2010年12月31日 (金) 掲載

七飯ほんちょう保育園移転へ 園舎に思い思いの絵

 【七飯】1月から新園舎に移転する七飯ほんちょう保育園(戸巻聖園長)は30日、現園舎のお別れ会を開いた。園児たちは、床や壁に手形を残したり、思い思いの絵を描いて、約半世紀の歴史が刻まれた園舎に「ありがとう」の気持ちを伝えた。

 町は1964年度に「本町保育所」を開設し、65年3月に現園舎が完成。78年に一部増築した。本年度から、民営化されて社会福祉法人「聖樹の杜」が運営している。8月から建設していた新園舎が完成し、この日が現園舎への最後の登園日となった。

 ホールの壁には「ありがとう46ねん」と大きく書かれ、園児たちは、手に塗料をつけて、壁や窓に手形を次々と残し、元気な声を響かせた。目黒璃久(りく)ちゃん(6)は「楽しかった。新しい保育園も楽しみ」と喜んでいた。職員の高橋明日香さん(25)は同園に通った一人で、「子ども時代の楽しい思い出が残る園舎で、一日一日を大切にしながら子どもたちと過ごしてきました。二重の思い出ができて良かった」と話す。

 戸巻園長(37)は「新しい場所に行く期待感と比例する寂しさがある。歴史が色濃く残る園舎で、最後の年に大勢の子どもたちの笑い声を響かせることができて良かった。この園舎に感謝しています」と話していた。職員は年末年始返上で引っ越し作業を行い、1月6日から、新園舎での保育がスタート。現園舎は年度内に解体される予定。(今井正一)



新年は気持ちよく 市内の美容室や洗車場で混雑

 2010年もあと1日。30日の函館は朝から晴れ間が広がり、市内のガソリンスタンドや美容室は、気持ち良く新年を迎えようとする大勢の市民で込み合った。

 港町1のガソリンスタンド「北海道エネルギー港SS」(三戸勝盛責任者)では、終日多くのドライバーが洗車や給油に立ち寄った。洗車機の前には常時3―6台の列ができ、時間をかけて丁寧に愛車の汚れを洗い落としていた。

 北斗在住の小泉教子さん(58)は「毎年車への感謝を込めて洗車に来ます。マイカーにもすっきりした気分で新年を迎えてほしい」、同店は「天気が良いとお客さんは多くなる。荒天でなければ31日が一番混雑するのでは」とみる。同店では31日も午後5時まで営業。新年は2日から。

 12月から連日大勢の客が訪れる本通1の美容室「ヘアースペースクラフト」(三橋理生代表)は、30日もカットブースが満席。スタッフ10人で手際よく作業を進めていた。同店では客側が年末の混雑を予想して中旬に予約が殺到。年末を前に駆け込む男性客も多いという。

 三橋代表は「1年間、教育やクリーンネスなどいくつかの分野でスタッフが力を合わせて頑張ってくれた。新年もお客様へのこまやかな気遣いを忘れずに、気持ちの込もったサービスを提供したい」と話している。同店は31日まで通常営業し、新年は3日から。(長内 健、堀内法子)



函館市の10月 生活保護 前年より増加

 函館市の10月の生活保護率は43.8‰(パーミル=人口1000人当たりの被保護者数)となり、前月(43.9‰)をわずかに下回ったものの、前年同月比では2.1ポイント増え、増加傾向に歯止めがかからない。渡島、桧山両管内の町でも、江差町が同2.6ポイント増加するなど、全体的に増加が続いている。

 函館市の保護率は、4月から9月にかけて5カ月連続で増加し、合わせて1.0ポイント増となった。9月の保護者数は同市にとって過去最多の1万2399人(前月比11人増)となっていた。10月の保護者数は、前月比13人減の1万2386人。一方で世帯数は、同14世帯増(8807世帯)となるなど、保護世帯の核家族化が進んでいることがうかがわれる。

 保護率は通常、受けやすい冬期(11―3月)には夏期よりも増加しやすい。函館市福祉事務所は「今回は保護者の若干の減少がみられたが、11月以降の保護者はこれを上回って増加している」として、一時的なものとする。

 隣接する北斗市でも、保護者数は前月比3人減の828人に対し、世帯数は同1世帯増加。わずかな動きではあるが、似た傾向がみられた。

 道南全体の保護率は、渡島が前年同月比0・7ポイント増、桧山は同1.4ポイント増で、いずれも増加傾向にある。

 全道の市での函館市の保護率は、これまでと変わらず3番目に高い。最も高い釧路は52.3‰、2番目の三笠は44.3‰。函館の後には歌志内(42.5‰)、小樽(40.1)‰と続き、全道の合計は28.8‰だった。(小泉まや)


電話で高齢者の安否確認 情報サービス会社「C&C」

 函館市中道にある情報サービス会社「C&C」(名平真社長)はこのほど、独り暮らしの高齢者に電話をかけて安否確認をする「安心電話サービス」を始めた。離れて暮らす家族になかなか会えない、仕事で忙しく電話を掛けることができないなど、身内の安否確認が十分にできない人のために企画したサービスで、同社は「心配している人のお手伝いができれば」と話している。

 同社は宅配ピザの受注、配達の管理、運営を行っている会社で、ネットワークの中核となるコールセンターで直接注文を受け、店舗へつなぐシステムを導入。安心電話サービスは、コールセンターのオペレーターが依頼主の親などに電話を掛けて健康状態を確認し、その様子を依頼主にメールで報告する。決まった曜日、時間帯にかけ、1回の電話で3―5分程度話し、伝言も受ける。

 名平社長自身、父親が脳梗塞(こうそく)で倒れたのを目の当たりにした経験があり、「高齢者の体調は1日で変わる」と痛感。サービスを立ち上げるきっかけとなった。社員の親など道内在住の高齢者4人をモニターとして実施したところ反応も上々で、実施に踏み切った。

 サービスは電話回数が週3回と週5回のコースがあり、料金はそれぞれ3カ月契約で月額2000円、同3800円。初回のみ登録料1000円かかる。高齢者自身の登録も可能。

 2回連続で留守、1日に3回連絡してつながらなかった場合は緊急事態とみなし依頼主に連絡する。

 名平社長は「将来的には、ネットワークを生かし、地域のニーズに応えたさまざまなサービスを提供していきたい」と話している。

 問い合わせは同社TEL0138・55・4450。(鈴木 潤)