2010年10月3日 (日) 掲載

◎カルチャーセンター臥牛館2号館「卓球ー・剣道場」に新装

 卓球や剣道の選手を育て、函館のスポーツ活性化に役立ててもらおうと、市内でガソリンスタンドなどを展開する池見石油店(函館市豊川町)は、所有するカルチャーセンター臥牛館2号館(豊川町9)の1階を改装し、「卓球センター・剣道道場」としてリニューアルオープンした。2日に開所式を行い、剣道の試技、卓球の試打を行った。

 同館は2階にギャラリーや会議室があり、1階は喫茶店などを営業していた時期はあったが、最近は主だった利用をしていなかった。同店の石塚與喜雄会長(81)が、少年時代に剣道をしていたことや、最近になり股関節や心臓を患うことが多く、健康維持のために卓球を勧められたことがきっかけで、開設を思いついた。

 卓球に関してアドバイスをもらおうと今年1月、函館商業高校の後輩で、市内大森町の函館大火慰霊堂で練習に励む、函館卓栄会の岩坂達哉事務局長(65)を訪問。真冬にもかかわらず石塚さんと同年代の人が集まり、元気に汗を流す姿に感銘を受けた。「臥牛館のある西部地区は閉そく感こそあるが、元気な高齢者や、マンションに住む子供も多い。競技の普及、底辺を拡大し将来のオリンピック選手輩出を目指そう」とますます気持ちが動き、7月に着工した。

 約50平方メートルあるフロアの壁の一部には、道南スギの間伐材を使用。中には樹齢100年以上のものも。床は白樺の木の裏面に特種ゴムを張り付けたもので、衝撃を吸収する。卓球の指導を行う函館カムバックT・Tクラブの白鳥修代表(38)は「大きくジャンプして着地した時、ひざに掛かる衝撃が柔らかい。子供たちに負担が掛からず、とても良い。このような施設は初めて」と話す。

 開所式には谷沢広副市長、工事関係者や函館剣道連盟などから約60人が参加。石塚会長は「地域の新しい産業としてスポーツ産業が栄えるように、また、函館から強力選手が出るように、指導者、選手をサポートしていきたい」と話していた。

 同クラブのほか剣道、居合道のけいこ場として利用される。一般の使用に関する問い合わせは同店担当者の石塚さんTEL090・7057・2032。(山崎純一)



◎「日ハムありがとうセール」スタート

 プロ野球の日本ハムファイターズが惜しくも5年連続のクライマックスシリーズ(CS)進出を逃してから一夜明けた2日、道内のダイエーとグルメシティ19店舗では選手たちの活躍をねぎらい「北海道日本ハムファイターズ 感動をありがとうセール」がスタートした。

 このうち函館地区では北斗市内のダイエー上磯店と函館市内のグルメシティ7店舗でセールを実施。食料品を中心とした日替わりの特価商品が並んだほか、衣料品や日用品購入で通常の10倍の買い物ポイントをプレゼントしている。

 上磯店(七重浜4)では開店前から約50人の買い物客が列を作り、扉が開くと同時にお目当ての商品目指して各売り場へ向かった。店内には「感動をありがとう」と書かれた垂れ幕や看板が掲げられ、BGMにはファイターズの応援歌が流されていた。

 函館市桔梗町の50代男性は「CSに行けなかったのは残念だけど、シーズン当初の低迷からよくあそこまで頑張ってくれた。来年こそは日本一を奪回してほしい」と話していた。同セールは4日まで行われる。(小川俊之)



◎ポイ捨て防止 看板の効果検証

 函館市昭和3の国道5号函館新道高架橋下で2日、函館開建函館道路事務所(米田義弘所長)の職員らが高架下のごみ拾いを行った。今年2月、市民からの意見をきっかけにポイ捨て防止を呼び掛ける看板を設置しており、その効果を検証する目的で行ったもので、同事務所は結果を分析した上で、さらなる対策を検討する。

 同開建は、2年ほど前から1人で高架橋下のごみ拾い活動をしている市内昭和4の会社員、杉本悟さんからの意見を契機に、今年2月に高架橋下の8カ所で啓発看板を設置。その後、杉本さんから「看板を付けてからごみが減ったのではないか」との指摘を受け、現状を把握しようと実施した。

 活動には同事務所職員をはじめ、工事請負業者らでつくる工事安全連絡協議会のメンバーと家族ら約80人がボランティアで参加。高架橋下約600メートルの区間で、立ち入り禁止区域の内側と外側で約1時間、ごみ拾いを行った。約1時間の活動でたばこの吸い殻や空き缶、ペットボトルなどを拾い集め、中には弁当の食べかすがそのまま捨てられる悪質なケースもあった。

 米田所長は「草を刈れば捨てにくくなるのではとの意見も寄せられたが、ポイ捨て対策のための草刈りは難しいのが現状。どういう対策があるか考えたい」とする。

 今回の活動には意見を寄せた杉本さんも参加し、愛用の長いはさみを手にごみを拾い集めた。杉本さんは「以前には古タイヤも投げ捨てられていたことを考えると、ごみは減っていると思う。行政が取り組むだけで大きなプラスになる」と笑顔で話していた。(千葉卓陽)


◎奨学金納付対策を強化

 函館市教委は今月から、滞納額が年々増加している奨学貸付金の返済対策を強化する。不況の影響で貸付金の返済に窮する例が増える一方、誠意の見られない滞納者も多いといい、催告に応じない場合には函館簡裁に督促を申し立てる措置を取る。市教委は公平性確保のためのやむを得ない措置とする一方、「滞納者が返還相談をするきっかけになれば」と話している。

 経済的理由で修学が難しい市内の学生、生徒を対象に無利子で貸し付けを行っている。1カ月の貸付額は国立大学が1万7000円、私立大学1万9000円、公立高校1万円、私立高校1万4000円で、卒業の1年後から15年以内で返還する規定。

 市教委は滞納者に対し、毎年4月に督促状、2年以上の滞納者には年3回の催告状、それに電話での催告を行っているが、不況の影響で滞納額は年々増加しているという。

 過去5年間の滞納額は05年度2821万円、06年度3044万円、07年度3329万円、08年度3439万円、09年度3465万円。現年度分の収入率は80%台中盤を維持しているが、滞納繰越分を合わせた収入率は05年度57・9%、06年度55・9%、07年度49・7%、08年度52・8%、09年度50・2%と減少傾向が続く。

 また、奨学金の原資となる基金残高は09年度で約1億6000万円あるが、09年度と同じペースで滞納が続いた場合、2026年度には基金が底をつくと試算しており、滞納者への対策が急務となっている。

 具体的には、通常とは別に返済催告状を2度送り、応じない場合には簡裁に支払督促の申し立てを行う。返事がない場合には「法的手段を取るとの一文を添える」(市教委)としており、強い姿勢で臨む方針。

 市教委保健給食課は「分納制度もあり、事情に応じて対応可能なので何らかのリアクションがあれば」と話している。(千葉卓陽)