2010年11月21日 (日) 掲載

◎亀田中で親子料理教室

 食育に視点を置いた親子料理教室(函館市栄養教育研究会主催)が20日、函館亀田中学校で行われた。どさんこ汁やいかめし、ホウレンソウのナムルなど学校給食のメニューと、フライパンでできる焼きリンゴを調理し、味わった。

 食材についての知識や調理の基本動作を伝え、食や地場産品についての理解を促す目的で行っている。これまでは小学生の親子を対象にしてきたが、今回は20年ぶりに中学生の親子に対して実施した。同市内の中学生親子ら18組が参加した。

 調理前の説明で同校栄養教諭の伊藤綾子さんは、身だしなみを清潔にしたり、調理前に材料や器具をそろえること、火の取り扱いに気をつけることなどを伝えた。まな板の扱いについては、豚肉やイカなどの生ものと別の食材を一緒に切らずに、使った後は洗剤で洗って清潔に保つよう指導した。

 同じグループの親子は、作業を分担するなど協力して調理。焼きリンゴの調理では、横にスライスして芯を星型でくりぬいたリンゴをバターで焼くと、周囲に甘い香りが漂っていた。祖母と参加した西村カノンさん(函館的場中2年)は「ナムルで使うニンジンの千切りが難しかった。これからは1人でも料理を作れるようにたくさん練習したい」と話していた。(小泉まや)



◎保育連絡会調査、ひとり親家庭の7割が非正規雇用

 ひとり親家庭の7割以上が非正規雇用—。こんな調査結果が、市内の保育園でつくる函館保育連絡会(加藤進会長)が行ったアンケートからわかった。共働き世帯では、父親の8割が正規雇用となっているのに対し、母親(ひとり親を含む)は半分の4割にとどまる。同連絡会は「夫の扶養に入るため収入が上がるのを抑えている場合もあるだろうが、これを踏まえても大きな格差」と受け止め、多くの母親が不安定な雇用状態にあることを指摘する。

 アンケートは、子育て中の親の実態を行政に反映させてほしいとの考えから初めて実施した。9、10月に、同連絡会に加盟する市内3園の保護者208世帯を対象に行い、うち120世帯から回答を得た。

 質問は「ひとり親家庭か」や、就労形態、収入、保育園への到着時間などと、このほかに「少子化を改善する手立て」や「保育園への希望」など4項目について自由記述で回答を求めた。

 回答者のうちひとり親家庭の割合は2割弱で、保護者はすべて母だった。このうち非正規雇用は7割以上にもなり、年収200万円以下が8割を占めた。

 これに対し両親がそろう世帯では父親の8割が正社員だが、年収を見ると200万円以下が3割おり、回答者が最も集中した300万円台は4割にとどまった。

 全体的な傾向について加藤会長は「労働環境が不安定だったり、収入が少ないなど、子育てをしにくい社会になっている」とみる。自由記述に対しては「多くの意見があり、保育に対する期待と要望の大きさをうかがわせる」とする。

 同連絡会は19日、アンケート結果のまとめを函館市や同市議会などに提出。22日には西尾正範市長と、26日には市福祉部と、今後の政策について懇談する。加藤会長は「わたしたちが届けた親の声を行政に役立ててほしい」と願う。(小泉まや)



◎道公立学校教職員互助会支部、最後のインドネシア訪問交流へ

 2003年からインドネシアの子どもらと交流を続ける「道公立学校教職員互助会 特別会員函館市支部」(松下芳明支部長、会員1970人)の有志8人が26日、1週間の行程で現地へ旅立つ。続けてきた異文化交流や、教育物資寄付などの活動は本年度で最後になる見通し。19日の出発結団会で、活動の発起人澤口梅蔵さん(81)は「団員全員で協力してくれた気持ちをしっかりと届けたい」と力を込めた。

 交流活動は、同支部創立20周年の01年に当時の支部長だった澤口さんが発案。教員を定年退職後、アフリカや南米などを旅し、恵まれない子どもたちの現状を見、「彼らのために何かできないか」(澤口さん)とボランティア検討委員会を立ち上げた。同支部会員のほか、インドネシアの日本人学校長を務めた同支部会員の山田富雄さん、当時北大水産学部に研究生として来函していたインドネシア人のバン・バンさんにも協力を呼び掛けた。

 この後、同支部ボランティア部員が会員に現地の学校の教室新築費用や学用品、日用品などの寄付を募った。訪問先はインドネシア東部にあるブリタール市のへき地の2小学校。これまでに5回訪ね、物資寄贈のほか、紙芝居や手品を披露したり、子どもと一緒にダンスやたこ揚げをするなどして親交を図って来た。

 しかし、来年同支部が創立30周年を迎えることから、「活動を一区切りしよう」(澤口さん)と今年の訪問交流を最後とすることにした。ただ来年以降も、インドネシア以外の場で何らかの奉仕活動を考えているという。

 澤口さんは「会員から集まった物品は子どもたちにとって全てお宝=B大変喜んでくれるし、まちの人々も熱狂して受け入れてくれる」と振り返る。物資はリュックサックやボストンバッグなどが膨れるほど詰め込み、訪問団が直接手渡していたという。「手荷物だらけだから函館空港ではちょっと目立ったっけ。それでも、子どもたちの笑顔を思えば全然苦にならないんだよね」と笑う。

 今回は既に両小学校に輸送済みという「ドラムマーチングセット」を使った子どもたちによる演奏会などが予定されているという。19日の結団会で、川崎孝副支部長(78)は「子どもたちは『函互教』のマークが付いた楽器を練習して訪問団を待っている。大変ありがたいこと。皆さんの無事の帰還を祈ります」とあいさつ。澤口さんは「ご高齢の会員も物品提供で活動参加してくれた。子どもたちと一層の交流深化を図ろう」と結束を誓った。(長内 健)


◎石田文具でペンクリニック

 【北斗】万年筆の修理やインクの調合に応じる石田文具(石田光広社長)主催の「セーラー・ペンクリニック&インク工房」が20日、北斗市七重浜2の同店で始まった。市民ら多数の来店者が愛用品の修理やオリジナルインクの調合を依頼した。21日まで。

 ペンクリニックは2005年から、インク工房は昨年から実施。セーラー万年筆(東京)のペンドクター、川口明弘さん、インクブレンダーの石丸治さんが対応している。

 開店前から来店する人もいて、待合の席は常に満席の状態。中には、1945(昭和20)年以前に作られたとみられる万年筆を持参した人もいた。

 ペンクリニックで川口さんは、ルーペでペン先をじっくり見ながら、特殊な道具を使ってインクの詰まりなどを修理し、「人それぞれ書き癖があるので自分にしっくり合うものを選んで」などとアドバイスしていた。万年筆の修理を依頼した函館市東山町の宮田省三さん(78)は「書き味が良くなった。これで早速、年賀状を書きます」と喜んでいた。

 インク工房では、淡いピンクや蛍光色などを用意。来店者の中には母校の制服やネクタイと同じ色の調合を依頼した人もいて、石丸さんは客の要望に応じて色を再現していた。「色はお客さんの意中にある。その再現のお手伝いを私がしている。書くことを楽しんでもらえればと思い、取り組んでいます」と石丸さん。

 石田社長は「札幌や本州から来る人もいて年々、依頼者が増えている。万年筆の良さを再認識するきっかけになれば」と話していた。

 21日は午前10時から午後5時まで。ペンクリニックは部品代以外無料で、メーカーは問わない(モンブランのみ要相談)。インク工房は2100円(税込み)。問い合わせは同店TEL0138・49・3171。