2010年11月30日 (火) 掲載

◎プレオンパク開催「パパは鉄板焼職人」

 12月4日に開幕する「第6回はこだて湯の川温泉泊覧会(オンパク)」(実行委主催)のプログラムの一部を事前に紹介する「プレオンパク」が29日、湯の川プリンスホテル渚亭(函館市湯川町1)で開かれた。今回初めてプログラムに登場する「パパは鉄板焼職人」が取り上げられ、プロの職人が熟練の調理技術を分かりやすく指導した。

 湯の川温泉を会場に、多彩な体験プログラムを楽しんでもらうイベント。今年は12月12日までの9日間に39プログラムを用意している。

 「パパは鉄板焼職人」は、客の目の前で調理を行う鉄板焼きの鮮やかな技術を、職人がマンツーマンで伝授する体験講座。この日は地元の新鮮魚介類や野菜、高級和牛などが並ぶフルコースメニューを、同ホテルの新保太司シェフがオンパク実行委の大桃誠さんに指導した。

 普段ほとんど料理をしないという大桃さんは最初は緊張した様子だったが、新保シェフの手つきをじっくりと観察しながら食材の味付けや切り分け、盛り付けなどを手際よく行っていった。新保シェフから「とてもセンスがいい」とお褒めの言葉も飛び出し、大桃さんは「家でもやってみたい。家族に喜ばれるかも」と笑顔を見せていた。

 同プログラムは12月12日午前11時半から同ホテルで実施され、現在予約受付中。料金は一人5000円で温泉入浴券付き。定員は2組(1組3—4人)で、調理を体験できるのは各組1人(料理は全員に提供)。問い合わせと申し込みは同ホテル(TEL0138・57・3911)。(小川俊之)



◎西尾市長の選挙公約達成度 70件中64件

 函館市は、2007年度から本年度までの各種施策の推進状況をまとめた。西尾正範市長の就任に合わせ、同市長が選挙公約(マニフェスト)で掲げた具体的施策の達成度を示したもので、実施済みまたは継続中とした項目が64件、未達成の項目は6件。出生数や就業機会、正規雇用者数の10%アップなどの達成は厳しい状況だ。

 同市長は「教育立市・人材育成都市の実現」をキーワードに、70項目の公約を掲げており、これを07年10月策定の「新函館市総合計画」と照合して推進状況をまとめた。市企画部によると、市長の任期に合わせて進ちょく状況をまとめたのは初めてという。

 公約を実施済みとしたのは19件(27%)。「知恵の予算」の確保や健康づくり推進室、子ども未来室、労働政策室の3室設置、小中学生の社会教育施設利用無料化などが挙げられる。実施中は45件(64%)で、北海道新幹線の早期開業や函館港の整備といった、中・長期的に取り組む事業が中心。

 半面、実現に至っていないのは第3子以降の保育料無料化、コンベンション施設の整備、旧4町村地区に特別職の「地区長」を置く地区制度創設など6件。

 このうち、コンベンション施設の整備はメーンアリーナを増設する新市民体育館にコンベンション機能付加も含めて検討しており、地区長設置は「地域の声を踏まえ、将来的な検討課題とする」(同部)としている。

 また、数値目標として掲げた出生率と出生数、就業機会、正規雇用者数、市民所得の10%アップはいずれも達成困難。1人の女性が一生に産む子供の平均数を示す「合計特殊出生率」は09年に1・19人で、06年の1・10人を上回ったが、06年の1割増となる1・21人には届いていない。

 06年に1946人あった出生数は09年、1894人に低下。有効求人倍率も07年5月の0・52倍から、0・46倍(今年10月)と下がり、国全体での少子化傾向や世界同時不況の影響などがそのまま表れた形となっている。(千葉卓陽)



◎花いっぱい運動推進事業 本年度の実施 絶望的

 花開かなかった—。函館市教育委員会が本年度、全市立小学校で情操教育を目的に計画していた「学校花いっぱい運動推進事業」が、冬季を迎え実施が絶望的となった。3月の予算特別委員会で議員から「類似する事業がある」などの指摘を受けて手法を検討してきたが、方法などがまとまらないまま冬になったため。市教委は「来年度以降の実現性を引き続き検討する」としており、本年度は予算未執行のまま年度末を迎える見通しだ。

 同事業は200万円の予算を新規に組み、当初の計画では全47校に1校当たり4つのプランターと花苗を提供する予定だった。これを活用して子どもが花を植えたり面倒を見たりすることで、豊かな心を育む狙いだった。

 ところが市議会の予算委員会で、他団体が実施する植栽事業や花壇コンクールと類似しているなどと必要性が問われることに。この総括質疑で西尾正範市長は「議会とよく相談し慎重に対応する」と述べ、予算は可決された。

 市教委内部では年度当初からこれまでに、手法や実施対象・内容などを検討してきたが、本格的な雪のシーズンとなった11月下旬の現在に至るまで、協議の結論は出ていない。市は29日、本年度までの予算執行状況をまとめた発表を行ったが、この中でも「各学校の声を聞きながら、実現性について引き続き検討する」などと表現するにとどまっている。

 市教委は「本年度の花を植える季節は終わった」との認識を持っており、本年度の予算は執行される見込みがなくなった。(小泉まや)


◎子どもの命救うキャップ2万個 本通小児童会が「小さな親切」運動に寄贈

 函館市本通小学校(小松一保校長、児童360人)の児童会が29日、テーオーデパート(梁川町10)で「小さな親切」運動函館支部(小笠原孝支部長)にペットボトルのキャップ約2万個を寄贈した。

 同校PTAの呼び掛けを受け、今年4月からキャップ集めを開始。学校玄関に設置した収集箱に、児童らが家庭で集めたキャップを入れて回収した。

 キャップを受け取った小笠原支部長は「人のために小さな親切を行うこと、さらにそれを継続し習慣付けることは大変なこと。これだけたくさん集めた皆さんに感謝します」と児童らをねぎらった。児童会長の知名玲奈さん(6年)は「集めるのは大変だったが、子どもたちの役に立てると思うとうれしい。これからも地域のごみ拾いやリングプル集めなど、何か人のためになる活動をしてみたい」と笑顔で話していた。

 集めたキャップは東京のリサイクルセンターで換金されたのち、発展途上国の子どもたちにワクチンとして配られる。今回の寄贈分はポリオワクチンにして約30人の子供の命を救える量に値するという。(堀内法子)


◎道南 一気に銀世界 市民ら雪かき

 北海道上空に真冬並みの寒気が入った影響で、29日の道南地方は渡島管内を中心に断続的に雪が降ったほか、日中の気温がほとんど上がらず寒い1日となった。海上も荒天に見舞われ、フェリーが欠航した。

 函館海洋気象台によると、同日午後7時までの24時間降雪量は函館16センチ、森15センチ、七飯町大沼13センチ、八雲10センチ。

 気温は各地で終日、氷点下のまま推移し、函館では日中の最高気温が氷点下0・9度までしか上がらなかった。最低気温は長万部が同5・4度、森と今金が同4・5度と、12月中旬並みの寒さとなった。

 日本海側で強い風が吹き、江差で最大瞬間風速27・3メートル(午前1時44分)を観測。奥尻でも同26・6メートル(午後2時53分)を記録した。

 荒天によって津軽海峡フェリーは函館—大間間の2往復4便を欠航し、約50人に影響した。ハートランドフェリーも江差—奥尻間の2往復4便を欠航し、影響人数は約150人。

 市内の幹線道路は雪で路面が滑りやすくなり、朝のラッシュ時間帯から午前中にかけて交通渋滞が発生。民家や店舗の前では、雪かき作業に追われる市民が目立った。(鈴木 潤、長内 健)