2010年10月31日 (日) 掲載

◎大沼公園 紅葉見ごろ

 【七飯】大沼国定公園では紅葉がピークを迎えた。訪れた観光客は大沼・小沼沿いや湖畔周遊道路などの錦絵を満喫している。

 今年は長い残暑の影響で、一部で葉の形が悪くなったものの、台風による風害、塩害や極端な気温低下の影響はなく、10月中ごろから、ひと雨ごとにモミジやカエデなどが黄や赤など、温かみのある色彩に染まっていった。

 奈良県から訪れた女性グループは、天然の美を題材に絵手紙制作に取り組んでいた。同県生駒市の主婦、磯村弥栄子さん(55)は「千歳空港から車で道南に入ったが、北海道の紅葉を楽しみながらドライブできて良かった。湖に反射する紅葉がとてもきれい」と話していた。(山崎純一)



◎カトリック元町教会で「でんけんコンサート」

 函館市西部地区の伝統的建造物を活用した「でんけんコンサート」(同実行委主催)が30日、函館カトリック元町教会(函館市元町15)で開かれた。今回は函館男声合唱団(上貞幸丕団長)が初めて出演し、宗教曲から世界各国の民謡まで11曲を披露。約200人の来場者を美しく力強いハーモニーで魅了した。

 同コンサートは函館市伝統的建造物保存会のメンバーで組織する同実行委(小林敏夫委員長)が、伝統的建造物と芸術文化の融和を多くの人に肌で感じてもらおうと、2004年から毎年実施している。

 プログラム前半はグレゴリオ聖歌の「キリエ」など、無伴奏の宗教曲が中心。同団メンバーの井ヶ田高彦さんが作詞・作曲した「ともに歌わん」「賛美の歌を主に捧げん」も披露され、美しいメロディーが教会内に響き渡った。

 後半は「里の秋」や「灯台守」など親しみやすい作品が続き、来場者もリラックスムードに。最後は亡くなった母親を題材にした合唱組曲「おかあさんのばか」が取り上げられ、教会内は感動的な雰囲気に包まれた。(小川俊之)



◎函館市、昨年の漁獲高/合併後初の200億円割れ

 函館市は、昨年1年間の水産物の漁獲高をまとめた。函館と戸井、恵山、椴法華、南茅部の各地区の合算数量は7万1306トンで、前年と同水準を維持したが、金額は前年比7.1%減の196億1833万円にとどまった。金額の200億円割れは2004年の旧4町村との合併後初めてで、主力産品のイカの不振が響いた形だ。

 イカの漁獲高をみると、数量で2万5737トン(同36.8%減)、金額で53億6537億円(同26.6%減)と大幅に落ち込み、2000年代では最低水準となった。函館地区では1万4456トン、35億6674万円でともに前年を若干上回ったが、旧4町村地区では数量、金額とも前年を下回った。

 渡島管内全体でも2万8905トン、59億7563万円と低調。道立函館水産試験場はその要因として「6月から真夏にかけての北上期に、津軽海峡沖を通らずに釧路、浦河方面へ回遊し、函館近辺に漁場が形成されなかった」と分析。夏場から秋口にかけても、海峡を西から東に流れる「津軽暖流」の勢力が弱く、回遊ルートがずれたとみている。

 逆に豊漁だったのはサケやスケトウダラで、サケは4980トン、15億9111万円。スケトウダラは1万2271トン、11億598万円でいずれも前年を大きく上回った。

 一方、コンブは数量で5448トンと前年を上回った一方、金額は76億2169万円で前年比3.5%減。ただ、漁獲全体の65%を占める南茅部地区では3580トン(同7.6%増)、50億4700万円(同7.1%増)と豊漁だった。南かやべ漁協は「昨年は海水温が平年並みに推移し、大きなしけもなかった」と話している。

 また、これとは別に、市水産物地方卸売市場の取り扱いをもとにした昨年1年間の水揚げ高は4万2617トン(同6.7%減)。前年同様に全国17位で、道内では釧路、根室に次いで3番目。金額は同11%減の174億7900万円と落ち込んだが、全国のランキングでは11位と、前年の13位から上昇した。(千葉卓陽)

の賞は『ノーベル賞』にも匹敵する。澤村さんの仕事にかける思いを学んでいきたい」と同研修会で参加者に呼び掛けた。

 表彰式は11月17日に東京で行われる。澤村さんは「私以上に林業に努力する関係者が多い中で恐縮だが、いつも応援してきてくれた仲間とこの喜びを分かち合えれば」と話している。(田中陽介)


◎「日本海グリーンベルト構想」5年目、紙コップから手製ポットへ

 【上ノ国】2006年に始動した上ノ国町の「日本海グリーンベルト構想」が5年目を迎えた。当初は紙コップを使った手製のポットを使い、カシワの種子(ドングリ)を手植えしてきたが、今年からは世界的な生態学者として知られる、横浜国立大の宮脇昭名誉教授が新開発した育苗ポットによる苗木作りがスタート。江戸時代からの乱伐で荒廃した日本海沿岸の森林を復活させる取り組みは、住民の熱意に後押しされて進化を続けている。

 町内で試験的にドングリの種まきが始まったのは2006年秋のこと。当時は桧山南部4町の合併協議が崩壊した直後。財政難にあえいでいた町には、本格的な植林事業に投じる予算はなかった。町民の協力で集めたドングリ3000個を汐吹地区の荒れ地に植え付けたが、確認された新芽はわずか6本だった。

 07年1月には、同構想に賛同する漁業者を中心に「上ノ国町日本海グリーンベルト構想推進協議会」が発足。磯焼けが進む日本海の環境を取り戻すため、江戸時代からの乱伐で荒れ果てた桧山沿岸の森林を復活させようと、2026年までの20年計画でドングリの種まきや植樹に取り組むことを決めた。

 前年の苦い教訓から、紙コップに穴を空けたポットを手作りした。ドングリを乾燥やネズミの食害から守ることにしたが、現地での発芽率は伸び悩んだ。09年からは町内で集めたドングリから丈夫な苗を育てて植樹する方法もスタート。町外の賛同者からは自分で育てた苗木が届けられるケースも増えてきた。

 同構想は、立ち上げ当初から宮脇さんの植樹活動を手本にしてきた。宮脇さんの来町が実現したのは今年1月。講演会で宮脇さんは「豊かな海づくりにつながる素晴らしい取り組みだ」と評価。会場を埋めた住民に支援を約束した。

 世界1700カ所で5000万本もの植樹を行った宮脇さんは今月21日、新たに開発した育苗ポットを携えて同町を訪問。自身の活動を振り返りながら「今まではベターな取り組みだった。新しいポットではベストな植樹になる。皆さんは本物の森づくりを世界に発信する舞台監督であり、命をつなぐ森づくりの主役にもなる」と語り、世界で初めて披露した新型ポットへの期待を熱く語った。

 工藤昇町長は「試行錯誤の連続だった。宮脇先生の技術を生かして、丈夫な苗を育てていきたい」と意気込みを見せた。紙コップから新型ポットへ―。町民の願いが込められたドングリは芽吹きの時を待っている。(松浦 純)



◎七飯でグリーンフェスタ

 【七飯】農畜産物の即売会「ななえグリーンフェスタ2010」が30日、ななえ農産センター(大中山7)で開かれた。町内産の大地の恵みを買い求める大勢の町民でにぎわいを見せた。

 七飯町地域担い手育成総合支援協議会グリーンフェスタ部会の主催。漬物用にダイコンやハクサイが人気で、今年も開始と同時に大量に買い求める客が目立った。

 この日のために姉妹町の香川県三木町から、「ミス七夕クイーン」の2人や農協関係者ら計7人が来町。旬のミカンやカキを販売した。JA香川県の鎌倉輝彦さんは「ミカンは高温が続き、少し出来は良くないが、酸味があっておいしい。七飯の皆さんにも楽しんでもらいたい」と話していた。

 このほかにも会場には地場産の葉物野菜や新米「ふっくりんこ」、畜産物、カーネーションなど七飯町の特産品が手ごろな価格で販売され、各テントでは威勢のいいかけ声が響いていた。(今井正一)