2010年11月9日 (火) 掲載

◎郷土料理発表会、シェフの逸品に市民の列

 函館市内、近郊のホテルやレストランなどの調理師でつくる、全日本司厨士協会函館支部(相原源一支部長)と日本中国料理協会函館支部(小川幸徳支部長)が主催する「第25回郷土料理発表会」が8日、函館国際ホテルで開かれた。約450人の市民らが訪れ、地元産の素材をふんだんに使った西洋、中華料理で味覚の秋を満喫した。

 両支部が地産地消をテーマに地域の食文化の発展と、会員の調理技術向上を目的に毎年開いている。今年は西洋料理は7店、中国料理は9店が出店。はじめに調理師が紹介され、相原支部長が「食の大切さを伝える料理人の心意気をじかに感じてもらえれば」とあいさつし、会食が始まった。

 参加者は噴火湾産の毛ガニを使った豆腐煮込み、道南産のサケなどを使ったカルパッチョや七飯産リンゴを使ったケーキなど計約100種類の中から好みの料理を選び、舌鼓を打った。市内美原の主婦、高田邦子さん(56)は「友人に誘われ初めて来たが、地元産食材の良さをあらためて知る機会となった」と喜んでいた。

 このほか、両支部の青年部による、サンマを主材料とした料理コンテストの作品が披露された。(山崎純一)



◎市営函館競輪本年度売上額、前年度比30%増210億

 7日で今シーズンの開催を終えた市営函館競輪の本年度売上額(速報値)がまとまった。開催62日間の売り上げは210億5728万円で、特別競輪の開催増で前年度比49億3080万円(30・6%)増となった一方、不況などから普通競輪の不振が響き、目標である年度当初予算の225億円から14億4272万円(6・4%)下回る結果となった。

 記念競輪は3つ行われ、函館記念(11月4—7日)は67億円余りを売り上げ、当初予算をわずかながら上回った。全日本プロ選手権大会記念(5月14、15日)で38億4488万円、サマーナイトフェスティバル(7月17、18日)で27億1558万円を売り上げたが、当初予算からはともに3%程度下回った。

 普通競輪(F1・F2)の売り上げは77億8759万円で当初予算比13・5%減、前年度比14・7%減と振るわず。市競輪事業部は不振の要因として「ナイター競輪の開催場が今年4月から全国9カ所に増え、電話投票の奪い合いになった」と分析する。

 売上区分別では、収入の7割弱を占める臨時場外が141億2785万円で、記念競輪増加に伴い前年度比47・7%増となったが、当初予算からは3・3%減。本場とサテライト松風(松風町)は6億6193万円で、前年度比2・7%、当初予算比で16・3%それぞれ減少。不況とともに高齢化によるファン減少を裏付ける結果となっている。

 また、電話投票は60億6106万円で前年度比を9・2%上回ったが、当初予算比では11%減。08年度から導入した重賞式投票は、5月に1億5978万7340円の高額配当を記録したことからキャリーオーバー額が減り、2億733万円(当初予算比28・4%減、前年度比37・5%減)と大幅に落ち込んだ。

 同部は「記念競輪の開催効果はあったが、普通競輪の改善策が今後の課題」と話す。昨年度決算で約5億5000万円の累積赤字解消に向け、他場の場外発売などに力を入れ、単年度黒字を目指す考え。(千葉卓陽)



◎道新幹線空間デザイン審、駅前通のイメージ提示

 【北斗】北海道新幹線新駅周辺整備の在り方を検討する「第6回市新幹線新駅周辺空間デザイン審議会」(会長・韮澤憲吉函館高専名誉教授)が8日、市役所で開かれた。市は新駅周辺の土地利用方針案や主要施設計画案に基づき、駅前通や調整池のイメージを提示。委員から活発な意見を求めた。

 同審議会は有識者や渡島総合振興局、函館市、七飯町関係者らが委員を務める。市は、ホテルや飲食店などを集積する来訪者向けの区域や、レンタカー業者などを集める交通関連ゾーンなどの土地利用方針案を示した。

 北海道の玄関口としてのシンボルロード化を目指す駅前通の整備計画案では、全長346メートル、歩道を含む幅員31メートルの道路沿いに、市の木であるブナを植え、マルメロや稲穂をイメージしたデザイン照明を利用したい考えを示した。市は「ブナの間にはツツジなどの低木を植え、国道227号まで緑の連続性を創出したい」と述べた。

 また、駅前区域3カ所に設ける調整池のうち、1カ所は緑化して遊歩道を設けることや、別の調整池にはフットサルコートやストリートバスケットコートを整備し、「若い人たちがスポーツを楽しむ場所としてにぎわいある空間としたい」とした。

 一方、各市民団体などの代表者が委員を務める「第7回市新幹線まちづくり市民会議」(会長・長野章公立はこだて未来大教授)も同日、市役所で開かれた。委員らは駅前広場に隣接する物販ゾーンの活用や、駅に来訪したことを印象づけるための必要性などについて意見を交わした。(今井正一)


◎第1回就職面接会、内定目指し高校生真剣

 渡島・桧山管内の来年3月卒業予定の高校生を対象とした2010年度「第1回新規高卒者就職面接会 in 函館」(函館公共職業安定所、渡島総合振興局、桧山振興局、函館市主催)が8日、ロワジールホテル函館(函館市若松町14)で開かれた。27校から高校生144人が参加し、緊張した表情で希望企業との面接に臨んだ。

 参加企業は渡島・桧山管内が16社、それ以外の道内が3社。求人数は71で、内訳はサービス19、事務17、専門職など15、販売12、技能工3、その他5だった。

 生徒は内定を目指し、希望企業の採用担当者に対し、自己アピールなどをするとともに、与えられた質問に対し真剣に受け答えをしていた。

 江差高3年の長谷川美香さんは、今年の夏にヘルパー2級の資格を取得。この日は函館市内の介護福祉施設の面接に臨んだ。長谷川さんは「自分が介護の仕事に意欲を持っていることをしっかり伝えたつもり。一日も早く内定をもらいたい」と話していた。

 同職安によると、管内の今年9月末現在の就職状況は、就職希望者数1065人に対し求人数が631人と低迷。就職内定率は16・4%で前年同期比を0・5ポイント上回っているものの、依然として厳しい状況が続いている。

 同面接会は来年2月7日に2回目が開かれる。(小川俊之)


◎創立110年を芝桜で祝おう/函商高定時制同窓会、2013年までに2300株植樹

 函館商業高校定時制の同窓会「ともしび会」(若狭健次郎会長)は8日、同校で芝桜の記念植樹を行った。生徒や教職員、卒業生など約30人が参加して、同校の発展などを祈念しながら、約660株の苗を丁寧に植栽した。

 同校定時制が2013年に創立110周年を迎えることから、3年間で同校周辺に約2300株の芝桜を植える計画。

 芝桜の品種は、花びらがひと際大きくて病気や寒さに強い「ダニエルクッション」。開花時期になると、濃いピンク色のかれんな花を咲かせるという。また、花言葉に「合意」「一致」などがあり、記念すべき年に向けた同校関係者の心意気などを表している。

 あいにくの小雨が降る中、実施された植樹活動では、正門両横に用意された花壇に一つ一つ、苗を植えていった。参加者からは「3年後が楽しみだね」「また来年も参加したい」など声が聞かれた。

 若狭会長は「110年を祈念した植樹活動が契機となって、いつまでも母校が続いてくれればうれしい」と話していた。(小杉貴洋)