2010年12月29日 (水) 掲載

2市4町、大雪でハウス倒壊相次ぐ

 先週末から記録的な大雪に見舞われた渡島管内で、農業用ビニールハウスの倒壊が相次いで確認された。渡島農業改良普及センターによると、28日現在で、全半壊を含め、北斗市内で約200棟、七飯町内で約150棟など2市4町で450棟を超える被害となった。特に春野菜用のシロカブやホウレンソウなど、種まき時期を控えた農家の被害も多く、今後の作業への影響が懸念される。

 同センターなどによると、今回の大雪は短時間に重い雪が降り積もったため、除雪作業が間に合わなかったほか、作物の栽培を準備する期間とも重なり、暖房を使用してないハウスで多くの被害が出たという。隣接するハウスとの間隔が狭い所では、上からの圧力などからへこむように崩れたハウスが多い。

 北斗市内や七飯町内では、花きやホウレンソウなどの作物被害が一部あった。七飯町飯田町のある農家では、ホウレンソウの種まきを控えたハウス1棟が半壊。連日、雪かき作業に追われた。この農家の男性(55)は「年が明ける前に雪かきをしなくてはならない大雪は記憶にない。次に降ったときにまた壊れると困るので、しっかりやっておかないと」と話した。

 知内町のニラ生産組合(石本顕生組合長、74戸)では、20戸の暖房を使用しない無加温のハウス34棟が損壊。町内の多いところで積雪は約60センチとなり、被害は、中の川、森越、重内、上雷の全域に及び、27、28両日はハウスの復旧作業に追われた。  また、年明けから収穫、出荷する「一番ニラ」を栽培する農家では、暖房を使用していたため、ハウスに雪が積もらず、被害はなかった。町は「被害総額は約700万円。一番ニラに影響はない」としている。

 同センターは「今年は価格も良く、良い年を迎えようとしていた所に、一夜にして悔しい思いをした生産者も多い。修繕用資材の確保や、雪中での復旧作業をどう行うかなど、対応を協議していきたい」としている。(今井正一、松宮一郎)



10年の渡島管内生産高概数、漁獲額が最低水準

 渡島総合振興局は、2010年の渡島管内(八雲町熊石地区を除く)の漁業生産高の概数を発表した。魚価の低迷や、猛暑による水温上昇で回遊魚の漁獲が減ったことが影響し、金額は近年で最低水準に落ち込んだ。数量は前年比9%減の20万5000トン、金額は同6%減の407億円だった。

 主要魚種別は、全体の4割を占めるホタテの漁獲量が同18%減の8万2200トン。道外の水揚げが落ち込んだため、1キロ当たりの単価は前年より25円増の156円で、金額は同1%減の128億5000万円にとどまった。同振興局水産課は「もとの水揚げ量が少なかった上、ザラボヤ付着が少なからず影響したが、単価は比較的良かった」という。

 スルメイカは「今年も厳しい状況」(同課)で、数量が同16%減の2万4200トン。前年に続き不漁となったが、1キロ当たりの単価は同73円増の273円で、金額は同15%増の66億円だった。6月の解禁直後から水温の低い状況が続き、来遊数が少なかったことが響いたが秋以降、盛り返しているという。

 サケの数量は同50%減の5300d、金額が同37%減の19億3000万円。秋の解禁直後に海の表面温度が高かったため、まとまった来遊がなかったのが大きく響いた。

 スケトウダラは国が定める漁獲可能量(TAC)規制から、漁の調整をしていることが影響。数量は同11%減の4万400d、金額が同15%減の33億4000万円で「魚卵が熟す厳冬期の盛り返しに期待できる」(同課)という。

 コンブは数量が同8%減の6100d、金額が同21%減の71億8000万円。養殖、天然ともに水揚げは平年並みを推移したが、単価が低迷した。マグロは数量で同16%減の310d、金額は同1%増の8億5000万円だった。松前、福島の漁は比較的良かったが戸井方面が振るわなかった。

 同課は「全体で数量が減った中で、サケ以外は金額の極端な落ち込みがなかった。サケの不漁は、記録的な猛暑による水面温度上昇が影響したと思われるが、水温の低下とともに来遊も増えた。水揚げ減と魚価の低迷に歯止めがかからない限り、厳しい状況が続く」としている。(田中陽介)



日銀11月道南の金融経済動向、持ち直しの動き一服

 日本銀行函館支店(市川信幸支店長)は、11月の道南地方の金融経済動向を発表した。公共投資の減少が続いているほか、個人消費が全体として足踏みの状況にあることなどから、景気判断を「持ち直しの動きが一服している」と2カ月連続で据え置いた。

 個人消費は2カ月連続で「全体としては足踏みの状況」と判断据え置き。エコポイント制度変更前の駆け込み需要で薄型テレビや冷蔵庫などの家電販売は好調だったが、新車登録台数は普通・小型車が前年同月比28.3%減と3カ月連続で前年を下回り、軽乗用車も同17.2%と8カ月ぶりに前年を下回った。主要小売店の売上高も、食料品は堅調に推移したものの、冬物衣料品や歳暮商戦の出足が鈍かったことなどから、2カ月連続で前年を下回った。

 設備投資は、本年度の企業設備投資計画の数値が大幅に上方修正されていることから、景気判断も「持ち直しの兆しがみられる」と3カ月ぶりに上方修正した。一方、夏場から好調が続いていた観光は、主要ホテルの宿泊客数や主要施設の利用客数の減少傾向により「持ち直しの動きが一服している」と21カ月ぶりに下方修正した。改行 公共投資、生産、貿易、雇用はいずれも判断を据え置き。倒産は3カ月ぶりに皆無となった。(小川俊之)


八雲もち米生産部会がお供え餅贈る

 新函館農協八雲町もち米生産部会(柴田英晴部会長、会員42戸)は28日、函館市美原4の渡島総合振興局などに正月のお供え餅を贈呈した。生産者が丹精込めて育てたもち米の鏡餅で、「幸多き、良い新年をお迎えください」と持参した。

 餅の直径は、35センチの2段重ねで重さ5升(8キロ)。今年一年の厳しい自然状況下でも無事、収穫までこぎつけられたことへの感謝と、地域の発展を願って同振興局のほか、北斗市役所と同農協本店にも縁起の良い餅を届けた。

 渡島総合振興局では寺山朗局長が応対。柴田部会長(59)は「猛暑の影響を心配していたが、おかげさまで関係機関の連携で例年以上に豊作の年になった」と報告。約258ヘクタールで1200トンの収量があり、主食用もち米は全て1等米だった。

 八雲町落部地区で作付けするもち米は「風の子もち」という品種で、「餅にしたときにすぐに硬くならず、きめの細かさと粘りが特徴で雑煮やおこわに最適」と柴田部会長。改行 寺山局長は「立派なお供え餅でありがたい。いい新年を迎えられそうだ」と感謝し、早速、渡島合同庁舎正面玄関前に飾った。

 「風の子もち」は、同農協各店舗で販売している。宅配販売は5キロで2200円(送料別)。問い合わせは同農協米穀課TEL0138-84-8737。(田中陽介)