2010年12月9日 (木) 掲載

◎遺愛女子高生がキャロリング

 遺愛女子高校(福島基輝校長)の有志50人が8日、市内の3カ所で、クリスマスの喜びを歌で届けるキャロリングを行った。「きよしこの夜」や「もろびとこぞりて」などの賛美歌や「あわてんぼうのサンタクロース」など約10曲を披露した。

 毎年クリスマスに合わせて行っている。ことしは遺愛幼稚園(元町)とJR函館駅、函館共愛会愛泉寮(中島町)を訪問した。有志を募ったところ、3年生約50人が参加した。

 このうち函館駅では、改札前のコンコース中央に設置されたクリスマスツリーを前に整列。のびやかな歌声を披露した。駅を利用する観光客や通勤者、折よく改札を出てきた人たちは、吹き抜けのあるホールいっぱいに響く優しい歌声を、足を止めて聞いていた。

 昨年に続き2年目の参加となった八木橋祥子さんは、「たくさんの人に聞いてほしいと思いました。また歌えてうれしい」と話していた。(小泉まや)



◎縄文センター「直営」で、多賀谷教育長が考え示す

 函館市議会の第4回定例会は8日から一般質問が始まり、5氏が登壇した。この中で多賀谷智教育長は、市内臼尻町で建設中の縄文文化交流センターの運営に関し、当面は業務委託を活用しながら、直営とする考えを示した。道内唯一の国宝「中空土偶」の展示など、業務の専門性が高いことから判断したもので、多賀谷教育長は「運営が軌道に乗るまでの間は直営とし、業務委託を活用したい」と述べた。

 佐々木信夫氏(市民クラブ)の質問に答えた。

 同センターは市が総事業費(土地や設計含む)約6億7700万円をかけて建設を進めており、来年秋のオープンを目指す中で運営方法の検討を進めていた。

 多賀谷教育長は、施設のセキュリティーや維持管理を業務委託する一方、展示や普及活動などは直営とする考えを示した。センターの具体的活用策は、市教委のほか観光コンベンション部、農林水産部、南茅部支所で構成し、副市長をトップとするプロジェクトを来年6月をめどに立ち上げ、垣ノ島遺跡、大船遺跡など南茅部地区の遺跡群を地域振興、国際交流の拠点とする意向。

 佐々木氏は、同センターが地域振興に大きく貢献するという観点から「入館料を低く抑えるか、無料にできないか」と質問。教育長は、同じく国宝に指定されている土器が展示されている全国各地の博物館各施設の入館料を示すとともに、「国宝を展示することや管理運営にも多大な費用がかかる。適切な入館料を徴収したい」と述べた。

 一般質問にはこのほか、浜野幸子氏(新生クラブ)福島恭二氏(民主・市民ネット)松宮健治氏(公明党)高橋佳大氏(共産党)が登壇した。(黒田 寛)



◎官製談合、西尾市長があらためて陳謝

 函館市の西尾正範市長は8日、戸井支所発注の市営住宅機械設備工事をめぐる官製談合事件で、水道局東部営業所長(59)が官製談合防止法違反の疑いで逮捕され、後に自殺したことについて「皆さまに大変なご心配をおかけし、心よりおわび申し上げる」と、あらためて陳謝した。

 市長は市議会一般質問の冒頭で「職員が逮捕され、翌朝死亡したことは大変な衝撃であり、非常に残念」とした。その上で、2008年2月の入札翌日に談合情報が寄せられ、戸井支所が入札に参加した7社に事情聴取を行い、1社は「談合の働きかけがあったが加担しなかった」とし、6社と死亡した所長(当時戸井支所建設課長)が否定したため、誓約書を提出させ、落札業者と契約を結んだ—との経過を説明。「職員の法令順守を徹底し、公平公正な行政運営に全力を尽くす」と述べた。

 一般質問では、高橋佳大氏(共産党)が「過去に官製談合は存在したのか」と質問。片岡格財務部長は「記憶の限りではない」と答弁したが、事件の詳細については「12月3日の家宅捜索で関係資料が押収されており、申し上げられない。警察の捜査の進展を見守りたい」と述べるにとどまった。

 また、浜野幸子氏(新生クラブ)は来春の市長選に対する考えをただした。同市長は「誰もが助け合う安心した地域づくりが必要」などと述べたが、自身の出馬については明言を避けた。(千葉卓陽)


◎知内産ニラ10億円突破

 全道一の生産量を誇る知内産ニラの今年の販売額が初めて10億円を突破した。知内町ニラ生産組合(石本顕生組合長、74戸)は8日、函館市内のホテルで記念式典と祝賀会を開き、生産開始から約40年かけての悲願達成を喜び合った。石本組合長(57)は「2年後の12億円突破を目標にこれからも頑張っていきたい」と話している。

 知内産のニラは、甘みがあり、葉の幅が広く肉厚なのが特長。1971年、町内の農家8戸で生産を開始。75年に同生産組合が発足した。97年にブランド名を「北の華」として販売、販路を拡大してきた。また、結束テープに生産者番号を明記するなど品質管理を行ってきたほか、味の良さから消費者や市場関係者から高い評価を集め、全国的なブランドに成長した。

 販売額は2000年に5億円、07年に8億円の大台を突破した。今年は猛暑の影響で年間生産量は1661トンと昨年より減少したが、価格の上昇で販売額は10億6750万円となった。

 この日開かれた記念式典には生産者や関係者約130人が出席。石本組合長はあいさつで「10億円は一つの区切り。安心、安全をモットーに次の目標に向かって『北の華』を作り続けたい」と述べ、気持ちを新たにした。また、脇本哲也知内町長も「組合員が心をひとつにして取り組んだ大きな成果。10億円は通過点であり、今後も良質なニラの生産を期待している」と祝辞を述べた。(松宮一郎)


◎緑化活動啓発コンクール作文部門で齊藤、日向さん入賞

 公益社団法人北海道森と緑の会(札幌)が主催する、本年度の「緑化活動啓発作品コンクール」作文部門で、函大付属柏稜高校2年の齊藤仁美さん(16)が優秀賞、3年の日向綾華さん(17)が佳作に選ばれた。2人は「この受賞を機会に一層、古里の自然を大事にしたいという気持ちになった。緑化活動に積極的に参加していきたい」と喜んでいる。

 同コンクールは作文、ポスター、標語の3部門があり、本年度は全道の小中高生から358点の応募があった。

 齊藤さんの作品は、緑の羽根募金や高校で取り組む植樹活動に触れ、「住みやすい環境になればなるほど、多くの緑が失われている。一度失った自然を再びその場所によみがえらすことは簡単ではない」と指摘。「問題解決には同年代や小中学生らに緑の大切さを伝えていく、理解してもらうことが大切だと考えている」と結ぶ。

 日向さんは、終戦記念日に家族で交わした会話が題材。戦争で人間と自然が破壊された悲惨な過去を振り返り、「現在は、地球温暖化という人為的な自然破壊が進んでいる。私たちは自然の中で生かされているということを忘れなければ、ともに生活していける方法を考えていくことができるはず」と強調している。

 同校で7日、表彰状伝達式が行われ、渡島総合振興局林務課の大和田収主幹が2人に賞状と記念品を伝達した。作文の入賞は、渡島・桧山両管内では同校の2人だけ。(田中陽介)