2010年11月4日 (木) 掲載

◎サケつかみ取り!茂辺地でまつり

 【北斗】「第29回北斗市茂辺地さけまつり」(実行委主催)が3日、茂辺地川下流特設会場で開かれた。あいにくの天候にもかかわらず、恒例のサケのつかみ取りや魚介類販売に大勢の市民が詰め掛けた。

 メーンイベントのサケのつかみ取りは、特設プールで行われた。サケが水しぶきを上げながら所狭しと泳ぎ回るプール内で、参加者はぬれるのもいとわずに入り込み、暴れるサケと格闘。うまくつかまえると、歓声を上げて笑顔を見せていた。

 市内の姉の元を訪れていたアメリカ・ロサンゼルスのマサ・クロスビーさん(55)の夫ロバート・クロスビーさん(55)もつかみ取りに挑戦。ロバートさんは「すごく楽しかった。最初はうまくつかめなかったが、狙っていた大きいサケをとることができた」と笑顔で話していた。

 このほか、無料で振る舞われたサケ鍋で暖を取ったり、特産品を買い求めたり、会場は大勢の市民らでにぎわっていた。(今井正一)



◎益田喜頓賞、Rダンスカンパニーに賞状

 函館市文化・スポーツ振興財団(金山正智理事長)の本年度「益田喜頓賞」授賞式が3日、市民会館大ホールにある、益田喜頓さんの胸像前で開かれた。6月に受賞が決まった「2009 R dance company 10周年記念公演“宇宙へ”」公演の主催者で市内末広町のジャズダンススタジオ、Rダンスカンパニーの山崎理恵代表に、金山理事長から賞状と記念品が贈られた。

 同賞は、函館出身の喜劇役者、故益田喜頓さんの功績にちなみ、1999年度に創設。前年度の1年間に同会館、市芸術ホールで開かれた公演を対象とし、同財団舞台奨励事業委員会が審査する。ジャズダンスの団体としてはRダンスカンパニーは初受賞。本年度で11団体・個人となった。

 同公演は2009年10月、同会館で開かれた。3部構成で、これまでにない規模の映像とのコラボレーションでダンスを展開。第1部は米国の最新ジャズダンス。第2部は同スタジオ10年を回顧し、これまでの作品を。第3部は世界的ダンサーで、受賞決定直後に急逝したトニー・ティー氏の振り付けでそれぞれ作品を発表。地域の舞台芸術を活性、奨励する意欲的な取り組みが評価された。

 授賞式には山崎さんのほか、同公演に出演した同スタジオの15人や同委員会の審査員が出席。金山理事長から賞状を受けた山崎さんは「出演者、舞台スタッフ、運営に関わるすべての人たちの尽力で賞を頂いた。一つのことを長く続ければ、いつかはこのようなご褒美がもらえることを若い世代が感じ、長くダンスを続けてほしい」と話していた。(山崎純一)



◎函館市の上半期住宅着工、前年比27・9%増

 函館市がまとめた2010年度上半期(4—9月)の市内の新規住宅着工戸数によると、戸数は前年同期比27・9%(210戸)増の961戸で、上半期としては2年ぶりに増加に転じた。低迷した前年の反動や大型分譲マンションの建設で集合住宅が急伸したことが要因とみられ、日銀函館支店は「低迷していた住宅市況の底入れ感はあるが、厳しい所得・雇用環境がネックとなり、慎重な購買意欲も残る」としている。

 市のまとめによると、昨年は世界同時不況の影響で落ち込みが激しく、2000年以降では最少の水準だった。今年に入り、景気の持ち直し基調に加え、「住宅版エコポイントや長期優良住宅への税制優遇措置が認知されてきたことなどが追い風になった」(建築指導課)とみられる。

 集合住宅のうち、玄関や階段などの共用スペースのある共同住宅が同59・1%増の495戸、共用スペースのない長屋が同68・5%増の59戸とそれぞれ急増。今年7月に市内大森町で着工した高齢者向けの分譲マンションが数字を押し上げた。一戸建ては407戸で同0・4%増にとどまった。

 利用形態別では、持ち家が同22・4%増の284戸で7年ぶりに増加。貸家は同14・5%増の347戸、分譲は同50・9%増の320戸、社宅などの給与住宅が同2・5倍の10戸といずれも大きく数字を伸ばした。ただリーマンショック前の08年上半期と比べると、全体では16・7%減と落ち込みが続く。

 市内のハウスメーカーは今年の住宅市況について「一戸建ての新築住宅の販売価格は市内では2000万円台前半がメーンで、価格競争が厳しさを増している。購買層が二極化していることに加え、住宅版エコポイントの影響などで新築よりも増改築の需要が高まっている」と話す。

 日銀函館支店は「地価や住宅価格、住宅ローンの金利などが低下しており、消費者にとっては購入しやすい環境にある。特に函館は若年層を中心に戸建て志向も根強い」と分析。一方で「企業のボーナス削減などで住宅ローンを見直す人も多く、先行きへの不安から購買意欲はそれほど盛り上がっていない」と指摘している。(森健太郎)


◎木古内どんぶり・ほたて炙り丼が完成、試食会にぎわう

 【木古内】ご当地グルメ誕生に高まる期待—。木古内町商工会などが中心に開発を進めてきた「木古内海山(かいせん)どんぶり」の完成披露試食会が3日、町スポーツセンターで開催された「第27回ふるさと産業まつり」の中で行われた。完成を待ちわびていた大勢の町民が参加し、待望の新グルメに舌鼓を打っていた。

 2015年度の北海道新幹線新駅開業を見据え、地元の新鮮食材を活用した新メニューを観光の起爆剤にしようと、昨年9月に検討委員会を立ち上げ「木古内どんぶり」の開発がスタート。町内の飲食店や、函館短期大学付設調理師専門学校(函館市)などによる度重なる試作作業などを経て完成にこぎつけた。

 どんぶりの正式名称は「木古内海山どんぶり『ほたて炙(あぶ)り丼』」。具材には大ぶりのホタテとピーマン、トマトを使い、白・赤・緑の鮮やかな3色が印象的。これにしょうゆ味のあんを絡め、素材の味を生かしたさっぱりとした風味が広がる。250人分が用意された試食会は開始前から長蛇の列ができ、町民の関心の高さをうかがわせた。町内在住の佐藤信一さん(51)は「3つの具材のバランスが良く、食べ飽きしない味。木古内の新名物となることを期待したい」と話していた。

 木古内商工会会長で、どんぶり検討委員会の木元護委員長は「全国的なB級グルメブームの中、木古内にも自信を持ってアピールできるどんぶりが完成した。将来的にはこのどんぶりを食べるために、新幹線を利用して多くの観光客が木古内を訪れることを期待したい」と話していた。

 同どんぶりは「寒中みそぎ祭」に合わせ、来年1月14日から町内の飲食店などで一般販売を開始する。(小川俊之)


◎函館市文化賞、島崎、渋谷、野又氏に

 函館市の文化の向上・発展に貢献した市民を表彰する本年度の市文化賞の贈呈式が3日、函館市民会館小ホールで開かれた。関係者ら約160人が出席。西尾正範市長から受賞した3人に賞状などが贈られ、長年にわたる精励をたたえた。

 本年度は芸術部門(芸能)で函館ダンスアカデミー主宰の島崎啓子さん(65)=七飯町上藤城=、科学部門(人文科学)で、函館高専名誉教授の渋谷道夫さん(73)=函館市榎本町=と、野又学園理事長の野又肇さん(70)=同市柏木町=が受賞した。

 島崎さんは函館初のジャズダンススタジオを開設し、洋楽舞踊を通じて芸術性の高い舞台作品を国内外で発表してきた。渋谷さんは民俗学研究で地域文化の伝承に取り組み、市文化財保護審議会の委員として文化財保護にも貢献。野又さんは学校法人野又学園理事長として、幼児から高等教育まで地域教育の振興に尽力したことが評価された。

 式典で西尾市長は「これまでの3人のたゆまぬ精励に敬意を表する」とあいさつし、3人に賞状や記念品のブロンズ像などを手渡した。受賞者を代表して渋谷さんは「感無量で、多くの方々の協力があったからこその受賞。今後も努力を惜しまず、市の文化発展に貢献したい」と喜びを語った。

 同賞は市文化賞審議会(座長・西尾正範市長)が審議し、市の芸術や文化の発展に寄与した個人・団体に贈られる。今年で61回目で、本年度は団体の該当はなかった。これまでの受賞者は本年度の3人を含め、個人138人、16団体に上る。(森健太郎)