2010年1月13日 (水) 掲載

◎中央病院内にローソンがオープン

 函館中央病院(函館市本町33)の1階に12日、コンビニエンスストア「ローソン」が開店した。一般商品に加え、院内の暮らしを支える生活必需品を多くそろえる「ホスピタルローソン」で、道南初出店。待望のオープンに大勢が訪れ、にぎわった。

 店舗は、病院南棟1階エレベーター前にある。正面玄関の左側一角、面積116平方メートル。車いすなどでも利用しやすいよう、通路を1・2―1・8メートルと通常店舗より幅広く設計している。

 院内には従来から、売店とコーヒーショップ各1店(引き続き営業)があるが、市内有数の大規模病院であることから「大勢の来店に柔軟に対応できる環境を。さらに便利な店を」と要望が多く寄せられていた。

 また、銀行などの現金自動預払機(ATM)はあるものの、休日は利用できなかった。新店舗のATMは年中無休。宅配便や公共料金の支払いもできることから、多忙な医師や職員らの福利厚生の充実も期待される。

 12日は午前7時の開店とともに終日、客が絶えず、特に正午の時間帯が混雑した。店舗横には病院側がテーブルといすを置く飲食コーナーを用意している。

 買い物後、飲食コーナーを利用した調理師の森田吉郎さん(29)は「入院中の上司と仕事の打ち合わせで来た。ローソンは、病院全体のサービス向上を感じる」と話していた。

 営業時間は午前7時―午後10時。無休。(田中陽介)



◎靴店で滑り止め加工注文相次ぐ

 年明けからの大雪で歩行者の転倒事故が心配される函館市内。凍結路面などの悪路に、市内の靴店では滑り止め加工の注文が相次いでいる。雪道を安全に歩くためのアドバイスや、人気の商品について各店に聞いた。

 丸山靴店(松風町6、丸山雄一社長)では昨年12月20日ごろから、多い日には1日8足ほどの加工注文を受ける。「雪質に合った滑り止めを選ぶことが大切」と丸山社長。シャーベット状の雪上を歩くときは硬いゴムの材質、氷上はガラス繊維を使用したもの、深い雪の場合は柔らかい材質のものが適しているという。

 同店では希望する素材や靴のサイズ、形態に合わせ、靴底の部分を交換してくれる。価格は2000円前後からで、市民だけでなく、観光客からの注文も多い。もともとガラス繊維が底に施された靴は1万6000円前後からあり、こちらのほうは市民が購入するケースがほとんどだ。

 ミワ靴店(松風町11、三輪徹雄社長)では、早朝出勤する製造業従事者や深夜に帰宅する飲食店関係者などがゴムバンド製で着脱可能な滑り止め(1680円)を買い求めることが多いという。また、靴底に打ち込む金属製のピン(1本100円、取り付け料込み)は坂道の多い市内西部地区の市民に人気。

 同店では、年明けから着脱式滑り止めや加工注文が増えた。ツルツルの歩道などで例年になく神経を使うが、三輪社長は「転んでけがをしてから靴を買いに来た客もいる。道路状況に合わせて早めの用意を」と呼び掛けている。(黒田 寛)



◎実質公債費比率17.9パーセント…桧山管内08年度普通会計決算

 【江差】桧山管内7町の2008年度普通会計決算によると、歳入に占める借金返済額の割合を示す実質公債費比率は、全道町村平均を0・4ポイント上回る17・9%だった。同比率は江差町が自治体財政健全化法で定める早期健全化基準(25%)を超える28・6%に達したが、他の6町は基準内にとどまった。

 管内7町の普通会計決算は、実質公債費比率、経常収支比率などの財政指標のほか、地方債や積立金の残高でも各町間の財政的格差が拡大。町の独自事業や医療・福祉分野などの行政サービスの内容や質をめぐる格差も拡大する傾向にある。

 財政破たんの“黄信号”に当たる早期健全化団体の指定を受けた江差町は昨年12月、同法で義務付けられた個別外部監査の結果を公表。本年度内に財政健全化計画を策定する。奥尻町は07年度よりも4・3ポイント低下した20・4%。せたな町も1・0ポイント減らして21・8%だった。

 地方債(借金)の残高は旧3町の借金を引き継いだせたな町は141億2051万円。江差町は88億3901万円で、07年度には100億円を超えていたが、08年度には80億円台に圧縮した。奥尻町63億1193万円、上ノ国町61億5583万円、今金町58億6760万円、乙部町44億2370万円、厚沢部町27億9964万円だった。

 積立金(貯金)残高は、今金町29億8913万円、厚沢部町29億2505万円、乙部町24億8786万円と、3町が20億円台を超えた。行財政改革を進めている上ノ国町も19億6110万円に上った。せたな町は17億5855万円で、江差町は6億8872万円と低く、奥尻町も2億6618万円にとどまっている。

 一般財源に占める、人件費や借金返済などの義務的経費の割合を示す経常収支比率は7町平均で83%。道内町村平均を3・7ポイント下回った。借金返済がピークを迎えている江差町が92・5%でトップだった。(松浦 純)


◎「海炭市」オーディションに応募120人

 函館出身の作家、佐藤泰志の遺作「海炭市叙景」の映画製作で、7日に締め切った市民オーディションの応募総数は約120人に上った。道内外のほか、遠くは中国・上海からも申し込みがあり、菅原和博製作実行委員長は「作品にさまざまな人が思いを抱いていた」と驚いている。実行委は映画に出演するネコも探しており、「でっぷり太った人見知りしないネコを募集中」と呼び掛けている。

 映画は函館をモデルにした「海炭市」に生きるさまざまな市民の人生の断片を描き、加瀬亮さん、小林薫さんらの出演が内定している。市民オーディションは熊切和嘉監督の発案で昨年末から参加を呼び掛けたところ、約10日間の期間中に100人を超える応募が殺到した。函館市内のほか、道内や大阪、東京、神奈川などからあり、年齢層は小、中学生や主婦、退職者らなど幅広い。中には親子応募もあったという。

 応募動機を書く自己アピール文には応募者が人生を赤裸々につづったり、作品への熱い思いをまとめた内容が多く、菅原委員長は「『生きる意味を映画で見つけたい』などの強い思いが伝わる文面が多く、小説が映画だけでなくさまざまな広がりがある作品だとあらためて実感した」と話している。

 面接オーディションは17日に市内で行う予定。熊切監督らは12日から来函し、各地でロケハンを行っている。

 募集しているネコは、原作と同じように産業道路沿いに住むトキ婆さんの飼いネコ役。7、8歳程度で種別は問わない。問い合わせ、申し込みはアイリスTEL0138・31・6761(午前11時―午後2時)か事務局(nisibori@ms7.ncv.ne.jp)まで。(新目七恵)


◎利用量削減や新規掘削の抑制…函館市温泉資源保護指針素案まとまる

 函館市は、温泉資源の保護や適正利用のあり方を定めた「函館市温泉資源保護指針」の素案をまとめた。検討した「函館市温泉資源懇話会」(雁沢好博座長)の提言を受けた内容で、市内・近郊の温泉資源について、利用量の削減や見直し、新規掘削の抑制を行うことで、保護を求めるなどの内容。2月5日までパブリックコメント(意見募集)を実施する。

 同懇話会が5月に提言し、これを受けて市立函館保健所がまとめた。温泉資源保護に向けた取り組みとして@温泉資源利用状況の把握A利用量の縮減B新規温泉掘削の抑制C温泉資源保護に関する情報発信D温泉資源の有効活用の推進・研究―を掲げる。

 掘削抑制では、特に湯の川温泉で資源衰退がみられることから、新規掘削を制限する道の「温泉保護地域」の指定域拡大を道と連携しながら進めることを明記した。道が新規掘削を許可する場合には、周辺源泉への影響調査実施や、測定機器の整備を義務付けるよう要請することなどを盛り込んだ。

 同保健所生活衛生課は「温泉は限られた資源」と強調。「保護に対する理解を深めて興味を持ってほしい」と話し、市民の意見を募っている。

 素案や意見書は同課のほか、市役所や各支所の窓口で配布中。同保健所のホームページ(http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/hokensyo/)でも内容を公開し、意見を受け付けている。問い合わせは同課TEL0138・32・1521。(小泉まや)