2010年12月25日 (土) 掲載

市内の教会でXマスイブ礼拝

 クリスマスイブの24日、函館市内の教会では市民を対象にしたクリスマスイブ礼拝が開かれた。明かりがともる荘厳な会場に聖歌と朗読が響き、大勢の参加者がイエス・キリストの降誕を祝った。

 元町3の函館ハリストス正教会(ニコライ・ドミートリエフ司祭)では、毎年恒例の「市民クリスマス」が行われた。今年は仙台からセラフィム主教が来函し、降誕祭に参加。白と緑のロシア・ビザンチン様式の復活聖堂には、中居真行伝教師が読み上げる祈祷文と、教会の聖歌隊のメンバーらが歌い上げる無伴奏の聖歌も響き、参加者は静かに耳を傾け、気持ちを新たにしていた。

 函館聖ヨハネ教会(藤井八郎司祭)では、午後6時半にイブ礼拝を実施し、教会の信者や市民らが数多く参席。それぞれの手でろうそくに火がともされると、教会の信者が一人ひとりイザヤ書や聖ヨハネ伝などの聖書を朗読。合間にパイプオルガンの伴奏が付いた明るい聖歌が歌われた。藤井司祭は「不安な世の中だが、キリストは私たちを愛し続けます。クリスマスを祝いましょう」と語りかけた。

 午後11時には深夜ミサも行われたほか、日中はコーヒーやケーキなどを販売、市民らでにぎわった。25日は午前10時半からクリスマス礼拝が開かれる。(長内 健)



国交省予算案、北ふ頭整備に30億円計上

 国土交通省が24日に発表した2011年度一般会計予算案で、函館市が計画していた函館港北ふ頭(浅野町)の港湾整備事業が国の新規事業として採択され、来年度から2015年度までの4年間で総額30億円の事業費が計上された。道南唯一の新規事業で、市は「函館の港湾振興に大きな弾み」としている。

 計画では同ふ頭の正面に水深6・5メートル、総延長190メートルのL字型のフェリー専用岸壁を新設。船舶の大型化に対応し、函館港唯一の耐震岸壁として防災機能の強化につなげる。11年度から調査・設計を始め、12年度に着工。13年度から暫定供用を開始し、15年度の完成を目指す。

 北ふ頭では、共栄運輸と北日本海運の2社が青森—函館航路で「青函フェリー」を運航。現在はフェリー専用の係留施設がなく、岸壁に船を縦付けしている。このため乗降時などに横風を受けやすく、離発着にも時間を要しているのが現状だ。

 市は今年に入り、国交省や民主党などに積極的に要望活動を展開。高速道路の料金割引で青函航路の需要が高まっていることに加え、8月には函館港が国が直轄で整備する「重点港湾」に選ばれたことも追い風になった。青函フェリーでは船の老朽化に合わせ、大型船の導入も計画している。

 函館市の西尾正範市長は「北海道と本州を結ぶ青函フェリー航路の機能強化に向けた大きな一歩で、函館港の活性化や市の振興発展、青函圏の観光面にも大きく寄与する。今後とも早期完成を目指し、予算の確保に努めたい」とコメントした。(森健太郎)



七飯町酪農組合、排水浄化装置を導入

 【七飯】七飯町酪農組合(小森久司組合長、組合員数28)は道や町の補助を受け、組合員9戸に搾乳関連排水浄化施設を導入した。搾乳後の洗浄排水から、乳脂肪分などの成分を分離する装置で、来年度以降も、一定規模の組合員農家で順次整備を進める。酪農が盛んな大沼地域において、農業排水に含まれる環境負荷を大幅に減らし、湖水の環境保全や水質改善につなげたい考えだ。

 近年、アオコが大量発生するなど、大沼の水質汚染が深刻な状態となる中で、町は2008年9月に「大沼地域活性化ビジョン」を策定。搾乳関連排水の処理を重点施策として盛り込んだ。

 浄化装置は、鉄道の廃コンテナに収まるサイズで、高さ1・2メートル、幅2・5メートルほど。地下に設置した貯水タンクに一定量の排水がたまると自動的にくみ上げて、排水に含まれる乳脂肪分などを薬剤(凝集剤)で凝固させ、固形物と水質基準を満たした液体に分離する。排水に廃棄乳が混入しても処理が可能という。

 処理能力は1時間当たり500リットルで、乳牛100頭を飼育し、搾乳機の洗浄などで1日当たり約2トンの排水が出る小森組合長(60)の「小森牧場」(町軍川)では、この浄化施設で固形物が約20キロほど出来上がるという。固形物はたい肥化して、牧草地などで利用する。

 小森組合長は「乳価が下がる中で、凝集剤のコストや施設の維持管理経費は厳しい負担とはなるが、組合一丸で環境に配慮した取り組みを続けたい」としている。

 総事業費は約3816万円で、道が約48%、町が約27%を助成した。新年度は大沼地区のほか、仁山や藤城地区の酪農農家11戸に導入を予定している。(今井正一)


今夏はやはり暑かった

 気象庁はこのほど、20日までの観測データを基に、2010年の国内の気象状況を発表した。それによると、函館の平均気温(1月1日—12月20日)は10・3度。この値はこれまでの年平均で3番目の高さ。江差は11・1度(同)で、同じく2番目の高さとなっている。夏の猛暑や、長い残暑の影響が大きかったとしている。確定値は来年1月4日に発表される。

 同庁によると、年平均気温は全国で高く、北日本、西日本はかなり高かった。本道では22の観測点ですべて高く、帯広、釧路は過去最高の高さとなる可能性がある。

 年間を通じ、全国的に春は暖気の流入と寒気の南下があり、気温の変動が大きかった。函館も2月から5月までの平年差は0・2—0・9度下回った。6月以降は高温となり、函館の月平均気温は、6月は17・6度で過去3番目、7月は22・4度で同5番目、8月は24・7度で同2番目、9月は20・1度で同3番目の高さだった。特に夏(6—8月)の平均気温は函館21・6度、江差も21・6度で、ともに過去最高だった。同庁によると、地球温暖化や、太平洋赤道域東部の海面水温が高くなるエルニーニョ現象が発生し、世界的に高温傾向となった。

 函館で年平均気温が10度を上回ると、2004年の10・1度以来6度目となる。過去最高は1990年の10・5度で、ほか3回は1870年代(明治初期)に記録している。

 函館の年降水量(1月1日—12月20日)は、平年比101%の1148・0ミリ、日照時間(同)は同比91%の1586・1時間で推移している。江差の年降水量は(同)は同比123%の1413・0ミリ、日照時間(同)は同比86%の1255・3時間となっている。(山崎純一)


聖夜の大渋滞

 函館市内では24日、午後7時までの最低気温がマイナス6・1度となるなど冷え込んだ影響で、夜間には路面が凍結。夕方から夜にかけて、JR函館駅前周辺の国道5号や湯の川電停付近などで、渋滞が確認された。この日はクリスマスイブに加え、週末の金曜日。函館中央署は「路面凍結と早く家に帰りたい人の帰宅ラッシュが重なったのではないか」と話している。

 渋滞は市内のあちこちで確認された。西部地区の「2010はこだてクリスマスファンタジー」会場周辺では、点灯式の午後6時前後が特に混み合った。湯の川電停では、産業道路と市電の交差点で自動車が混雑。凍結した路面に慎重になったドライバーが、広めに車間距離を取るなどしていた。

 函館海洋気象台によると、道南では24日夜から25日にかけて雪でふぶき、所により雷を伴う見込み。交通障害や暴風、高波に警戒を呼び掛けている。(小泉まや)