2010年1月18日 (月) 掲載

◎函館市成人祭、2508人が大人の仲間入り

 成人の日の11日、第62回函館市成人祭(市、市教育委員会、実行委主催)が同市湯川町の函館市民体育館で盛大に開かれ、「平成生まれ」が大人の仲間入りを果たした。新成人約1800人が華やかな振り袖や羽織はかま、真新しいスーツに身を包み出席。今後に希望や責任感を抱きつつ、晴れやかな表情で節目の時を迎えた。(山田孝人)

 函館市のことしの新成人該当者数は、1989年4月2日から、90年4月1日までに生まれた2508人(昨年11月1日現在)。男性1263人、女性1245人で昨年より308人減少した。渡島(2市9町)、桧山(7町)管内では渡島が3832人、桧山が319人。全道では推計で約5万3000人、全国では127万人。

 式典で西尾正範市長は「友達や家族を大事に素晴らしい幸せな人生を送ってください。つらいことや悲しいことがあった時には、みなさんが生まれたこの函館を思い出して元気に過ごしてほしい」と激励した。新成人を代表して函館大学2年の小田島貴俊さんと公立はこだて未来大2年の青山結さんが「先人が築き上げ、培ってきた地域の文化や伝統をこれからも守り創造し、愛する郷土である函館市の発展に努めます」と誓いの言葉を述べた。

 続いて行われた祝賀行事では、電化製品が当たる抽選会や、懐かしい思い出の給食「あげパン」が配られた。南茅部地域のタイムカプセル返還コーナーでは、臼尻、尾札部の両中学校出身者が在学時に書いた「20歳の自分への手紙」が返され、当時を思い出し笑顔で目を通していた。

 式典中、会場内は私語などでざわつく場面はあったが、目立った混乱はなかった。



◎みんぱくフェア、アイヌ文化に興味津々

 財団法人アイヌ民族博物館(胆振管内白老町)などが主催する「アイヌみんぱくフェアinはこだて」が11日、函館市若松町の市総合福祉センターで行われた。参加した市民はアイヌの代表的な楽器「ムックリ」製作や古式舞踊体験などを通じ、アイヌ文化の魅力に触れた。

 同博物館が本年度初めて取り組む移動博物館事業の一環。アイヌの歴史や文化について理解を深めてもらう狙いで、この日は同博物館のスタッフ25人が来函した。

 前半行われたアイヌ文化ワークショップには市民約60人が参加。スタッフからアドバイスを受け、約1時間掛けてムックリを作ったり、アイヌ文様刺しゅうを体験した。ムックリ作りの参加者は完成した楽器を使って演奏にも挑戦し、何度もひもを引いて音を響かせようと奮闘する子どももいた。

 後半はスタッフによるアイヌ古式舞踊公演が行われ、美しい民族衣装に身を包んだスタッフがステージで「カムイノミ(神への祈り)」や「イヨハイオチシ(即興歌)」「イヨマンテリムセ(熊の霊送りの踊り)」などを次々と披露すると会場から大きな拍手が沸いた。最後は市民も輪踊りに加わり、一緒に踊って楽しいひとときを過ごした。

 ムックリづくりに参加した函館神山小2年の久保碧海さん(7)は「削るのが難しかった。ムックリの音はあったかい感じがする」、牧野愛梨さん(8)は「完成してうれしい。早く演奏してみたい」と喜んでいた。(新目七恵)



◎市の広告収入、初の1000万円超

 函館市が実施している広報誌や各種刊行物、ホームページ(HP)などへの広告収入が08年度、1035万円に達し、初めて1000万円を超えた。本年度の収入も前年度並みとなる見通しで、財政難の中で貴重な収入源として機能している。一方で市長部局での導入に関して検討を進めていた公共施設の命名権売却(ネーミングライツ)は、長引く不況の影響やニーズ面などを考慮し、行わない方針だ。

 広告収入事業は自主財源の確保を目的に2006年度から開始した。市財政課によると、初年度は市民生活のしおり、納税通知書用封筒、ごみ収集カレンダーとHPの4媒体で実施し、350万円の収入があった。

 07年度以降、広報誌「市政はこだて」や職員の給料袋、啓発冊子「エコライフのすすめ」などへ順次拡大し、現在は11媒体で展開。中でも広報誌は08年度346万円、HPは同383万円で、この2媒体だけで収入の7割以上を占める。ごみ収集カレンダーも各家庭で見やすい場所に貼り付けるケースが多いため、応募する企業が多いという。

 公共施設のネーミングライツは交通局が06年度から導入し、電停の「魚市場通」に「函館信金本店前」、「五稜郭公園前」に「野村證券前」などの副呼称を付け、3カ所で実施している。市は財源確保の面で有効な手段とみて市長部局での導入も検討してきたが、札幌など大都市圏でも応募がなかったり、仮にあっても1社にとどまるなど苦戦する現状を受け、行わない考えだ。

 市財政課は「広告収入に利用できる媒体も限られているが、不況で各企業も広告費を絞っている。財源確保の新たな方策も考えていきたい」と話している。(千葉卓陽)


◎陣川温泉PG場、そり遊び人気

 函館市陣川町122の「陣川温泉」敷地内のパークゴルフ場(PG)では冬期間中、子どもたちを喜ばせるそり遊び場を設けている。10―20度の斜面、100メートルほどの坂道で「速いスピードが最高。何回滑っても面白い」と幼児や児童の歓声でにぎわっている。

 安全かつ豪快に、冬遊びを満喫してもらおうと、コース一部を無料で開放している。冬休みに入ってからは親子連れの姿が目立つようになり、4日の来場者は今季最高の100人、10日も72人と人気スポットとなっている。

 市街地から小高い場所にあり、比較的雪質もいい。近くに休憩所があり、トイレや暖を取ることもできる。

 10日に父親と妹と一緒に来場した神山小3年の久末龍征君(9)は「そりで滑って楽しんでいると体が温まる。きょう思い切り遊んだので、明日からは宿題を頑張る」と話していた。

 室内PGで来場を受け付ける。貸し出し用のそり10台を用意しているが、持参を呼びかけている。スキー・スノーボードの利用は禁止。監視員はいないので、保護者同伴の利用を。

 時間は午前9時―午後4時。問い合わせは同PGTEL0138・54・5505。(田中陽介)


◎熱帯植物園で桜の小枝づくり体験

 函館市営熱帯植物園(湯川町3)で11日、立春と旧正月を祝う2月7日の「春節祭」で来場者にプレゼントする、桜の小枝づくりの体験会が行われた。市内の親子が参加し、きれいな花を咲かせようと作業に取り組んだ。

 毎年この時期の恒例行事。小枝づくりとは、春節祭のころに咲き始めるソメイヨシノをより美しく咲かせようと、花芽を残して葉芽を切り落とす剪定(せんてい)作業のこと。用意された約800本の木を職員と親子約10人で1時間掛けて準備した。

 子どもたちは使い慣れない剪定ばさみとのこぎりを使っての作業に四苦八苦。切り落とす場所にのこぎりで溝がついていても、思うようにいかず苦笑いする子どもも。それでも親子で仲良く作業が進められ、終始和やかな雰囲気が漂っていた。

 参加者には職員の坂井正治さん(72)から「適度な湿気を与えないと乾燥で花がダメになる」とアドバイスとともに枝木が3本贈られ笑顔で受け取っていた。(小杉貴洋)