2010年11月7日 (日) 掲載

◎お歳暮商戦 本格化 棒二森屋で

 函館市内の大型店やスーパーで、お歳暮商戦が本格化している。6日には棒二森屋(函館市若松町17、安藤正和店長)のアネックス7階催事場に「2010お歳暮総合ギフトセンター」がオープン、従業員約70人が売り上げアップに向けて気勢を上げた。

 同店は5000円台の商品を中心に約650アイテムを用意。新企画として、地元で人気のスイーツ20品から好きな品を組み合わせる「函館スイーツセレクション」を、5品(5250円)と3品(3675円)の2種類をそろえたほか、送料無料、割引対象商品を昨年の30品から50品に拡大。函館の逸品を集めた「選べるギフト」などの定番商品もそろえた。

 開店前に行った出陣式で、安藤店長は「今年は前年比3・4%アップが目標。早期割引などで需要を取り込み、目標達成に向けて頑張ろう」とあいさつ。集まった従業員が「ガンバロー」を三唱して気を引き締めた。

 市内、近郊の大型店舗ではダイエー上磯店(北斗市七重浜4)が10月28日から一部コーナーを設けたほか、テーオーデパート(梁川町10)は今月3日にギフトセンターを開設。イトーヨーカドー函館店(美原1)は10日、丸井今井函館店(本町32)は17日にコーナーをオープンさせる。(千葉卓陽)



◎函館空港 乗降客数8年ぶり増加 持ち直しの兆し

 函館空港の本年度上半期(4—9月)の乗降客数は、前年同期比9・4%増の86万1701人で、2002年以来8年ぶりに前年同期を上回った。新型インフルエンザの流行で大幅に落ち込んだ前年の反動が大きいが、夏季に増便した関西便や、国際線のソウル(仁川)便が好調だった。改装した函館競馬場や箱館奉行所のオープンなど観光のプラス材料も重なり、低迷していた空の便に持ち直しの兆しが見られた。

 函館市や函館空港ビルデングによると、国内線は同8・4%増の82万3041人。特に6—9月限定で全日空の関西便が一日1往復から2往復に増便され、同45・1%増と好調だった。日本航空も7—8月にかけて羽田便の機材を大型化して前年2便だったジャンボ機を70便運航し、同6・1%増えた。

 主力の羽田便は、6月に函館競馬場がリニューアルした効果で「観戦客に加え、競馬関係者の利用が増えた」(同社)。7月にオープンした箱館奉行所も数字を押し上げ、羽田便全体では同7%増の61万5020人と、国内線全体の約75%を占めた。

 道内路線では、北海道エアシステム(HAC)の丘珠便が同47・7%増と急伸。エアーニッポンネットワーク(A−net)が丘珠線を新千歳に移行した影響で、ビジネス需要を独り占めした形だ。一方、A−netは前年の丘珠便に比べて乗降客数は1−3割減少し、搭乗率も30%前後と苦戦を強いられた。

 国際線では、定期とチャーターを合わせ、同39・2%増の3万8660人と好調。唯一の定期路線・ソウル(仁川)便が3月に機材を145人乗りに小型化したにもかかわらず、同0・5%減の1万8669人で、搭乗率では採算ラインの70%台を確保した。チャーター便では昨年新型インフルの影響で激減した台湾からの観光客が復調し、同2・24倍の1万9991人と急増した。

 函館空港の年間利用客数は1998年の248万9218年をピークに減少傾向にあり、昨年は過去20年間で最も少ない150万3885人にまで低迷。本年度上半期は増加したものの、リーマンショック前の2008年度上半期と比べると、依然として10・5%減少しているのが現状だ。

 今年12月の東北新幹線新青森駅開業や5年後の北海道新幹線新函館駅(仮称)延伸について、同社は「少なからず減少することは懸念している。先行きは不透明だが、相乗効果を高めなければ」と話す。市空港振興課も「入り込み数全体が増えるのはむしろプラス要素。新幹線と航空機を片道ずつ利用する需要もあるはず」としている。(森健太郎)



◎「函館版事業仕分け」審議対象の梁川交通公園 入園者数前年比20%増

 函館市梁川町の梁川交通公園の本年度(4月1日—10月31日)入園者数は2万6275人となり、昨年度の2万2053人を約20%上回った。今年8月に行われた市の事業レビューで「施設の存在意義が問われる」「入園者増へ民間への委託範囲を広げては」と委員から声が上がった同公園。市交通安全課は来年度に向けて営業時間延長などを検討する一方、「職員や指導員によるPR活動を通じてリピーターを増やしたい」としている。

 同公園は交通事故防止を目指し、幼児と小、中学生を対象に交通知識や交通マナーを教えることを目的に1979年に開園。市民に幅広く活用されている。

 ピーク時の1989年度には5万3948人の入園者を記録したが、近年は少子化の影響で減少の一途をたどり、2007年度は2万559人まで落ち込んでいた。今年8月の事業レビューで審議の対象となり、委員からは「交通ルールを学ぶ施設本来の目的から外れ、ただの子どもの遊び場になった」などの厳しい指摘が相次ぎ、存続が注目されていた。

 今回の入園者増加は、これまで春のみに行っていたイベントを、本年度は初めて秋にも実施したことなどが効果として表れているとみられる。来年度には小中学生の下校時間を考慮し、営業終了時間をこれまでより一時間延長し午後6時までとするほか、夏休み期間中は無休とするなど、さらなる利用者拡大に取り組む構え。同課は今後の方向性について「交通ルールを普及する施設として存続させていきたい」としている。(黒田 寛)


◎水産見て触れて 北大で学校祭 人工イクラ作り体験も

 北大水産学部の学校祭「第49回北水祭」が6日開幕した。同校敷地内を会場に多彩なイベントが繰り広げられ、大勢の来場者でにぎわった。

 学内厚生会館では午前10時半から同大鯨類研究会(松石隆顧問)によるクロミンククジラ赤身肉などの販売が行われた。毎年恒例の企画で、1時間以上前から人が並び、販売開始時には30メートルほどの行列ができる人気ぶり。購入した50代の主婦は「良心的な価格でうれしい。タレに漬けてステーキにしようと思う。昔、母が作ってくれた味を再現したい」と話していた。

 講義棟で行われた研究展示では、人工イクラ作り体験が子どもたちに好評。海藻に含まれる成分アルギン酸ナトリウム≠ノ着色し、カルシウムイオン水の中にスポイトでたらすと、イクラそっくりな球体が完成。つぶすと中から液体が出てくる様子も本物そのもので、子どもたちは興味深そうに人工イクラ作り楽しんでいた。同体験を実施した北水サイエンスアシストの高原英生代表(博士課程3年)は「子どもたちが実験を通じて科学に興味をもってもらえたらうれしい。今後も科学体験イベントを積極的に行っていきたい」と話していた。

 同学校祭は7日まで行われる。(堀内法子)


◎日本料理 親子で調理 リトルシェフ講座 食事の作法も学ぶ

 親子で食育について学ぶ「リトルシェフ養成講座」が6日、函館短大付設調理師専門学校で行われた。食育入門の講義で正しいはしの使い方など食事の作法を学び、確認のためにサンマの塩焼きなど日本料理を親子で調理して味わった。

 子どもたちが、食材や栄養などについて考えながら、料理をする機会を持つことで、食についての実践力を養ってもらうことが目的。この日は函館市内の小学生とその家族8組19人が参加した。

 講義は同校管理栄養士の安居華さんが、正しいはしの取り上げ方をはじめ、持ち方、魚の食べ方などを指導。魚は「上側の身を食べた後に裏返すことはしないで」とアドバイスした。

 続いてサンマの塩焼きとウナギご飯、かき卵汁、スイートポテトの4品を調理。指導に当たった同校日本料理研究室長の北川陸雄さんは、かき卵汁の作り方について「とろみをつけてから卵を入れるとふわっとなる」などとポイントを説明。参加者は、親が包丁の使い方を教えたり、分担して作業するなど協力しながら料理を完成させた。

 母親の滝山香代子さん(39)と一緒に参加した天春君(函館駒場小学校6年)は、「切ったり混ぜたり、料理は思ったよりおもしろいことが分かった」と、楽しそうな様子だった。(小泉まや)