始めます」と今後の発展を決意した。

 カトリック系男子校の同校は1960(昭和35)年4月6日に開校し、ことし50周年を迎えた。式典の「み言葉の祭儀」では、カトリック札幌教区管理者のタルチシオ菊地功司教が司式を務め、50周年の節目を祝福。成沢茂PTA会長や齊藤裕志同窓会長、生徒代表らも、心を一つに今後の発展を祈願した。

 この日のために初来函した、ラ・サール会本部(ローマ)のアルヴァロ・ロドリゲス総長は、「皆さんの熱意、未来がどこにあるのかの質問に答えるのは皆さん自身。100周年の時の自分の姿を想像し、答えを探してほしい」と呼びかけた。

 このほか同日、函館国際ホテルではトークセッションを行い、「いのちをまもり育てる街づくり」や「寮という想(おも)ひ出」など5つのテーマで卒業生や在校生が議論。記念祝賀会も開催し、卒業生一同が懇親を深めた。24日午前8時40分からは、同校の授業やクラブ活動、寮などを公開するオープンスクールを行う。(小泉まや)


◎「飛鳥II」が函館港に寄港、船内見学会も

 郵船クルーズ(東京)が運航する国内最大の客船「飛鳥II」(5万142トン)が23日、函館港に寄港した。接岸した港町ふ頭(函館市港町2)では歓迎セレモニーが行われたほか、公募で選ばれた市民らが船内の豪華な設備を見学した。

 飛鳥IIの函館への寄港は今年8月以来で、函館港に本年度入港する客船では最後となる。今回は17日に博多港を出港し、高知や清水港などを経由する9泊10日の日本一周クルーズの途中で、乗客約600人が乗船している。

 歓迎セレモニーで函館運輸支局の大関哲雄次長が「人情味あふれる函館で楽しい思い出をつくり、また何度も訪れてほしい」とあいさつ。ミスはこだての高橋千尋さんらから船長らに花束やいか踊りの法被などが贈られた。その後、乗客らは貸切バスやタクシーで函館観光に向かった。

 市民向けの船内見学会は100人の定員に対し、約1200人が応募する人気。抽選で選ばれた参加者は4班に分かれ、プールやラウンジなど船内に12階層ある豪華設備を見て回り、熱心に写真を撮るなどしてクルーズ気分を味わった。

 親子で見学した市内宮前町の小林弘子さん(78)は「まるでホテルのようで、リッチになった気分。至れり尽くせりで、今晩は思い出して眠れなさそう」と興奮気味だった。飛鳥IIは23日夜、ブラスバンド演奏やいか踊りの見送りを受け、次の目的地の秋田・船川港に向けて函館を出港した。 (森健太郎)



◎中島小キッズマルシェ、児童ら元気に呼び込み

 「いらっしゃーい」「安いですよー」。函館市の中島廉売で23日、中島小学校の児童らによるキッズマルシェ「中島ちびっこ店」が開かれた。子どもたちの元気な声が響き渡り、にぎわいをみせた。

 同廉売の法人化30周年を記念して、中島町商店街振興組合(二本柳秀樹理事長)が企画。中島小学校に声をかけ、商店体験に興味を持つ4年から6年の児童10人を集めて実施した。

 児童らは廉売内で値段の確認や接客の様子を見学し、自らが売る野菜や果物の価格を決めたり、ポップやポスターを作成。販売が始まると、元気いっぱいに呼び込みをしていた。途中、買い物客に「本当においしいの」と尋ねられる場面があったが「はい、食べてみればわかるので、ぜひ買ってみて」と余裕の切り返し。売れ行きを見ながら、自らの判断で値下げも行うなど、児童らは生き生きと活動しながら商売について学んだ。

 この日参加した唯一の4年生、瀬戸優奈さんは「将来お店を持つのが夢なので、一度経験してみたいと思い参加した。値段付けが難しかった」、マイクを片手に元気な呼び込みで店を盛り上げた6年の太田媛乙さんは「最初は恥ずかしさもあったけど、すぐに慣れた。お客さんへの声をかけは、とても楽しい」と興奮した様子で話していた。(堀内法子)