2010年11月3日 (水) 掲載

◎松前神楽に興味津々 太陽の子幼稚園

 函館市富岡町の太陽の子幼稚園(近藤智子園長、園児181人)が2日、園内に渡島神道青年会(水嶋恵嗣会長)を招いて松前神楽の観賞会を開いた。園児らは普段見る機会の少ない日本の伝統芸能を間近で鑑賞し、興味津々な様子だった。

 七五三のお祝いとして同園が企画。毎年幼稚園などで松前神楽を披露している同青年会に依頼して実施した。

 この日は榊舞(さかきまい)や三番叟(さんばそう)など7つの舞を披露。おんどりとめんどりのかぶとをかぶり、五穀豊穣を祈って2人で踊る二羽散米舞(にわさごまい)では、本来は米をまく代わりにチョコレートやキャンディーがまかれ、園児らは歓声を上げて受け取った。

 最後に獅子舞が行われた。何人かの園児は頭をかんでもらったが、自分よりはるかに大きい獅子がステージを降りて近づくのに大泣きし、必死で逃げる園児もいた。

 年長組の山田遼輝ちゃん(5)は「お獅子さんに頭をガブってされたけど、怖くなかった。教室でもらう千歳あめが楽しみ」と笑顔。同青年会の西牧涼さん(34)は「神楽は神様に見せるための、祈りの意味を持つ舞。小さなお子さんが伝統に触れるきっかけになったらうれしい」と話していた。(堀内法子)



◎禁煙外来 なお人気 たばこ1カ月

 10月1日に行われた、たばこの大幅値上げから1カ月が過ぎた。函館市内では、禁煙外来を設ける医療機関で新規患者の来院や問い合わせが相次いでいるほか、禁煙補助薬の売れ行きも好調で、市民のたばこ離れは止まらない。一方で、販売店などでは、安価な銘柄を求める客が急増するなど、前例のない大幅値上げにさまざまな反応が見られている。

 ■「貼り薬」でも 問い合わせ相次ぐ

 医療機関では、たばこの値上げが発表された4月から、禁煙成功率が高い飲み薬「チャンピックス」の高い需要が続いていたが、10月に入り、製薬大手のファイザー(東京)が供給困難と判断し、新規患者向けの供給を停止。医療機関に対しては年明けをめどに安定供給することを発表していた。

 それでも新患は減らない。函館新都市病院(石川町)では、貼り薬タイプの「ニコチネルパッチ」での受診を求め、問い合わせや予約が依然として続いている。青野允病院長は「チャンピックスより禁煙成功率は低いが、来年のチャンピックス供給まで待てないという心理が働いているのでは」とみる。

 禁煙グッズの人気も衰えない。市内美原のサンドラッグ美原店(MEGAドン・キホーテ函館店内)では、禁煙時のいら立ちを緩和できる「ニコレットガム」(24個入り、2415円)や、値段が手ごろな「禁煙パイポ」(3本入り、267円)が人気。同店は「値上げ前の9月から求める客は止まらない」と話している。

=◇=

 値上げを機に、禁煙に踏み切った市民からは、さまざまな声が聞かれる。

 チャンピックスの効果で1カ月以上禁煙に成功しているという市内の主婦(43)は「薬を飲んでから約2週間でたばこから離れることができた」と喜ぶ。喫煙歴30年の医師(50)は、健康への配慮から値上げを機に、妻と一緒に禁煙を決意。「来年まで待つより、ニコチネルパッチでもいいからチャレンジしたい」と10月末から禁煙治療を受けている。

 受診にもグッズにも頼らず禁煙を続ける市内の会社員男性(36)は「経済的に厳しく、自力で頑張る。10月以降は1本も吸っておらず、気持ちも穏やか」と笑顔で話す。

 ■販売激減…安価銘柄の需要増

 「常連客が来ない」。値上げ前の9月は人気銘柄セブンスターが過去最多の約2400箱売れたという、函館市宮前町のセラーズ磯(磯雅晴店長)は、10月以降の売り上げについて「悲惨な状態」と嘆く。まとめ買いした客が戻って来るのは、11月半ば以降と見込んでいる。

 その半面、「ゴールデンバット」(1箱200円)や「エコー」(同240円)の需要が増えているという。10月の販売数は30日現在で「ゴールデン─」295箱、「エコー」231箱となり、前月比でそれぞれ2・2倍、1・3倍に。葉やフィルター、専用の紙で作る手巻きたばこに切り替える人も増えており、磯さんは「1600円前後で70─100本は吸える。葉の量を変えれば好みの味も楽しめるのが受けているのでは」と話す。

 ローソン函館中島町店(中島町)でも、低価格のたばこを買い求める市民が急増。同店は「週3回発注でこれまで、ゴールデンバットやエコーの在庫を意識することはなかった。今後も好調が続くのでは」と話している。(長内 健)



◎除雪業者に最低保障 函館市、今冬から制度導入

 函館市は、除雪業者に対する除雪車の維持費や出動回数に応じて経費を補てんする「最低保障制度」を今冬から導入する。減少傾向にある市内除雪業者を維持し、安定した除雪体制の確保に向けた措置で、今月上旬から各業者に説明する考え。

 市は2005年度の大雪の翌年に少雪となり、保障制度が問題になったことなどを背景に、制度の導入を検討していた。

 不況や公共事業の減少で、市内の除雪業者と機械は06年度の28社、355台から現在は23社、270台と減少。一方で昨冬(12—3月)の函館の降雪量が平年比10・3%増の439センチと増加、1月には同月観測史上最多の156センチを記録するなど大雪となり、業者不足から生じる作業の遅れに対する苦情が殺到していた。

 昨シーズンまでは、機種ごとの契約時間単価に応じて稼働した時間分を支払っていたが、新制度では除雪機械保有のために必要となる自賠責保険や自動車税、格納費用などの管理費と、償却費の半分について、年間相当額の3分の1を稼働の有無にかかわらず、固定費として市が支払う。

 対象はロータリー除雪車やグレーダーなどで、一般的なダンプカーや、凍結防止剤散布車などは除外される。管理費と償還費の一部以外はこれまでと同様、稼働実績に応じて支払う。

 市の除雪関係予算は年間3億円。制度開始に伴う新たな予算措置は行わず、降雪状況に応じて補正対応する考え。市維持課は「大雪に耐えうる体制を作っておきたい。制度はこれがすべてではなく、状況をみながら検討したい」と話している。(千葉卓陽)


◎おたふくかぜ 流行の兆し 函館保健所

 市立函館保健所が発表する流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の注意報が2日、5週間連続で出された。定点医療機関からの患者報告総数は第43週(10月25—31日)で606人となり、昨年度全体の報告数(33人)から約20倍の大幅増となった。同保健所は「手洗い、うがいをしっかりして、予防接種を受けてほしい」と呼び掛けている。

 流行性耳下腺炎は接触や飛沫感染が主で、ウイルスが体内に入ることで発熱を伴い、耳の下やあごの周辺が腫れるのが特徴。国立感染症情報センターによると、流行の周期は4年前後で、今年はその周期に当たる。

 函館市では5月17日に本年度最初の注意報を発令。学校の夏休みに伴って8月下旬でいったん終息したが、2学期が始まった後の9月下旬から継続している。市内小児科7カ所の定点医療機関からの報告数は17人(1定点あたり2・43人)で、注意報終息基準値を下回っていない。

 同保健所保健予防課は「感染しやすいのは2歳から小学校低学年の児童。ウイルスが体内に入っても症状が表れない場合もあるので、予防接種などで対応してほしい」と話している。(黒田 寛)


◎次代のエースリンゴ品種に名前付けて 七飯・果樹組合

 【七飯】七飯町果樹組合(成田悌一組合長)は15日から12月24日まで、町内で生産が進められているリンゴの品種「ぐんま名月(めいげつ)」の名称を募集する。成田組合長(59)が「次代のエース品種」として期待を寄せる甘みが特徴のリンゴで、七飯の特産にふさわしい愛称の応募を呼び掛けている。

 「ぐんま名月」は「あかぎ」と「ふじ」を掛けあわせてできた黄色品種。実にはほのかに赤みが差し、甘みが強く、みつが入るのも特徴だ。成田組合長は「味が濃い甘いリンゴ。実のなりも良く、管理作業にも手がかからない」と話す。

 町内では2007年ごろから苗木の植栽が奨励され、収穫品は農家の自家販売用として取り扱われ、顧客の評判もいいという。同組合では、「ぐんま名月」を七飯町産リンゴの新ブランドに成長させたい考えで、採用された名称は、商標登録を出願する予定。

 応募資格は、個人、団体を問わず1人1点限り。連絡先住所や電話番号、氏名と、リンゴの名称と由来を添えて申し込む。採用者には来年秋に「ふじ」や「レッドゴールド」など町内産リンゴ5種類各5キロが贈られる。

 申し込みは、七飯町本町6の1の1「七飯町農林水産課農政水産係」。電子メールはinfo@town.nanae.hokkaido.jp。問い合わせは同課TEL0138・65・2511(内線226)。(今井正一)