2010年12月15日 (水) 掲載

◎万代町商興会のイルミネーション 本年度で最後に

 函館市万代町の国道5号の街路樹で、彩り豊かなイルミネーションがきらきらと輝いている。町内の活性化を願い電飾を施した万代町商興会(北村祐治会長)の独自事業も10回目の本年度を最後に一区切りの見通し。北村会長(68)は「町民は冬の風物詩として毎年楽しみにしているが、一定の役割を果たした。本年度で一呼吸置きたい」と話している。

 この電飾事業は、万代町の商工業31社でつくる同会が創立50周年を記念し2001年度から実施。趣旨に賛同する会員の負担で電気代を出し合い、初年度は町内の公園にクリスマスツリーを、翌年度から国道5号の沿道でイルミネーションを始めた。08年度からは3年計画で街路灯の新設・交換も行い、活動の節目を迎えたことから、来年度は見送る方針。

 万代町は戦後から市電の終点として、近郊の町村からの交通の要衝としてにぎわいをみせた。大門地区に次ぐ市中心部として商店街も活気にあふれたが、1993年に市電路線が廃止すると車社会へと激変。人口流出、大型店舗出店に伴う商店街の集客減などから、「徐々に衰退の兆しが出てきた」(北村会長)。市にまちづくり計画の見直しを要請しているが難航しているという。

 今年も北洋銀行万代町支店から松代通までの約400メートルの沿道両脇19カ所の街路樹にLED(発光ダイオード)のイルミネーションを設置。3年間で取り付けた街路灯65基とともに、白や青、緑などの電球が、町を照らし続けている。

 北村会長は「今後も市にまちづくり計画の見直しを求め続ける。事業再開は、町民や会員から強い希望があれば来年もやりたい」としている。

 点灯は午後4時〜同10時。来年2月15日まで。(長内 健)



◎特別交付税12月交付 函館市33.6%増

 渡島総合振興局と桧山振興局は14日、2010年度特別交付税の12月交付額を発表した。渡島管内の11市町は前年比1.9%増の15億9100万円、桧山管内7町は同22.2%減の5億4700万円だった。2007年度から09年度まで、一律で上限3000万円措置されていた「頑張る地方応援プログラム」廃止に伴う減少率の拡大が目立った。

 渡島管内で最も交付額が多い函館市は、33.6%増の6億9100万円。市立病院の感染症病床に対する新規措置などがあり、増加額は道内で3番目に大きかった。北斗市は57.2%減の2100万円。地方応援プログラムの廃止が大きな要因だった。

 減少率が大きかったのは、鹿部町94.1%減、知内町76.0%減、福島町72.7%減、七飯町66.0%減などで、地方応援プログラム廃止が主な要因だった。

 桧山管内も、地方応援プログラム廃止(7町で2億1000万円減)に伴い、軒並み前年度を下回った。乙部町は3300万円減で、市町村立病院における病床の一部未利用820万円などが影響した。

 全道の交付額は、前年比3.5%減の183億9700万円、全国の総額は同9.0%増の2766億1100万円だった。特別交付税は災害復旧対策費などの特別な財政需要に対して配分され、交付税総額の6%を占める。(田中陽介)



◎函館市の審議会委員公募に女性優先枠 西尾市長「困難」

 函館市議会第4回定例会は14日も一般質問を継続した。西尾正範市長は、市が設置している各種審議会において、委員公募に女性優先枠を設けることは困難との考えを示した。

 竹花郁子氏(無所属)の質問に答えた。

 市総務部によると、今年4月現在で93ある審議会のうち、19の審議会で女性委員がいない。専門分野に適任者が少ないことや、各種機関の代表者に女性がいないことなどを理由としている。

 竹花氏は「女性委員登用促進のための取り組みを積極的に進めるべき」として、女性優先枠の義務化を求めた。市長は「審議会の性格によって専門性を求められる場合があり、優先枠義務化は難しい」とした上で、女性が不在であったり、登用率が30%に満たない審議会で、公募枠や女性優先枠の拡充に取り組む考えを示した。

 一般質問には竹花氏と三遊亭洋楽氏(無所属)の2氏が登壇し、この日で終了した。市は質問終了後、国の緊急総合経済対策補正予算成立に伴い、公共事業前倒し発注や、来年1月からの子宮頚がんほか3種のワクチン公費助成などを盛り込んだ本年度一般会計補正予算など、議案3件を追加提案した。

 16日に各常任委員会を開き、提出された30議案について審議する。(千葉卓陽)


◎アフリカ青年研修事業 参加者が表敬訪問

 国際協力機構(JICA)が実施しているアフリカ青年研修事業の参加者20人が14日、函館市を表敬訪問した。市内や札幌で感染症問題について研修を積んでおり、「日本の医療技術を自国で生かしたい」と意欲を見せた。

 青年研修は毎年テーマを変えて行っている。今年はエジプト、ナイジェリア、ガーナなどアフリカ10カ国の医療関係者が12月1日から来日し、函館と札幌で研修。函館では市立病院や保健所などを訪問し、見学のほか講義も受けている。

 応対した市の渡辺宏身企画部長は「それぞれの国に帰ったら、医療の面で貢献してほしい」とあいさつ。参加者を代表しカテベ・セシリアさん(ザンビア)が「アフリカにとって感染症対策の重要性は増すばかり。日本の優れた医療を学び、自国に持ち帰って生かしたい」と話すとともに「豊かな文化を目の当たりにし、日本人の道徳心に感心した」と印象を語った。

 参加者は一人ひとり、日本語であいさつ。「日本が成長を遂げた要因は何ですか」などと、渡辺部長に熱心に質問していた。一行は18日に帰国する。 (千葉卓陽)