2010年12月23日 (木) 掲載

お菓子の家ずらり 清尚学院高校内コンテスト

 欧米でクリスマスに作られるお菓子の家「ジンジャーブレッドハウス」のコンテストが22日、清尚学院高校(土家康宏校長)で行われた。ずらりと並んだ71軒のおいしそうな家に、審査員を務めた生徒は「これ食べたい」と目を輝かせていた。

 姉妹校提携を結ぶオーストラリアの専門学校、リージェンシー・インターナショナルセンターの講師が2004年に伝えて以来、毎年生徒が作っている。今回は初めてコンテスト形式とし、調理科の2年生71人が参加した。

 ジンジャーブレッドは、生地にショウガの粉末やシナモンを混ぜて固く焼き上げた板状の菓子。これを壁や屋根の形に切り、卵白や粉糖が材料のアイシングを接着剤に使って組み立てる。家の形は同じだが、それぞれの生徒がカラフルなゼリービーンズやチョコレート、マシュマロなどで自分なりの飾りつけを施し、家と同じ材料の人形「ジンジャーブレッドマン」やサンタクロースを庭に配置するなど工夫した。

 コンテストの結果、1位は目黒愛美さんと中村莉乃さん、2位は阿部聖香さんと小甲美里さん、3位は熊谷若奈さんと竹田彩乃さんに決まった。目黒さんは、小枝のような市販の菓子を屋根に張り付ける時、アイシングが目立たないようにとココアで色付けした。「家に飾った後は家族で食べたい」と話していた。 (小泉まや)



新幹線「札幌延伸」先送り 道南の沿線関係者 落胆

 政府は来年度の予算編成にあたり、鉄道建設・運輸施設整備支援機構の利益剰余金(約1兆5000億円)のうち、1兆2000億円を国庫返納することを決めた。これに伴って北海道新幹線新函館(仮称)―札幌間の着工判断が先送りされ、道南でも沿線自治体や経済団体関係者に落胆が広がった。

 今回の措置で、同区間をはじめとする未着工区間への投資に向けたハードルが高まる結果となった。道南の自治体や関係者は「財源をしっかり確保して」「このままではマチの計画が進まない」と、民主党政権への不満を募らせている。

 函館市の西尾正範市長は「財源問題を早急に整理した上で、1日も早い着工に取り組んでほしい」とコメント。札幌延伸に伴う函館駅―新函館駅の経営分離問題は現在も見通しが立っていないが「延伸はオール北海道として、国にしっかりと働きかけていきたい」とする。函館商工会議所の松本栄一会頭も「平等な社会基盤整備へ向けて政治力を結集し、着工のめどを早く付けてもらいたい」と話す。 また、北斗市の高谷寿峰市長は「甚だ残念。今後も粘り強く取り組んでいくしかない」、木古内町の大森伊佐緒町長も「入り込みの絶対数を増やす意味では延伸は極めて大事。先送りは道にとっても、木古内にとっても経済活性化にマイナス」と話す。

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 函館以北の自治体からは、焦りやいらだちの声がより強く聞かれる。  七飯町の中宮安一町長は「景気がどん底の今は、新幹線工事で雇用を創出する効果もあるのでは」と嘆く。新八雲駅(仮称)が計画されている八雲町も「札幌から鹿児島までを通す国策として、1日も早く決めてほしい」(新幹線推進室)と訴える。長万部町もまた、相次ぐ着工先送りに「新幹線を核としたまちづくりを進めていく上で支障をきたしている。計画を作っても具体の議論に踏み込めない」(新幹線対策室)と苦悩をにじませる。

 国土交通省の整備新幹線検討問題会議が、札幌延伸の検討課題として1、並行在来線の経営2、在来線との共用区間での運行3、最高設計速度の見直し―の3点を提示した点についても、疑問の目を向ける関係者は多い。ある自治体の担当者は「北海道だけ条件が厳しく感じる。着工できない方向に持って行っているとしか思えない」とこぼす。

 一方で同省は、10年間で1000億円を各地の並行在来線支援に充てる方針を示した。北斗市の高谷市長は「どのような形で配分されるかは分からないが、江差線にも適用されることを期待する。道南地域並行在来線対策協議会の協議においても、鉄路維持に向けて好材料となる」と評価した。



作って食べてみんな笑顔 亀尾小中でそば打ち試食会

 函館亀尾小中学校(中村吉秀校長、児童30人、生徒19人)が22日、同校体育館でそば打ち・試食会を行った。児童・生徒らは真剣な表情でそばを打ち、収穫の喜びを分かち合った。

 同校では1998年から毎年、そば栽培学習を行っている。この日使用したそば粉は今年9月に同小児童らが収穫したもの。収穫後に1カ月ほど乾燥させ、昔ながらの足踏みで脱穀した。児童・生徒は地域住民の指導を受けながらそば打ちに挑戦。小中生混合のグループに分かれて作業を行った。

 つなぎの小麦粉を約2割しか使わないため粉がうまくまとまらず、小学低学年の児童たちには難しい作業だったが、中学生徒は慣れた様子で後輩らにアドバイス。和気あいあいと打ちながら、試食の時間を待った。

 同小1年の中山佑里子さん(7)は「初めてだったけど、お兄さんたちがやさしく教えてくれたから上手にできた。大きな包丁で切るところが楽しかった。いつもはあんまり食べないけど、自分で作ったおそばはおいしい」とにっこり。同中3年の舘美綾佳さん(15)は「小学1年の頃はそば打ちが難しくて苦戦したが、今は小さい子たちに教えることの方が大変。でも、自分が打ったそばを食べるのは格別。店で食べるのとは違った喜びやおいしさがある」と話していた。 (堀内法子)


日商簿記3級 函商高40人全員合格

 函館商業高校(滝田進校長)に本年度設置された会計ビジネス科の1期生(1年)40人全員が、11月に行われた日本商工会議所(日商)の簿記検定3級に合格した。クラス全員が一度の試験で合格する快挙に、学校全体が喜びに沸いている。

 簿記3級は、就職に必要な基本的な資格として1年時に取得することを目標に、4月の入学時から勉強に取り組んできた。夏からは放課後や休日の講習なども行い、力を付けてきた。

 同科1期生の合格率は、3級は100%、簿記同好会に所属する生徒が同時に挑戦した2級は50%(4人が合格)。これは、函館商工会議所実施の合格率(3級は53%、2級は28%)と比べ突出して高く、この数値を押し上げる結果となった。

 勉強では、理解した生徒が分からない生徒に教えるなど、互いに支え合って合格にこぎつけた。山内早彩さんは「一人一人が合格を目指して頑張ってきたので、全員と聞いた時は泣いていた友達を見てもらい泣きしました」と振り返る。 2級も同時に受かった小松麻梨乃さんは「簿記は理解できると楽しいけれど、分からない時もある。2級はレベルが高く合格ラインぎりぎりと感じていたので、本当にうれしかった」とした。

 指導した石塚和久教諭は「一人も欠けることなく試験に臨みクラス全員が合格したのは、私の教員人生でも初めて」と称賛。勉強に打ちこむ生徒を温かく見守った保護者の理解の高さについて、「信じて任せてくれたことに感謝します」と話している。(小泉まや)