2010年12月7日 (火) 掲載

◎うまいぞ乙部のキムチ 日韓プロジェクトで試食会

 【乙部】乙部産の農水産物を活用したキムチ生産や国内外での販路開拓を目指す日韓合同プロジェクトの一環として、本場・韓国から招いた技術者の指導を受けて試作したキムチの試食会が6日、乙部町商工会(三上岩雄会長)で行われた。

 住民や農漁業関係者ら約40人が参加した。11月25日に乙部入りした韓国・ソウル市の大手キムチ業者「百年土種参鶏湯」の朴良美社長の指導を受けて、町内の食品会社「はまなすフーズ」が試作した10種類ほどのキムチを試食。高橋則克局長ら桧山振興局の職員も食味の評価に協力した。

 参加者は日韓で生産された唐辛子やニンニクを使ったキムチを1種類ずつ試食。辛さや酸味などの感想をアンケート用紙に記入。同商工会などは集計結果をもとに商品化の参考とする。ハクサイやダイコンを使ったオーソドックスなキムチとともに、町内産のユリ根を漬けたものや、ニンニクや唐辛子の量を抑えた、日本では珍しい「水キムチ」もお目見え。参加者は「1種類ごとに味が違う。キムチの奥深さを感じた」と話し合っていた。

 高橋局長は「どのキムチもおいしく出来上がった。市販のキムチとは比べものにならない。国内にはない新しいキムチとして売り出すべき」と太鼓判。寺島町長も「安全安心な日本の食品は韓国で高い評価を受けている。日本人の味覚にあったキムチの開発と韓国への逆輸出も視野に応援したい」と、国際プロジェクトの発展に期待を示した。

 同プロジェクトは、馬渕悟道東海大教授が代表の「北海道MDブランド研究会」を中心に道内の産学官から幅広い人材が参画。キムチの世界展開を目指す韓国政府も支援に乗り出した。三上会長は「日韓プロジェクトの中で乙部町ではいち早く試作に乗り出した。原料を供給する地元の農漁業者にも幅広い波及効果がある」とし、できるだけ早い段階で生産技術を確立して商品化を目指す考えを示した。(松浦 純)



◎質の高いケア患者宅でも 五稜郭病院 在宅医療ネット導入

 函館五稜郭病院(函館市五稜郭町38、老松寛院長)はこのほど、在宅医療用の連携ネットワークシステム「Gネット・モバイル・フォー・ホーム・メディカル・ケア(Gモバイル)」を導入し、1日から運用を始めた。同病院の訪問看護師がネットワークの端末(パソコン)を持ち歩くことによって、患者宅に居ながら院内で管理している診療情報を閲覧でき、急きょ必要となった処置なども迅速に対応できる。

 同病院は2007年度から、他の病院とインターネット上で診療情報を共有するシステム「Gネット」を導入。このネットワークを在宅医療にも活用した。同病院では、在宅訪問センターの白川直子看護師、佐藤洋子看護師の2人が退院後、在宅で治療を続ける患者の看護に当たっている。

 訪問看護業務で課題となっていたのは、訪問宅で急に必要となった処置や診療情報への対応で、例えば、口頭で伝えにくい傷の状態や病状の場合、デジタルカメラで撮影したデータ(写真)を病院に戻って専門医に見せてから対処していた。

 システムでは、患者の自宅で検査結果や投薬の内容、画像情報を確認できるほか、デジタルカメラで撮影したデータを専門医や認定看護師の端末に送信でき、その場で指示を受けながら処置ができる仕組みとなる。改行 院内のシステムも整備し、訪問看護先から送信された情報は院内のどの端末からでも確認できるようになっている。

 白川看護師は「質の高いケアを迅速に行うためGモバイルを有効に活用していきたい」と話し、同病院は「地域の訪問看護ステーションとも連携構築を図っていきたい」としている。(鈴木 潤)



◎合併「しない方がよかった」旧う4町村57.6% 市職労が調査

 函館市役所職員労働組合(長谷川義樹執行委員長)はこのほど、市民と組合員を対象とした市町村合併に関するアンケート結果を発表した。旧4町村の市民のうち、「合併しない方が良かった」とした回答が57.6%に上り、肯定派(6.1%)をを大幅に上回った。

 2004年12月の合併から6年が経過し、06年、08年に続き3回目の調査。組合員1626人、市民1000人を対象に行い、組合員1037人(回答率63.8%)、市民424人(同42.4%)から回答を得た。

 市民に対して行った結果をみると、「合併しない方が良かった」と答えたのは旧市域11.8%にとどまったが、旧4町村では恵山地区の80・6%を筆頭に、戸井、椴法華、南茅部でも40%以上が回答している。

 合併して良かった点(複数回答)は「公共施設の整備」が9・9%で最多。「地域の連帯感」は旧市域で13.4%を占めたが、旧4町村地域ではいずれも1けた台。戸井、恵山地区では「環境衛生事業の整備・充実」がそれぞれ25.7%、33.3%と高かった。

 一方、悪くなった点(同)は「保健・医療・福祉サービス水準」の27.1%、「経済・産業の振興発展」が20.5%となっている。

 組合員では、合併の是非に関して「わからない」との回答が57・9%と最多。22%が「しないほうが良かった」を選んだ。今後の課題を問う設問では「予算・財政負担」が50%に達している。

 市職労は「旧4町村地域で地域の連帯が下がったと感じている人が増えている。合併に伴う要因なのか精査する必要があるが、いずれにせよ4支所地域が衰退せず、活力が感じられるような取り組みが必要」と分析している。(黒田 寛)


◎西尾市長が諮問 特別職報酬審議会に給料など

 函館市特別職報酬等審議会(委員10人)の本年度第1回会合が6日、市役所で開かれた。西尾正範市長は、市長・副市長の特別職給料と退職金、それに議員報酬の額について諮問した。新会長には敦賀敬之市町会連合会会長を互選した。

 現在の市長の月給は113万円、副市長89万円、議長63万円、副議長56万円、議員51万円。

 同審議会は1997年に引き上げて以来据え置きとする答申を続けているが、市は厳しい財政状況を踏まえ、2002年度から自主的に削減。昨年度からは市長20%、副市長10%に削減幅を拡大しており、実際の給料は市長90万4000円、副市長80万1000円。

 会合では、事務局の市総務部が全国の中核市(40市)や札幌を除く道内主要都市などの数値を示し、市との差異や退職金の算定数式を説明。委員からは今後の議論に向け、「各都市の市民の生活水準や市民1人あたりの所得を参考にすべき」との意見が出た。

 次回は今月下旬に開催して具体的な議論を行い、来年1月の答申を目指す。(千葉卓陽)


◎季節労働者が就活学ぶ 通年雇用促進協議会がセミナー

 季節労働者向け就活力向上セミナー(函館季節労働者通年雇用促進協議会主催)が6日、函館市湯川町1の花びしホテルで開かれた。約20人が参加。季節労働者を取り巻く環境の変化を学ぶとともに、今後の就職活動に向けた実践的なテクニックを身につけていった。

 季節の環境変化により年間を通して就業ができず、収入も不安定な場合が多い季節労働者の数は、ピーク時の1975年に全道で約30万人いたが、その後は減少を続けている。しかし函館市内には2009年の時点で3826人(函館公共職業安定所調べ)いるため、同協議会では、より安定した生活を送ることができる通年雇用へ向けた支援に力を入れ、労働者および経営者を対象としたセミナーや技能講習会などを開催している。

 この日はキャリアアドバイザーの志田浩一郎氏を講師に招いた。志田氏は、国内で厳しい経済状況が続く中、企業側が少数精鋭と個人の専門性を重視した即戦力型の人材を求める傾向が増えていることを指摘。「まずは自分自身をよく知って、自分が何をできるのか、どんな能力があるのかを再確認することが大事。就職活動の際の応募書類や面接の中でも、しっかりとアピールポイントを強調することができるように」と訴え、具体的な履歴書の書き方や面接におけるテクニックなどを伝授していった。(小川俊之)