2010年10月7日 (木) 掲載

◎猛暑影響、ナシや柿…価格高騰

 柿やナシなどといった秋の果物の価格が高騰している。今夏の記録的な猛暑の影響で、収穫が遅れ、収量も軒並み減少、市場価格に跳ね返った格好だ。全体量が少ないためこのまま価格が下がらずに推移するとの声もあり、この夏の暑さが実りの秋に影を落としている。

 函館地方青果物卸売市場によると、9月の1キロ当たりの平均単価はナシ317円、柿521円、リンゴ237円で、それぞれ前年同期比の1・6倍、1・8倍、1・5倍となっている。取扱量も前年を下回っており、柿は収穫の遅れから前年の2割程度。ナシやリンゴも8割にとどまっている。

 これから旬を迎えるミカンは早生(わせ)物が出回り、取扱量が前年同期の1・3倍だが、1キロ当たりの平均単価は676円と同1・2倍。ただ、関係者によると、主要産地の和歌山県など暑さの影響で収穫が遅れ、ミカンも高値で推移するとみている。

 市場課は「秋、冬の果物は本州産がほとんど。全国各地の主要産地がことごとく猛暑の影響を受けたようだ。量を確保できない状況」と頭を抱える。

 小売店にも影響し、テーオーストア本部の果実担当者は「柿の仕入れ価格が高騰。ただ、店頭価格にそのまま反映して売ることはできない」と苦慮する。

 スーパー魚長の青果本部は「全般的に昨年と比べると高め。柿に関しては昨年が例年よりも安かった分、消費者には高いというイメージを与えてしまうのでは」としている。(鈴木 潤)



◎函館市が「過疎地域自立促進市町村計画」策定

 函館市はこのほど、本年度から2015年度までの6年間を期間とする「過疎地域自立促進市町村計画」を策定した。2004年に合併した東部地域(旧戸井町、旧恵山町、旧椴法華村、旧南茅部町)が過疎地域と指定されていることを受け、地域振興の指針として策定したもので、基幹産業の水産業を中心に、社会資本の整備やソフト事業への支援などを幅広く盛り込んでいる。

 今年3月末から6年間延長された「過疎地域自立促進特別措置法」に基づき、合併建設計画などとの整合を図りながらまとめた。改正法では、借金の7割が交付税で措置される「過疎対策事業債」がソフト事業にも拡充され、図書館や認定子ども園など、使用できる対象施設も増えている。

 計画では産業振興や生活環境の整備、集落の整備など主に9項目で現状と問題点を抽出し、市だけでなく民間が主体となる事業も盛り込まれている。

 ハード事業ではなとわ・えさん交流センターをはじめ、灯台資料館やホテル恵風などの改修、漁協が行うコンブ養殖施設整備への補助など。ソフト事業では、ナマコの資源維持増大試験研究や後継者育成対策など漁業振興策のほか、集落の維持対策や高齢者温泉入浴優待事業などを盛り込んだ。つつじまつり(恵山)、ひろめ舟まつり(南茅部)など、民間が行うイベントへの補助も含まれる。

 6年間の総事業費は概算で約110億円となるが、市は毎年の財政事情に合わせて予算措置をしていく方針。昨年度までの計画(2005—09年)における実施率は43%だった。市企画部は「財政支援に基づく計画であり、盛り込んだ中から優先順位を付けて取り組んでいきたい」と話している。(千葉卓陽)

 



◎高橋さんら演奏、園児と音楽で交流

 函館在住の熟練演奏家が園児に音楽の魅力を伝える演奏会が6日、函館市青少年研修センターふるる函館(谷地頭町)で開かれた。木琴などの心地よい音色が響き、子供たちを楽しませた。

 人見保育所やつくしのこ保育園など6園合同の年長児合宿で企画。園児105人を前に、高橋順一さん(83)が木琴を、相馬誠さん(72)はシンセサイザー、佐藤潔さん(60)が篠笛(しのぶえ)を担当した。

 ステージは「函館賛歌」で幕開け。黄色のタイツに豆絞りと道化師姿の高橋さんが登場すると子供たちは大喜び。相馬さんはジャズのような独特のリズムで鍵盤を連打し、佐藤さんは演歌をしっとり奏で、曲ごとに大きな拍手が起きた。

 人見保育所の古俣美佳ちゃん(6)は「木琴の音がきれいでよかった。お父さんが家で歌っている演歌もあった」と満足の様子。高橋さんは「将来を担う園児とこのように音楽で交流することができて光栄。我々もまだまだ頑張らなければと元気をもらった」と笑顔を見せていた。(田中陽介)


◎函館信用金庫、新「五稜郭支店」12日に営業開始

 函館信用金庫(上條博英理事長)は千代台支店(千代台町12)と五稜郭支店(本町30)を統合し、12日から杉並町4の新店舗を五稜郭支店として営業する。同金庫は今後も統合計画を進め、現在の14店舗体制から11店舗体制へのスリム化を目指す。

 新たな五稜郭支店は、過去に北洋銀行が支店として営業していた建物。2階建てで延べ床面積339平方メートルと、統合前の各店舗の約1・5倍のゆったりとしたスペースに、預金窓口4か所、融資窓口2か所、ATM2台を設置。14台が収容できる駐車場も隣接する。

 統合に伴い、これまで千代台支店で行われていた取引は五稜郭支店に自動的に引き継がれる。通帳やキャッシュカードなどは継続して使用できるが、振り込みなどの一部取引では店番号の変更手続きなどが必要となる。

 また同地域では年金の受け取り窓口として利用する顧客も多く、今回の店舗統合によって直接窓口を訪れることが困難なケースが想定される。同信金では「お客さまから要望があれば、年金を自宅に届けるサービスも行う」としている。

 同信金は本年度中にも花園支店(日吉町1)を湯川支店(湯川町2)に統合するほか、弁天支店(弁天町13)を本店(大手町2)に統合する計画も進めている。

 統合に関する問い合わせは千代台支店(TEL0138・51・5238)か五稜郭支店(TEL52・0511)まで。(小川俊之)



◎秋季道高校野球、道南2校が初戦敗退

 【札幌】来春のセンバツ出場につながる「第63回秋季道高校野球大会」(道高野連など主催)第2日が6日、円山球場などで開かれ、函館支部代表2校が初戦で敗退した。

 今夏の南北海道大会準優勝の函大有斗高校(3年連続32度目)は、同大会決勝と同じ相手の小樽支部代表の北照高校(10年連続32度目)に3—13の7回コールドで敗れた。秋大会35年ぶりの白星を狙った函館商業高校(2年連続4度目)も、名寄支部代表の稚内大谷高校(2年連続23度目)に0—2で惜敗。

 14年ぶりの頂点と夏の雪辱を誓い北照との再戦に臨んだ函大有斗だったが、失策などからリズムを崩し、まさかのコールド負けとなった。函商は終盤まで粘りをみせたが、あと一本が出ず得点を奪えなかった。