2010年12月27日 (月) 掲載

色鮮やかな縁起物ずらり 歳の市

 正月用の縁起物を売る歳末恒例の「歳(とし)の市」が函館市内で開かれている。クリスマスから一転、色鮮やかなしめ飾りなどがずらりと並ぶ露店には年の瀬ムードが漂っている。

 市内では「函館歳の市商業組合」(柴田任弘組合長)の9店舗が中島町や松風町など4カ所で出店。10年前までは約20店が組合に加盟していたが、ホームセンターでも販売している影響で縮小しているという。

 中島廉売の丸山商店(丸山信由店長)は親の代から約60年間店を構える。通常のしめ飾りやごぼうじめに加え、七福神の飾りが付いた宝船型の神棚飾り、リース型のものも人気という。26日は折からの風雪で客足は鈍かったが、店員と常連客が「お安くしますよ」「良いお年を」などと会話を楽しんでいた。

 神棚飾りを買った函館在住の牧秀樹さん(60)、やす子さん(60)夫婦は「これで気持ちよく新年を迎えられる。病気のない良い1年になれば」と笑顔で話していた。

 全店で31日まで営業、27—29日ごろがピークという。(長内 健)



絶滅危惧種オオワシ見つけた 八雲・遊楽部川で観察会

 【八雲】絶滅危惧種で、国の天然記念物でもあるオオワシとオジロワシの観察会が26日、八雲町遊楽部川流域で行われた。函館市内近郊の児童13人が参加し、息絶えたサケ(ほっちゃれ)を餌にする姿や木々で羽を休めるワシを見て回り、生態系の奥深さを学んだ。

 函館のNPO法人「なちゅらす」(赤石哲明代表)の自然体験環境プログラムとして実施。観察の前に勉強会を行い、北大大学院水産科学研究院の帰山雅秀教授が「山の栄養分が海を育み、サケが戻って来ることでまた鳥たちや森林が豊かになる」と説明し、「遊楽部川はサケの自然繁殖が大規模で、このためワシも多く飛来する。サケは自然の生態系で重要な存在」と伝えた。

 観察場所は市街地から10キロ上流で、岸辺や遠くの林の木々にワシの姿を目にした児童は「いっぱいいる。あそこにもいたよ」と興奮。帰山教授は「50羽はいる」と話し、上空をオオワシが乱舞する度に歓声が響いた。ほっちゃれの観察と解剖体験も行われ、参加者はサケの産卵後を含めた一生の価値を見い出した様子だった。

 函館神山小4年の萬寿英敏君(10)は「目の前を大きなオオワシが飛んで行くのを見てわくわくした。自然の生態系に欠かせないサケの存在の大きさも感じた」、函館柏野小5年の折口愛莉さん(11)は「寒い雪の中でも、木の上でじっと羽を休めるワシを見て驚いた。めったに見られない光景で、観察会に参加して良かった」と目を輝かせていた。(田中陽介)



新年へ準備着々 日用品店などで歳末商戦

 クリスマスが終わり、街中は一気に年末モードに突入。函館市内の各店では新年に向けた正月用品を多数取りそろえ、歳末商戦を繰り広げている。

 ホーマックスーパーデポ湯川店(戸倉町258)では掃除用品や正月飾りのほか、お節料理用の調理器具にも力を入れる。中川勝洋店長は「直径26—30センチの鍋が売れている。価格も700円台からと手ごろなので、購入しやすい」という。新年に向けて神棚を買い替える人もおり、だいたい20年に一度のペースで取り変える家庭が多いようだ。「高価なイメージがあるが2980円から用意しているので、一度見てもらいたい」と呼び掛ける。

 掃除用品もさまざまなタイプが出ており、大掃除で購入する人が多い。ジャンボイエロー亀田店(亀田町21)の畠谷宏幸店長によると、テレビ通販で紹介されていた回転式モップが店頭でも注目を集めており「テレビの宣伝効果なのか、周知度が高い。数千円という手ごろな価格も支持される理由かも。年末に向けてかなりの台数が出ている」と話す。また、正月飾りのコーナーでは、特に車用飾りがずらり。「外付けのものから、年々車内用に切り替わっている。定番のものから女性向けのかわいらしいものまで、種類を豊富に取りそろえて幅広い客層に対応している」と畠谷店長。

 家電量販店では、はがき専用プリンターの販売に力を入れるほか、蛍光灯や電球の取り換えも勧めている。スーパーアウトレットベスト函館店(昭和1)の阿部真也店長は「ライト関係は例年通り売れており、なかでもLED(発光ダイオード)電球の普及が格段と進んでいる。認知度が上がり、価格も下がった。エコポイントを当社の商品券に変えて、年末の買い物用に使用するお客さまも多い」と話している。(堀内法子)


朝市フェスタ30日まで 豪華景品薄型テレビ残り5台

 函館朝市協同組合連合会(函館市若松町9)では今月11日から30日まで、32インチ薄型テレビ20台などが当たる「ウインターフェスタ2010」を開催している。期間中最後の日曜日となった26日は、年末の買い出しをする市民や冬場の観光に訪れた旅行客らでいつも以上のにぎわいを見せていた。

 同連合会では利用者への感謝を込めて毎年この時期にウインターフェスタを実施。今年は各店舗で2000円利用ごとにスクラッチカード1枚を進呈し、その場で薄型テレビや1万円のキャシュバックなどが当たる豪華な内容となっている。

 場内の一角には景品の薄型テレビが展示され、その周りには当選者の名前が貼り出されている。買い物客の中にはうらやましそうに眺める姿も。26日現在で薄型テレビは残り5台となっており、同連合会事務局では「まだチャンスはあるので、ぜひこの機会に函館朝市に足を運んで、年末年始のための買い物を楽しんでほしい」と来場を呼び掛けている。(小川俊之)