2010年12月2日 (木) 掲載

◎はこだてクリスマスファンタジー開幕

 函館の冬を代表するイベント「2010はこだてクリスマスファンタジー」(実行委主催)と「五稜星の夢」(同)が1日、函館市内で開幕した。巨大なクリスマスツリーやイルミネーションの点灯に、多くの函館市民や観光客が駆け付け、本格的な冬の幕開けを祝った。

 13回目を迎えた2010はこだてクリスマスファンタジーは、西部地区の赤レンガ倉庫群前でオープニングセレモニーを開催。函館市在住のアーティストが集まって制作したテーマソング「モミの木の贈り物」を生演奏で発表し、恒例の花火とともにメーンツリーに光をともす点灯式を行った。

 会場周辺には日没ごろから続々と市民や観光客らが詰め掛け、セレモニーが始まる午後5時半には、函館港に面したステージ前のメーンストリートが人で埋まった。サンタクロース姿の西尾正範市長や吉田崇仁市議会議長、カナダ大使館のクリスティーン・ナカムラ参事官らがスイッチをオン。

 約5万個の電球で彩られたモミの木が徐々に輝くと、緑の島からは100発の花火が上がり、来場者は「わあっ」という歓声とともに見とれていた。この中で実行委の寺坂伊佐夫委員長は、「ただいまより開幕いたします」と声高らかに宣言した。

 市内本通の会社員、石川美樹さん(25)は恋人と来場。「点灯式には間に合いませんでしたが、初日に見るツリーはやっぱりきれいです」と喜んでいた。

 メーンツリーの点灯時間は、通常は午後4時半から翌日の午前零時まで。金、土曜日は、翌日の午前2時まで点灯する。(小泉まや)



◎子宮体がんに腹腔鏡手術…市立函館病院

 市立函館病院(港町1、木村純院長)の子宮体がんの腹腔鏡手術が厚生労働省の先進医療に認められ、11月から実施している。同手術で先進医療に承認されたのは、国内で旭川医大病院、新潟大病院に続き3施設目で、一般病院では初めて。

 腹腔鏡手術は、腹に穴を開けて体内に腹腔鏡(内視鏡の一種)を挿入して行う手術。へその部分に腹腔鏡を入れるほか、3カ所ほどに5―10ミリほどの穴を開け、特殊器具を入れて、腫瘍部分を摘出する。医師は腹腔鏡と接続されたモニターを見ながら手術をする。

 開腹手術と比べ、出血量が少ないうえ傷も目立たず、患者の負担も少ないのが特徴。特に検診などで見つかった初期の症状に対しては有効な治療。胃腸や泌尿器科などで健康保険の適用が認められているが、子宮にかかわるがんに対しては適用されていない。

 市立函館病院は子宮体がんや頸(けい)がんの腹腔鏡手術で実績のある産婦人科の山下剛科長が昨年から先進医療の認定施設を目指して体制を整備。この9月に婦人科の常勤医が3人体制になったことなどから厚労省に申請し、認定された。

 手術料金は先進医療分として65万3000円で、全額自己負担だが、点滴、投薬など入院治療費は保険適用され3割負担で済む。

 今後は子宮頸がんの先進治療の適用も申請する方針。山下科長は「腹腔鏡手術は術後1週間以内の退院が可能で患者にやさしい治療法。先進治療が適用されたことで患者にとっても選択肢が増えることになる。相談してほしい」と話している。(鈴木 潤)



◎観光客2年ぶりぶり300万人台回復…函館市上半期

 函館市は1日、本年度上半期(4―9月)の観光客数(推計値)を発表した。前年同期比8.4%増の約311万7000人で、2006年度以来の増加に転じるとともに、08年度以来2年ぶりに300万人台を回復した。JRA函館競馬場のリニューアルオープンや、箱館奉行所の復元オープンなどの効果に加え、新型インフルエンザの影響が落ち着いたことや全国的な景気の回復傾向が増加につながったとみられる。

 函館を訪れる際に利用した交通機関別にみると、高速道路利用料金の休日割引制度が奏功し、バスで123万5400人(前年同期比20・4%増)、乗用車で56万2500人(同6・3%増)と伸びた。市観光振興課はバスの大幅な増加について「高速の割引に加え、安価なバスツアーが人気を集めている」と分析する。航空機も33万3400人(同9.4%増)と回復した一方、JRは83万1500人(同2.5%減)、フェリーも15万4600人(同5・4%減)と振るわなかった。

 月別の観光客数では、4―8月はいずれも前年同期比から増加、特に4月は新型インフルエンザの影響が落ち着いたことで31.2%増。競馬場がオープンした6月、奉行所が復元オープンした7月も10%以上の伸びを示したが、9月は「シルバーウイーク」と言えるほどの大型連休がなく、同7.4%減だった。

 下半期(10―来年3月)はここ2年間145万人台で推移しており、これを維持した場合で年間客数は450万人に達する見通し。市は12月4日の東北新幹線新青森開業に向け、南東北・北関東中心にPRに力を入れており、同課は「新青森開業で好影響が出てくれれば」と期待する。 (千葉卓陽)


◎52型電子広告システム 函館駅に登場

 52インチの大型ディスプレー上に、タッチセンサー式情報端末と、動画CMの再生機能を持ち合わせた電子広告システム「タッチターゲットなび丸」が1日、JR函館駅構内に登場した。豊富な情報を簡単操作で引き出すことのできる便利さと大画面上に流れる美しい画像で、さっそく多くの旅行者の目を引いていた。

 同システムはソフトウエア開発などを行っている「ビイエフネット」(函館市本町8)が独自で開発。動画CMを常時再生しながら、モニター左側の「情報タッチナビゲーション」部分で、道南の観光情報を検索できるのが特長となっている。

 利用は無料。メニュー画面から「ホテル」「観光」など必要なジャンルを選択すると地図が表示され、希望地域を選ぶと該当する施設やイベントなどの一覧が現れる。さらにそれぞれの詳細情報やお得なクーポン券などが提示される。おサイフケータイに対応しているため、地図やクーポン券などの情報を簡単に持ち出すことが可能。

 現在約200件の店舗やイベントなどのデータが収納されているが、同社では「情報量を拡大し道南全域のカバーを目指す」とする。1日にはクリスマスファンタジーが開幕し、4日に東北新幹線が全線開通する中、「なび丸が、函館を訪れる観光客の頼もしい案内役として活躍できることを期待したい」と話している。(小川俊之)


◎開校130年の歴史児童が確認…大船小で記念集会

 函館大船小学校(児童51人、今福一校長)の開校130周年記念児童集会が1日、同校で開催された。児童が小学校の歴史にちなんだクイズや発表を行い、皆で校歌を歌って祝った。地元の大船南部神楽保存会(高谷昇会長)は獅子舞を披露し、子どもの健やかな成長を祈願した。

 同校は明治13(1880)年12月17日に開校した、函館市内でも歴史のある学校。今校長は、住民の願いが通じて学校が設置されたいきさつを紹介。「今日は皆さんの発表を通して郷土について学習し、地域のことを見直してほしい」と呼びかけた。

 同校PTAの丸谷光日東会長は「児童数はわたしたちが通っていたころの半分になってしまったが、これからも子どもたちがこの地域で活動するため支援していきたい」とあいさつ。神楽を奏上した高谷会長は「保存会の会員もこの小学校を卒業して立派に漁業をしている。これからも子どもを大切に育てていきたい」と話した。

 児童は3、4年が「大船小の歴史」を、5、6年は「大船小ニュース」を発表。1、2年は学校の歴史にちなんだ○×クイズを行い、「大船小には野球少年団があった」(答えは○)などの問題を出し、3―6年生が答えた。最後にこれまでの同校卒業生が約2600人であることを知らせ、同じ数のヒマワリの種を張り付けた紙を見せて、歴史の長さを確認した。(小泉まや)