2010年11月5日 (金) 掲載

◎いか踊り実行委 函館市長賞受賞「市民に明るさと希望与えた」

 函館市の西尾正範市長は4日、函館いか踊り実行委員会に市長賞を贈った。市役所で行われた贈呈式で、同実行委の吉川久康実行委員長(38)と齋藤まり子会長(47)が「これからも普及に努めたい」と、今後の抱負を話した。

 同実行委の受賞は、地元活性化とともに観光振興に寄与するなど、「広く市民に明るさと希望を与えた」ことが理由。西尾市長は「30年にわたり市民に親しまれている踊り。ラジオ体操のように、今以上の広がりを期待している」と述べ、賞状と記念品を吉川実行委員長に手渡した。

 受賞について齋藤会長は「いか踊りを愛してくれる市民の皆さんのおかげで受賞できた」と話し、今年6月から現職に就いた吉川実行委員長は「いか踊りが名実ともに函館の踊りとなるよう、普及に力を入れたい」と語った。

 同賞は学業・文化・芸術活動などを通じ、函館市民の心に希望を与えた個人・団体に贈られ、これまでに253の個人・団体が受賞している。(黒田 寛)



◎おせち料理 愛犬と一緒に ロワジールホテルが販売

 ロワジールホテル函館(函館市若松町14)では今月から、愛犬用おせちの販売を開始した。北海道産の無添加食材をふんだんに使用し、見た目も華やかな内容。同ホテルでは「大切な家族の一員である愛犬と一緒に、年末年始を楽しく過ごすために利用してほしい」と話している。

 愛犬用おせちは大都市圏を中心に需要が高まっているほか、通信販売での利用も増えているという。同ホテルで愛犬用おせちを販売するのは今回が初めて。「これまで函館市内で、本格的な商品を取り扱っていたところはないのでは」と話す。

 札幌のドッグフード専門店に監修を依頼し、品質面や栄養バランスに特にこだわった。いずれも北海道産の厳選された食材を使用した「エゾ鹿角切りステーキ」「秋鮭の昆布巻」「鹿肉のテリーヌ」「有機野菜のアスピック」「生春巻」「鹿肉ミートボール」「ポテトパンプキンサラダ」「道産鱈(タラ)の伊達巻」「サツマイモの甘露煮」「チーズケーキ」「付け合わせ(ブロッコリー)」の豪華11品が木箱に詰め込まれている。

 同ホテルの宴会セールス統括マネージャー・新明貴樹さんは「市内のペットショップなどを通じてPRしているが、愛犬家からの反応は上々」と手応えを感じている。

 料金は6300円。限定80個の販売で、申し込み締め切りは12月25日(売り切れ次第販売終了)。商品の引き渡しは同月31日午前10時から午後3時まで、同ホテル1階広場で行われる。問い合わせは同ホテル宴会予約係電話0138-23-8888。(小川俊之)



◎サハリン航空社長が函館市長と会談「ユジノ線運休」強調 再会を約束

 ロシアのサハリン航空(本社・ユジノサハリンスク)のコンスタンチン・スホレブリク社長(49)らが4日、函館市役所を訪れ、西尾正範市長に同社が函館―ユジノ間で運航していた定期路線を事実上撤退することを報告した。スホレブリク社長は「完全な撤退ではなく、一時的な運休。状況が変われば再開することを約束したい」と語った。

 函館―ユジノ線は1994年に国内初のサハリン路線として就航。ピーク時の2006年には年間4000人以上の利用があったが、近年は搭乗率が2―3割台と低迷し、昨年4月から定期便が休止。今年7月からチャーター便も運航を取りやめていた。

 スホレブリク社長は同路線を「極東ロシアと日本の交流関係にとって重要な礎」と強調。その上で撤退の理由として石油・天然ガス開発が一段落したことや、今年3月にウラジオストク航空が成田―ユジノ線を開設した影響などを挙げ、「人の往来が少なくなり、函館便にはネガティブな状況が重なった」と説明した。

 これに対し、西尾市長は路線開設以来続く友好・交流関係や患者の受け入れ体制などを強調。新幹線延伸やソウル線による函館のハブ(拠点)機能の向上にも触れ「領土問題で関係が良くない中で、経済的交流は道とサハリンの発展に大きな意味を持つ。長いお付き合いを続けていきたい」とし、運航再開を要望した。(森健太郎)


◎北海道坂本龍馬記念館15日に開館1年

 函館西部地区の新観光名所「北海道坂本龍馬記念館」(末広町8)が、15日で開館1年を迎える。これまでの来場者数は6万人を突破。観光客だけでなく、市民にも愛される地域施設に成長した。同記念館の三輪貞治館長(46)は「今までは館の意義を知ってもらう期間。これからはステージアップさせて、社会教育事業や観光振興などにも寄与していきたい」と2年目に向けて力を込める。

 現在放送中のNHK大河ドラマ「龍馬伝」の人気や昨今の幕末ブーム、箱館奉行所のオープンなどの相乗効果もあり、連日多くの人たちが詰めかける同記念館。これまでのボランティアスタッフに加え、今年10月からは林洋二理事(50)が札幌から函館へ転居。解説案内などを通して館の運営を支えるなど来場者の受け入れ態勢を手厚くした。さらに、展示品を増やすなど飽きさせない工夫も凝らしている。

 三輪館長と林理事はこの1年を振り返り「たくさんの出会いに恵まれた年だった。地元の人たちの温かさにも触れることができた」と話す。今後は感謝の心と龍馬の遺志を伝えようと、子どもたちを対象にした龍馬塾を開き、社会教育や人材育成にも力を入れる。

 14日には、開館1周年記念で同記念館向かいに製作された「坂本龍馬像」の除幕式を皮切りに、「龍馬祭」を年末まで開催。多数のイベントも企画中で、同祭を契機により地域に根ざした記念館を目指していく。

 同館では、銅像基金賛同者を募集している。詳しくは同館電話0138-24-1115まで。(小杉貴洋)


◎本年度の白鳳章と青麒章の受章者を発表

 函館市文化団体協議会(文団協=宍戸雄一会長)は4日、本年度の白鳳(はくほう)章と青麒(せいき)章の受章者を発表した。白鳳章は、日本フラワーデザイナー協会道南支部の佐藤雄喜さん(69)ら3個人。青麒章には独立書人団道南支部の竹内玲子(号・鴻雪)さん(74)が選ばれた。贈呈式は、26日午後6時から函館国際ホテルで行われる。

 両章とも函館市在往者か同市に活動拠点を置く団体、またはその団体に所属する個人が対象。白鳳章は、長年の活動が市の文化・芸術振興に貢献したことを評価。本年度で計101個人・団体が受章となった。青麒章は、1年間(前年9月から今年8月まで)に行った文化、芸術活動で優れた実績を上げ、今後の活躍が期待される個人・団体に贈られる。同じく67個人・団体が受章。各受章者の授章理由、コメントは次の通り。

 ◆白鳳章

 佐藤雄喜さん(69)=函館市松風町=日本フラワーデザイナー協会道南支部

 40年以上にわたり、生け花とは違うフラワーデザインの魅力を多くの人に伝え、市内で花にかかわる行事にも貢献してきた。「初めは苦労したが、身近にフラワーデザインを感じてもらえるようになったのも皆さんの助けのおかげ」。

 布施谷信子さん(75)=同市柏木町=函館音楽協会

 1960年にピアノ教室を開き、優秀なピアニストを育成、輩出してきたほか、最前線で活躍するピアニスト、研究者を招いた公演や講習会を開催し、市の音楽文化を支えてきた。「常に出発点の気持ちでおり、受章は大きな励みになる」。

 和田五月さん(84)=同市日吉町=函館華道連盟

 1953年に華道家元池坊入門。長年、函館の若手指導に尽力し、函館華道連盟会長などを歴任。現在は伝統文化子ども教室や花展を開催するほか、精力的に華道の研究を進める。「日本の伝統文化を伝えようと努力できたのは、家族や仲間のおかげ」。

 ◆青麒章

 竹内玲子(号・鴻雪)さん(74)=同市本町=独立書人団道南支部

 今年1月、国立新美術館(東京)で開かれた「独立書展」に大作「阿修羅」などを出品。書に対する情熱が評価され、会員に推挙された。「長い間精進すれば、評価していただけることを若い世代に伝えられる受章で、大変うれしい」。(山崎純一)