2010年12月20日 (月) 掲載

好みの暦見つけた! 白百合高福祉局がカレンダー市

 函館白百合学園高校福祉局(桜井真結局長、9人)の「第6回クリスマスカレンダー市」が19日、函館市地域交流まちづくりセンター(末広町4)で開かれた。同局員が家庭や企業から集めた2011年のカレンダーが1本100円から販売され、大勢の市民らが買い求めた。

 不要になったカレンダーを販売し、子供の教育支援に役立ててもらおうと開催。今年は約530本が集まった。市民に定着しており、午前10時の開催前から並ぶ人がいたため、30分早く始めた。訪れた人は写真や絵の美しさ、文字の大きさ、メモを書き込む空白の多さなどで好みの1本を探し、買い求めた。このほか、フェアトレードの無農薬コーヒー、紅茶、チョコレートも販売され、人気だった。

 益金はフィリピンの学校や、あしなが育英会に寄付する。桜井局長は「今年は集めることが大変だったが、市民の皆さんのご協力で多数用意できた。開始前から並ぶ人がいるのは先輩たちの苦労のおかげ。いろんな人たちの思いを、フィリピンの子供たちなどに届けたい」と話していた。(山崎純一)



年賀状作り佳境 市内書店などで特設コーナー

 来年の年賀状受け付けが各郵便局で始まった。新年のあいさつを元日に届けようと、年賀状作成にラストスパートをかける人も多い。市内のさまざまな店舗で年賀状特設コーナーが設けられ、にぎわいを見せている。

 書店ではパソコン関連の棚に年賀状用ソフト付きの本がずらり。ゲオ文教堂湯の川店(湯川町1)の戸川錬治店長代理によると、パソコンの普及でソフトが付いた本は年々増えているという。キャラクターものから定番デザインタイプ、十二支すべてを網羅した12年間使えるものなど種類もさまざま。価格も安いものが増え、ワンコイン本も売れ行き好調だ。また、2008年に販売終了となったプリントゴッコの付属品もそろえる。戸川さんは「今でもプリントゴッコの愛用者は多く、ランプやインク、シートを店頭に並べるとすぐになくなる」と話す。

 家電量販店では、はがき専用プリンターの販売に力を入れる。スーパーアウトレットベスト函館店(昭和1)でも、同アイテムが年間で一番売れるといい、カシオとエプソンのプリンターを取りそろえる。阿部真也店長は「パソコンより操作がシンプル。年配の購入者には音声ガイダンス機能が付いているものがおすすめ。年賀状以外でも、専用用紙があれば自宅で写真のプリントができるので一台あると便利」と購入を促している。

 パソコンやプリンターを使わず、手作りにこだわりたい人には、シールやスタンプが人気。石田文具(北斗市七重浜2)では、使用した文房具を細かく提示しながら多様なデザインを提案する。後藤理香店長は「来年のえとはウサギ。かわいい動物なので、例年に比べて種類が豊富に入っている。熱を加えると立体的になったり光沢が出る文具もある。世界に一つしかないオリジナリティーあふれる年賀状を作ってみては」と呼びかける。

 元日に配布されるには、25日までの投函が必要。年賀状に日ごろの感謝の思いをのせて、送ってみては—。(堀内法子)



法務局、函館市電「人権号」無料運行 いじめ防止など訴え

 函館地方法務局、函館市などは19日、函館市電「人権号」を無料運行した。車内では小中学生が描いた「人権ポスター」が展示され、市民や観光客はいじめ防止など、人を思いやる気持ちの大切さをあらためて考えていた。

 人権尊重の意識を高めてもらおうと、2000年から運行されている。無料運行は昨年から行われており、この日は、湯の川—谷地頭間で午前中に1往復した。ポスターは同法務局と函館人権擁護委員連合会などが実施した「小学生・中学生人権ポスターコンテスト」の入選作35点で、児童虐待や言葉での暴力の防止などを訴えている。

 このほか車両にも描かれている函館人権マスコット「ユウちゃん」と「マイちゃん」(レッサーパンダ)がクリスマスらしい衣装を着て乗り込み、人権擁護を訴える啓発物やカレンダーを配布。人権の大切さや同法務局などの活動をPRするアナウンスも流された。

 同法務局人権擁護課の藤原俊一課長は「ポスターは来年1月5日まで展示されており、市民の皆さまに、人権に対する正しい認識が広まることを願いたい」と話していた。(山崎純一)


【北海道新幹線・新青森駅開業に学ぶ(下)】青函連携 今から模索

 新青森駅開業で北海道新幹線函館延伸の本格的なカウントダウンが始まった。来年3月には九州新幹線の鹿児島ルートが開通し、2015年度には本道と九州が一直線で結ばれる高速鉄道網の新時代を迎える。14年度末には北陸新幹線の長野—金沢間も開業する。泣いても笑ってもあと5年。いま、道南で期待される効果や求められる取り組みは何か。地域の経済関係者らに聞いた。

 「新幹線で沿線の競争はますます加速する。地域に魅力があれば通勤、通学する人も増え、定住人口の増加も期待できる。逆に魅力がなければ、観光客も消費活動も大都市に流れ、経済基盤は不安定になってしまう」。日本銀行函館支店の市川信幸支店長(51)は新幹線のはらむ特性をもろ刃の剣≠ニ語る。

 道南の魅力づくりについては「南茅部地区の縄文遺跡群と五稜郭跡の2つが世界遺産に登録されれば、確実に訪れる人は増える」と強調。産業面では公立はこだて未来大への医学部設置構想を推奨し、「函館が情報技術を活用した日本の先端医療地域になる可能性を秘めている。医療分野の新産業の創出にもつながるはず」と期待を込める。

 「開業効果はもって2年。青森の集客が落ちてきた時が青函連携のいいタイミングになる。函館のライバルは青森ではなく、ほかの観光地。青函圏として誘客を図らなければ」と話すのは、ホテルニューオーテ(函館市若松町)の齋藤利仁社長(45)。出張が泊まりから日帰りに切り替わる時代。「八戸はそれが顕著だった。青森がどうなるか、分析が必要だ」

 ホテルを構えるJR函館駅前。人口減少や郊外への流出で疲弊した現状を憂い、「新幹線を契機に街のグランドデザイン(=全体構想)をもう一度考え直し、コンパクトシティーを目指すべき」と訴える。「新函館駅はおそらく乗り継ぎ駅になる。現駅へのアクセスは利便性やスピードはもちろんだが、魅力的な輸送手段になることも必要。観光気分を盛り上げるのにSLを使ってもいい」とアイデアは尽きない。

 函館でまちづくり活動に取り組むNPO法人「スプリングボードユニティ21」の折谷久美子代表(50)は、昨年からバリアフリーボランティアの実証実験に乗り出し、観光ボランティアの育成に力を入れる。「将来的には函館市民全員が観光ガイドとして観光客を温かく迎え、街を案内できるようになれば、リピーターは格段に増えるはず」とホスピタリティー(もてなしの心)の向上に躍起だ。

 青函連絡船から青函トンネルの開通、そして新幹線でつながる未来。「青函の時間的な距離は徐々に近づいてきたが、精神的にはまだ遠いイメージが残る。新幹線こそ、その壁を破る大きなチャンス」と夢は膨らむ。「青函で奪い合うのではなく、お互いの良さを生かしあって相乗効果で観光客を呼び集めることが大切。函館からも積極的に青森や東北を訪れ、その土地ならではの魅力を発見していかなければ」。(森健太郎、千葉卓陽、小川俊之)(おわり)