2010年11月1日 (月) 掲載

◎大沼でハロウィーンイベント

 【七飯】10月31日のハロウィーンにちなんだ催し「ハッピーハロウィーン!in大沼」(環駒ケ岳広域観光協議会主催)が同日、七飯町の大沼公園広場で開かれ、家族連れらがジャンボカボチャのランタン(ちょうちん)作りなどを楽しんだ。同じ会場で9日から土日祝日に開催している、七飯、森、鹿部の3町の特産品を販売する「秋の味覚市」も最終日を迎え、こちらもにぎわいを見せていた。

 ハッピーハロウィーンは駒ケ岳周辺地域の特産、ジャンボカボチャを生かした体験観光として毎年開催しており、町内外から約110人が参加した。20—40キロもあるジャンボサイズのカボチャが家族やグループに割り当てられ、参加した親子らは仲良く協力しながらランタンづくりに熱中。ナイフや小型スコップで中の実や種を取り除いた後、表面に目や口の部分をくりぬき、思い思いの表情をしたランタンを作り上げた。

 作製後は会場に並べられ、日没後にランタンを点灯。ねずみ男をまねた顔やひげをつけたランタンなどが並び、道行く観光客らも足を止めて作品を見ていた。改行 ハロウィーンパーティーも開かれ、子供たちは仮装衣装を着て参加し、景品の当たるビンゴ大会、ジャンボカボチャの重量当てクイズを楽しんだ。

 両親、兄弟5人で参加した北斗大野小1年の佐々木敬三君(6)は「ランタン作りが楽しかった。またやりたい」と話していた。(鈴木 潤)



◎東京国際映画祭、「海炭市叙景」受賞逃す

 函館出身の作家、佐藤泰志(1949—90年)の小説を函館市民が映画化した「海炭市叙景」が、アジア最大の映画の祭典「東京国際映画祭」(23—31日)に出品された。惜しくも受賞は逃したが、2回の上映はすべて満席となり、近づく公開に向けて反応は上々。同映画製作実行委が目指す観客動員数“7万人”も夢ではなさそうだ。

 同映画は28日に、同映画祭の会場としては最大の644席を有するTOHOシネマズ六本木ヒルズの「スクリーン7」で上映。熊切和嘉監督ほか、小林薫さん、南果歩さん、加瀬亮さんなど主要キャストが舞台あいさつを行った。同映画祭事務局広報グループによると、30日も2回目の上映があり、両日ともに前売り券は完売。当日券も売り切れ、札止めとなる盛況ぶりだったという。

 エキストラとして同映画に出演した七飯町大川、萩原清さん(66)は「最近は監督や役者さんも海炭市以外で活躍する機会を見ることが多く、映画の反響も大きいと聞いていたので賞を逃したのは残念。(11月18日の)試写会を楽しみにしたい」と話していた。

 同映画は11月27日の函館での公開を皮切りに、全国60館で順次封切られる。(小杉貴洋)



◎函館市民文化祭「華麗・錦秋の夕べ」

 2010年度函館市民文化祭舞台部門「華麗・錦秋の夕べ」の1日目が31日、函館市芸術ホールで開かれた。市文化団体協議会(文団協、宍戸雄一会長)に加盟する8団体が出演し、和・洋の舞踊や長唄、民謡発表などを行った。

 今年の同部門のテーマは「流れ」。各団体が磨いたり取り組んできた芸や技、伝統文化の継承が舞台で流れるように発表された。杵家七七翔会の長唄、榊原舞踊静山流詩舞函館研究所が坂本龍馬をテーマにした舞を7曲披露したのに続き、京都きもの専門学院和装専門教室セキグチが「七五三」などの儀式における着付けや、懐かしい遊びを紹介した。

 このほか、大正琴、民謡、バレエ、ジャズダンスやヒップホップが演じられた。今年は初めてステージ近くの客席をフロアにして使う演出もあり、約650人の来場者を楽しませた。

 2日目は3日午後6時から同ホールで開かれる。函館音楽協会など6団体の出演や、9月23日に開かれた合同バレエ「白鳥の湖」の第3幕(抜粋)が開かれる。問い合わせは文団協TEL0138・54・7670。(山崎純一)


◎普及進むデイジー図書、書籍を音声化しCDに収録

 印刷物の文章を音声化し、CDに収録したデイジー図書の普及が進んでいる。カセットテープに変わる新たな録音図書で、函館市内でも視覚障害者などからのニーズが高い。市総合福祉センター(若松町33)内にある「函館視覚障害者図書館」では、音訳図書のほとんどがデイジー図書に切り替わっている。利便性は高く、需要もますます高まっているが、製作者が不足しており、人材の育成が課題となっている。

 デイジー(DAISY)は、デジタル・アクセスシブル・インフォメーション・システムの略で、英語の頭文字を取り、デイジーと呼ばれるようになった。

 デイジー図書は「プレクストーク」と呼ばれる専用の再生機器を使って読み、読みたい章、ページの検索や飛ばし読みなどをボタン操作で容易にできる。1枚のCDで50時間以上の録音が可能で、カセットテープ録音よりも利便性は高い。

 視覚障害者だけでなく、文章を読むことが困難な発達、知的障害者らにも普及が進んでいて、パソコンのソフトを使い、音声と映像で文章を表すマルチメディアデイジーも実用化されている。

 同図書館でも2000年からデイジー図書を取り入れ、蔵書数は年々増加。近年はカセットテープ録音のデイジー図書切り替えも進めている。貸し出しのほとんどがデイジー図書で、今年の貸し出しは、これまで昨年の4500タイトルを大幅に上回る約6800タイトルに上る。

 図書館のデイジー図書は音訳ボランティアの「青い鳥朗読奉仕団」が製作に当たっているが、会員75人中、製作、編集のノウハウを習得しているのは、10人程度。需要が高まる中、デイジー担当者の負担は増えている。

 デイジー図書の製作には、特殊な編集技術を覚える必要があり、同奉仕団の森田直子代表は「最低限パソコンを使うことができ、なおかつ本に興味がないと務まらない。根気と手間のかかる作業」と話す。

 ベストセラー小説や不朽の名作、人気作家の本はデイジー化が進んでいるが、行政機関が出している災害時のマニュアルや福祉、病院施設などの冊子など身近な情報のデイジー化も課題。森田代表は「今後、デイジー図書の技術講習会も企画していきたい」と話している。(鈴木 潤)


◎温泉生かし青函連携を、函館でフォーラム

 青森と函館に点在する温泉を生かした広域連携を進めようと「青函温泉観光フォーラムin函館」が31日、函館市大森町のサン・リフレ函館で開かれた。青函の温泉や新幹線に関する「温泉検定」のほか、新青森開業まで約1カ月に迫った東北新幹線に関する情報提供が行われ、一般市民や観光関係者らが興味深く聞き入った。

 青森県内の温泉愛好家らでつくる温泉地活性化研究会(事務局・青森市、谷口清和代表)の主催。12月4日に東北新幹線が全線開業し、2015年度には北海道新幹線新函館駅(仮称)の開業を控えることから、両地域の温泉や観光資源を再認識してもらおうと開いた。

 温泉に関する基礎知識を問う「青函温泉観光検定」には約15人が挑戦。湯の川温泉の由来や、浅虫・酸ケ湯など青森の代表的な温泉地の泉質など択一式の50問が出題された。

 第2部のセミナーでは、谷口代表が東北新幹線の最新情報を紹介。現青森駅周辺で進められているねぶたミュージアムやりんご工房といった観光施設の進ちょく状況を写真で示すとともに、古川市場の「のっけ丼」の人気ぶりなども紹介した。

 谷口代表は「新函館が開業する5年後を見据え、温泉による地域連携を発展させなくてはならない。豊かな資源を全国に発信し、観光立圏として青函の発展を願いたい」と呼び掛けた。(千葉卓陽)