2010年1月1日(金)掲載

◎函館アコーディオンクラブに新星登場 未来大1年の伊藤さん、東頭さんが加入

 函館市内近郊の病院や福祉施設、保育園、町会などでボランティア音楽会を開き、多くのファンを持つ「函館アコーディオンクラブ」(原惇代表)に、この冬、若者2人が加わった。公立はこだて未来大学1年生の伊藤有紗さん(18)と東頭(とうどう)伶衣さん(18)。期待の新星登場に、原代表(72)らメンバーは大喜びで、2人も「たくさん練習して早く堂々と演奏できるようになりたい。演奏会でみんなに喜んでもらいたい」と張り切っている。

 2人は、昨年のクリスマス直前にメンバー入り。「何か人を楽しませることに夢中で取り組みたい。自分ができる多くの人の幸せづくりをしたい」と門戸をたたいた。

 仲間入り後、数日後にはクリスマス音楽ステージが迫っていた。ともにアコーディオンを演奏するのは初めてだったが、「頑張ればできるはず」と猛練習で臨んだ。

 その様子に原さんらが感激し「2人の息はぴったり。アンサンブルでやってみたら魅力は倍増するのでは」とクラブ内の新チーム結成を提案。命名しようと、話は弾み、「命名、命名。何にしようか。めいめい、めい…」―。悩んだ末、言葉の響きから「MEY(メイ)」に決めた。

 12月23日夜に市内船見町の「カフェモーリエ」で行われたクリスマスコンサートでは「赤鼻のトナカイ」を演奏。ギター伴奏に軽快な音色で合わせ、大勢の客も拍手で2人を盛り上げた。

 クリスマスの25日には、原さん、2人のメンバー入りを誘った湯谷しのぶさんとともに函館神山保育園を訪問。「きよしこの夜」「ジングルベル」「雪やこんこ」などを踊りつきで披露し、大勢の子どもたちを喜ばせた。

 このステージの最中、まだ演奏できない場面もあったが、2人はにこにこと優しい表情で手拍子を打ち、園児の笑顔と歌声を誘った。

 演奏会が終わると、園児が大きな声で「どうもありがとう」。だれから言われるでもなく、自然な流れで子どもたちの口から感謝の言葉がメンバーに発せられた。

 伊藤さんは「目を輝かせて演奏を聞いてくれる子どもたちの姿を見て、心から幸せな気持ちになれた」、東頭さんは「会場全体で楽しさや感動を味わえる喜びを感じた。充実した時間だった」とにっこり。原さんは「短期間でここまで頑張ってくれるとは」と驚き、「若さという情熱と何事も楽しみながら真剣に励む姿勢が2人にはある」とほめる。心強い新メンバーが加わり、函館アコーディオンクラブは2010年も活動を充実させる。(田中陽介、黒田寛)



◎北斗市長選 新人2氏激突、七飯町長選は3氏名乗り

 今年の道南の選挙は、渡島管内で2月に北斗市長選、3月に七飯町長選、7月に長万部町長選が行われる。福島町長は2011年1月中旬に任期満了となるため、年内に町長選が行われる可能性もある。桧山管内では5月に上ノ国町長選、7月に江差町長選が行われる。

 注目は、北斗市長選と七飯町長選。両市町とも函館市に隣接し、同じ函館圏域として道南の行政、経済、産業、観光などで中心的な役割を果たしているだけに、道南地域の将来像を占う上でも重要な選挙となる。

 北斗市では旧上磯町時代から9期35年にわたり首長を務める海老沢順三市長(77)が昨年11月、今期限りでの引退を表明。市長選には海老沢市長が後継指名した前副市長の高谷寿峰氏(57)と、北斗市議の山本正宏氏(65)がともに無所属での立候補を表明。新人同士による選挙戦が確実な情勢だ。

 高谷氏は市役所OBらを中心に後援会組織の立ち上げを進めており、近く事務所開きする。海老沢市長の後援会も支持に回る見通しで、北海道新幹線開業を見据えた新しいまちづくりや農水産、商工業の振興など9項目の公約を掲げ、40年の行政経験を訴え支持拡大を狙う。

 山本氏は旧上磯町長選を含め連続4回目の挑戦。海老沢氏が去就を明らかにする前から水面下で態勢を整え、前回の市長選の後援会組織を基盤に支持拡大を図る。「政治のスペシャリストか、行政のスペシャリスト」と争点を掲げ、市政刷新を訴える。

 七飯町長選は現時点で現職の中宮安一氏(55)、元七飯町職員の石田広紀氏(61)、元七飯町議会議長の松田朝治氏(75)の3人が名乗りを上げている。

 2選を目指す中宮氏は昨年9月の町議会定例会で立候補を表明、連合渡島などの推薦を受けた。保育所・子育て支援センター整備・充実や民間資金を活用した図書館整備など7項目にわたる公約を掲げ、1期目の実績を訴える。

 石田氏は昨年10月に後援会組織を立ち上げ、出馬表明。高校までの医療費無料化や消防庁舎の建て替えなど8項目の公約を掲げる。鳴川に事務所を構え特定の政党、団体の支持を受けない草の根の運動を展開し、支持を広げる。

 松田氏は昨年11月下旬に出馬する意向を固め、峠下地区に事務所を構えた。町議時代の支援者とともに独自の戦いをするとみられる。

 桧山管内では、上ノ国町長選で現職の工藤昇町長(56)が、昨年12月の定例町議会で3選出馬を表明した。これまでに工藤氏以外に立候補に向けた動きはみられない。2期目までに財政再建や町の行政改革を推進した工藤氏は、3期目の課題に産業基盤の強化を挙げている。

 江差町長選では、2期目の濱谷一治町長(64)が、昨年12月の定例町議会で3度目の立候補を正式表明。濱谷氏以外に出馬の動きはみられないが、2期連続の無投票当選に異を唱える声もあり、今後の情勢が注目される。2期目は農漁業振興や檜山支庁存続運動をはじめ、トヨタグループなど大手企業へのトップセールスを進め、企業誘致や地場産品の販路拡大などの産業活性化対策にも取り組んでいる。



◎「春」目指し、受験生は年末も猛勉強

 私立中・高の入試を間近に控えた小中学生が通う学習塾では、年の瀬にもかかわらず受験対策講座が開かれた。北大学力増進会は31日、3日間の「正月特訓講座」をスタート。道南では、函館・北斗市内の4会場で合わせて約210人が参加した。

 このうち函館市本町の五稜郭会場では、7日の道教育大学附属函館中学校、9日の函館ラ・サール中学校の入試に臨む約100人が猛勉強。「必勝・合格」と書いた鉢巻きをしめ、演習問題に取り組んだ。

 ラ・サール中を目標にするクラスでは午前・午後を通して講座が開かれ、講師が「せっかく休日返上で勉強するので、集中しましょう」と呼び掛けた。同クラスの上杉宗史君(函館高盛小6年)は、「当日に向けてもう少し頑張ります」と気合十分の様子だった。(小泉まや)