2010年11月29日 (月) 掲載

◎「中島れんばいふれあいセンター」来月オープン

 NPO法人日本障害者・高齢者生活支援機構(函館市中島町、能登正勝理事長)が中島廉売内に整備している交流施設「中島れんばいふれあいセンター」が12月20日、オープンする。同機構で計画している「中島れんばい『街』活性化プロジェクト」の事業の一つで、オープンに向け急ピッチで準備が進められている。

 同プロジェクトでは、障害者が主体となり、障害の有無や年齢にかかわらず誰もが気軽に交流できるコミュニティーの拠点づくりや、衰退傾向にある同廉売の活性化を目指す。障害者の就労を支援する道の地域活性化モデル事業に選ばれている。

 ふれあいセンターは空き店舗(旧石川製麺)を改修し、整備を進めていて、建物は木造2階建て約490平方b。ミニコンサートやイベントなどができるフリースペースや会議室などを設け、団体やグループにも貸し出しする。同空き店舗では2年ほど前から「れんばい横丁」と称したイベントが毎月開かれ、センターオープン後も継続される。同機構や商店街の事務所もセンターに入居する。助成金を財源に障害者3人を雇用する。

 同機構の能登理事長は「誰もが気軽に集える施設にしていきたい」と話す。改行 同機構では、センターの改修工事の財源に充てるため、廉売内の22店舗などで割引きなどの特典がつくスポンサー・パスを販売中で、購入を呼び掛けている。青(1枚1万円)、オレンジ(同2000円)での2種類があり、期限はそれぞれ来年4月30日、来月31日。問い合わせは同機構TEL0138-51-0026。(鈴木 潤)



◎茂辺地小で収穫祭、元気にもちつき

 【北斗】茂辺地小(黒田雅世校長、児童23人)で28日、「収穫祭」が行われた。臼ときねを使った本格的なもちつきが行われ、児童の歓声が響いた。

 同小では毎年、近隣の農家から水田を借りて田植えや稲刈り、脱穀などの稲作体験授業を行っている。収穫祭では、今年取れた米を使ってもちつきを行っていて、児童や教職員、保護者のほか、地域住民も数多く参加する。

 この日はまず、学校菜園で行ったキュウリの栽培などについての体験学習発表会を実施。続いてもちつきがスタートした。同小体育館には3台の臼が用意され、保護者が蒸し上げたもち米がその中に入れられた。子供たちは順番にもちつきに挑戦。きねが重くて数回でギブアップする児童から、大人顔負けの迫力満点に振り下ろす姿までさまざま。つきあがったもちは汁粉や雑煮、きな粉もちなどにして味わった。改行 初めてもちつきをした1年生の三上晴夏さんは「思ったよりうまくつくことができた。きな粉が好きなのでたくさん食べたい」と笑顔を見せていた。

 会場には高谷寿峰市長も訪れ、児童らの元気な姿に目を細めていた。高谷市長は「茂辺地小は規模は小さいが、自然環境に恵まれ子供たちの教育には素晴らしい場所。地域性を生かした取り組みを今後も応援していきたい」と話していた。(小川俊之)



◎道産牛乳の輸出急増

 国内産牛乳のアジアへの輸出が2008年から急増している。中でも函館税関管内が扱う北海道産牛乳が全国の70%以上のシェアを占めている。現在輸出をしているのは道央の大手が中心で、道南地域からはほとんど行われていない。しかし国内での牛乳消費が伸び悩む中、道南の各メーカーでは、市場開拓の可能性を積極的に探っていきたいとしている。

 国内からの牛乳の輸出は、2000年から2005年までは年間120トンから200トン前後で推移。この期間中、北海道から直接の輸出はなく、北海道産の牛乳が東京などから輸出される状況だった。06年にはコンテナ船を使った北海道(函館税関)からの輸出がようやく始まったが、06年に約1d、07年に約9トンで、ごくわずかだった。

 ところが08年に中国産の牛乳に毒性の強いメラミンが混入される事件が発生。これを受けて中国産の牛乳を禁輸した香港が、日本からの本格輸入を開始したことから、08年の国内全体の輸出量は860トン(北海道分338トン)、09年は2139トン(同1550トン)、10年は9月までに1937トン(同1452トン)と大幅に拡大。10年(1―9月)の函館税関管内からの牛乳の輸出量は全国の75%を占めていて、貿易相手国の数量別構成比は香港が98.7%、中国が1.3%となっている。

 このように北海道産牛乳の消費マーケットとして今後も期待が高まるアジア地域だが、道南地域の乳製品メーカーではまだ本格的な輸出を行っていない。

 「北海道乳業」(函館市昭和36)では、輸出に適した長期保存が可能なLL(ロングライフ)牛乳の製造ラインが整っていないことから「生乳の輸出は現時点では考えていない」とする。ただ、加工品などを含めて「輸出の可能性について現在調査を行っているところ」と話す。

 函館牛乳ブランドで知られる「函館酪農公社」(函館市中野町118)ではヨーグルト製品のごく一部を香港で販売しているが、こちらも現時点では本格的に輸出に踏み切る予定はない。ただ同社では、紙パック充てん機の入れ替えによって牛乳の賞味期限がこれまでの8日間から12日間に延長されたことから、船便での輸出にも対応が可能な状態。「香港では北海道製品のブランドイメージが高まっていると聞いている。可能性があれば条件に応じて牛乳の輸出に挑戦することもありうる」と話している。(小川俊之)


◎函館音楽協秋季定演、クラシック音楽にうっとり

 函館音楽協会(吉田淳子会長)の「2010年度秋季定期演奏会 なんてったってクラシックFinal」が28日、函館市芸術ホール(五稜郭町37)で行われた。雪がちらつくなか、多くの人が訪れてクラシック音楽の流麗な音色に聞き入った。

 第1部は生誕350年のアレクサンドロ・スカルラッティや生誕200年のショパンなど、2010年にゆかりのある音楽家の作品が演奏された。「子犬のワルツ」や「別れの曲」など、なじみのある曲もあり、来場者は和やかな雰囲気で演奏を楽しんだ。

 第2部は邦人作品をテーマに、歌やチェンバロ、箏(こと)のバラエティーに富んだステージで観客を魅了した。前半はソプラノの堀川智美さんとチェンバリストの森洋子さんがそれぞれ、函館市在住の作曲家、佐々木茂さんの作品を演奏。歌曲「神沢利子の詩による子どもの歌」は純粋やかわいらしさを叙情的なメロディーにのせたもので、一方、「チェンバロのための楽興の時」は現代的な旋律や緊張感漂う響きが特徴。同じ作曲者ながら、まったく異なる表情の2曲に皆感心して聴いていた。

 ラストは箏奏者の宮崎加奈古さんが「手事四綴」(肥後一郎作曲)を演奏。次第に音が絡み合い、優美さや繊細さ、激しさを表現。指先から奏でられる艶のある音色を会場に響かせた。(堀内法子)