2010年10月9日 (土) 掲載

◎道南食材使った逸品料理堪能 フードフェスタ

 道南食材を使った料理で地域の魅力をPRする「第5回はこだてフードフェスタ」(実行委主催)が8日、五島軒本店(函館市末広町4)で開かれた。市民ら約100人が参加し、フランス料理のフルコースに仕立てられた地元の新鮮食材に舌鼓を打った。

 同フェスタは地産地消や道南食材の知名度アップを目的に、道中小企業家同友会函館支部が中心となって企画。道南の農業者や食品製造業者、流通業者らでつくる実行委が2006年から5カ年計画で函館・近郊で開催し、昨年の第4回は初めて東京にも進出した。

 今回のメニューは函館短大付設調理師専門学校の下野茂校長と五島軒の佐々木政則総料理長が考案。近海の魚介類をトマトに詰めた前菜や、アワビを洋酒で蒸した魚料理、道南産牛ヒレ肉を香味野菜と赤ワインで蒸した肉料理など、手間をかけながらも素材の味を生かした逸品が次々と登場。参加者は使用食材を確認しながら、しっかりと味を確かめていた。

 はこだて未来大の鈴木克也教授は「道南の食材には対外的にアピールできる潜在能力があることがよく分かった。今後もこのようなイベントを通して、地産地消の意識を高めていってほしい」と話していた。

 金子宏実行委員長は「関係者の皆さんが5年間一生懸命に勉強した成果が、今日で一つの実を結んだ。来年以降も違った方法でこの取り組みを継続していきたい」と話していた。(小川俊之)



◎活躍光るLED街灯 東山町会で独自に22基

 一般的な水銀灯に比べ消費電力が少なく、寿命が長いとされるLED(発光ダイオード)。信号機への導入のほか、企業が独自に取り付けるなど普及が進む函館市内では、東山町会(阿部岩男会長)が防犯対策などを目的に22基を取り入れた。同町会関係者は「一定の防犯効果が出ている」と設置の効果を強調する一方、「高額なLED設置のための補助金制度があれば、ほかの町内でも取り付けが進むのでは」と話している。

 東山3の住宅街で空き巣被害の報告があったことから、同町会街灯管理部長の米田知明さん(60)ら町会役員が導入を検討。2年前に市に申請し、水銀灯設置の補助金を転用する形で昨年7月、青色LEDの防犯灯を4基設置した。以降、その住宅街で空き巣被害はないという。今年6月末には、老朽化の進んだ水銀灯の街路灯を、白色タイプのLED18基に取り換えた。

 同町会が導入したLEDの街路灯は、1基当たり約6万円で新設費用は全額町会費で負担。青色タイプの2基を市が、残る20基は町会が管理・維持している。同町会によると、電力はいずれも水銀灯の40ワットに対して10|15h。電気料金も水銀灯の1カ月約320円に比べ、LEDは同160円で「大幅な経費節減につながっている」(米田さん)という。

 ただ、LEDは水銀灯に比べ光の届く範囲が狭いのが難点。米田さんは「企業もまだまだ製品の開発途上にあるから仕方がない」としながら、「それでも防犯効果はあるし視認性も高い。様子を見守りたい」と話す。

 市によると、町会や商店街などが維持・管理する街路灯は約2万3000基で、市全域には約3万8500基ある。市は来年2月ごろをめどに、川原緑道(本通3)にある照明灯を試験的にLEDに切り替える考えだが、「町会独自で導入しているのは珍しい」(市市民部、市土木部)という。

 多くの町会では、コスト面や先例がないことを理由にLEDの導入に二の足を踏んでいるのが現状。街路灯の設置を行う町会に対して、市は設置工事費の一部を補助しているが、米田さんによると、LEDの導入に際しても水銀灯新設と同じ交付額(約2万4000円)という。

 米田さんは「今後も新設していきたいが、最大のネックは費用だった」と振り返る。「環境保全と経費節減の両立も期待できる。高額なLEDのための補助金制度ができれば、LEDを必要としている他町会にも広がるのでは」と期待している。(長内 健)



◎道南首長選挙4市町で 統一地方選

 政府は8日、来春の統一地方選の投票日を、都道府県と政令指定都市の首長・議員選は来年4月10日、それ以外の市区町村の首長・議員選は同4月24日とすることを閣議決定した。道南では知事選と道議選(函館市区、北斗市区、渡島総合振興局区、桧山振興局区)をはじめ、4市町で首長選、12市町で議会議員選が行われる。

 市町長選は函館、厚沢部、乙部、今金の4市町。市町議選は函館、北斗、木古内、七飯、森、長万部、上ノ国、厚沢部、乙部、奥尻、せたな、今金の12市町で行われる。

 市町村議選のうち定数減となるのは現段階で函館、北斗、木古内、森、奥尻、せたなの6市町。このうち、函館は2004年に合併した旧東部4町村の1人区がなくなるとともに、定数は38から30に削減。北斗は旧上磯町、旧大野町で分かれていた選挙区が1つとなり、定数は26から22となる。(千葉卓陽)


◎秋サケ漁豊漁願う

 【北斗】秋サケ漁の豊漁を祈願する「茂辺地大漁祈願祭」が8日、茂辺地漁港で行われた。矢不来天満宮の「鮭之碑」をお参りし、上磯郡漁協はまなす支所前で神事を執り行なった。漁業関係者ら約50人が玉ぐしをささげ、定置網のある沖合でお神酒を流し、操業の安全と豊漁を願った。

 茂辺地地区の秋サケ漁は9月上旬に始まっているが、例年、回遊量が増えて漁が本格化するこの時期に祈願祭を行っている。祈願祭には漁業関係者のほか、高谷寿峰市長らも参列した。神事の後、茂辺地小学校児童21人も漁船に乗り込み、沖合に出発。あいにくのしけで、パレードは行われずに3隻のみの出港となったが、海上でも宮司が祝詞を上げて、安全と豊漁を祈願した。

 茂辺地漁業振興会の池田和夫会長(78)は「全道的に言われているように近年にない水温の高さで、これから水温が下がれば、サケの大きさも形もそろって次第に良くなっていくだろう」と話していた。(今井正一)



◎手帳・カレンダー商戦始まる

 函館市内、近隣の文具店や書店では、2011年版のカレンダーや手帳が売り場に並び始め、消費者志向をとらえた商品の数々が店頭を飾っている。

 近年は、9月下旬のシルバーウイーク(大型連休)を避けてメーカー側が早めに出荷する傾向があり、手帳などの売り出しも前倒しで早まっている。

 函館市美原1のメガドンキ内にある北文舘(鈴木正樹代表)は9月下旬からカレンダーや手帳の売り場を開設。

 手帳については8月下旬から一部売り出し、特に女性向けのキャラクター物や、「シェル」「キャスキッドソン」などのブランド物が好調だ。10代、20代、ミセスと幅広い層で人気を集め、鈴木代表は「共働きの世帯が増え、パートなどで働く主婦層がスケジュール管理のため購入している」と話す。

 カレンダーは壁掛けや卓上式のものをそろえ、価格は500円から3000円前後。犬や猫などかわいらしい動物のカレンダーが近年の売れ筋。来年の干支(えと)のウサギも並び、犬については「プードル」「柴犬」など犬種ごとに販売。風光明美な風景、情景の写真が入ったものも根強い支持を集め、「最近は不景気でカレンダーを配る企業が少なくなり、購入者が増えている。インテリアの一部として、こだわって選ぶ人もいる」と鈴木代表。

 このほか、北海道日本ハムファイターズ関連やタレント物もあり、これから販売予定の女性アイドルグループの「AKB48」がヒット商品になりそうだ。

 北斗市七重浜2の石田文具(石田光広社長)では、ビジネス用の手帳を中心に品揃え。価格はサイズによって異なるが、1000円前後から2000円以内が主流。時間単位でスケジュールを記入できる「バーチカルタイプ」の手帳が売れ筋で、書類のサイズに合わせてA4判サイズやノートブランド「キャンパス」と同じ表紙、紙質の手帳も並ぶ。

 後藤理香店長は「年ごとに手帳を変える傾向のある女性に対し、男性は気に入った物を長く使い続ける」と話す。

 手帳を機能的に使うために付せんやラベルなど付属品のニーズも高まっていて、女性向けのかわいらしいデザインの入ったラベル類も人気を集めている。(鈴木 潤)