2010年1月15日 (金) 掲載

◎野菜 高値…寒波の影響 葉物中心

 昨年末までの暖冬などで下落傾向が続いていた野菜の価格が、年末年始からの寒波の影響で高騰している。函館市内のスーパー各店ではキャベツやレタスなどの葉物野菜を中心に、昨年同期より平均2割程度の高値。不況による買い控え傾向が強まっていた時期だけに、各店は「売り上げの落ち込みが心配」と、天候によるダブルパンチを警戒している。

 道南大手のスーパー魚長青果本部(函館)では、昨年の同じ時期に1個158円で販売していたレタスが200円前後、同198円だったキャベツが258円に、それぞれ値上げを余儀なくされている。また、市内のほかのスーパーでもホウレン草が以前の2倍近くの200円前後で店頭に並ぶ。同店の青果担当者は「店の信用を考えて本州産の新鮮なものを仕入れると、どうしても高くなってしまう」と悩みを打ち明ける。

 一方、コープさっぽろ函館物流センターでは現在も、関東産野菜の価格と売り上げは例年通りという。ただ、「関東圏の天候不順で来週以降は値上がりするのでは」と予想。テーオーストア本部(函館)でも今週末からにも価格変動が起こると見ている。

 市内の女性(72)は「今はキャベツが小ぶりになっているが、値段は以前と変わらない。これ以上高くなると買うのをためらう」という。一方で、価格面以外の配慮をスーパー側に求める声も。市内の主婦(64)は「夫婦2人暮らしでは大きい野菜を買っても使い切れずもったいない。カットするなどもっと少量の野菜を充実してほしい」と話す。

 葉物以外でも価格の高騰が心配される野菜もある。函館市農林水産部市場課によると、大根や長ネギ、タマネギなどにその傾向が強く、担当者によると「店頭での価格は今後の天候次第」としている。(黒田寛、小杉貴洋)



◎野鳥からサクラ守れ…町、ウソ対策会議「血脈桜」に網

 【松前】松前町のシンボル、サクラを野鳥ウソの食害から守ろうと、町とウソ対策会議は14日、松前公園内の光善寺にある名木「血脈桜(けちみゃくざくら)」を網で覆う作業を行った。町と同会議などは今後、ほかの木にも防鳥器具を取り付けるなど、サクラを守る取り組みを行う。

 血脈桜は高さ約8メートル、枝から枝の間が約12メートル。昨年12月末に周囲に足場を組み、網で覆う準備をしていた。この日はあいにくの吹雪となったが、町職員や同会議のメンバーら15人が足場に登り、36メートル×18メートルの農業資材の網を取り付けた。網で木を覆うのは、町内では初めての取り組み。

 町では「効果を見て来年以降も継続するか判断する」と話している。

 また、公園内を巡回してウソを追い払うボランティアも募集しており、現在、町民ら約40人が参加する予定となっている。25日から3月下旬まで公園内をパトロールする。

 ほかにも、血脈桜以外のサクラの木を守るために、テープやバルーンなどの防鳥器具の取り付けを31日から実施。巡回と器具の取り付けは、同会議や町職員、ボランティアが行う。

 ウソはサクラの花の芽を食べ、昨年は花見時期に花が咲かないなどの被害があった。この冬も12月末ごろから確認されており、例年2月ごろに食害が最も多くなり、特にソメイヨシノや南殿の花の芽の被害が多いという。(松宮一郎)



◎寒さ一段と…函館で氷点下7.9度

 本道上空に強い寒気が入った影響で、14日の道南は厳しい冷え込みと吹雪になった。正午までの最低気温は長万部氷点下12.7度、松前同7.2度、江差同7.0度で、今冬で最も低かった。

 函館でも同7.9度まで下がった。函館海洋気象台の速報値によると、1月上旬の函館の平均気温は同0.4度で、平年の同2.2度より1.8度高かった。中旬に入ってからは最低気温が同5度以下になっており、真冬の寒さとなっている。

 降雪量は、長万部で13日午後2時から14日午前4時までの降雪が15センチとなり、11月からの降雪量は2メートルを超えた。このほか、14日までに渡島、桧山で同期間の降雪量が2メートルを上回ったのは函館、今金、厚沢部町鶉、八雲町八雲、福島町千軒。

 函館市内の道路では、除雪で積み上げられ、汚れていた雪の上に、真っ白な雪が降り積もった。市内大手町の主婦は「雪がこれ以上積もる前に、早くこの(雪の)壁をなんとかしてほしい」と話していた。(山崎純一)


◎冬の味覚 ゴッコ並ぶ

 見てくれは悪いが味はいい魚「ゴッコ」が、函館市内の市場に並び始めた。正式名称は布袋魚(ホテイウオ)。でっぷりとした体つきから七福神の布袋様にあやかった縁起物という。ぷるんとした独特の食感と濃厚なうまみで人気上昇中だ。

 ゴッコは深海魚。産卵のため、この時期に沿岸に近づき、腹部の吸盤で岩にくっ付き、卵を産む。戸井や恵山地区が好漁場として知られる。

 長年、地元漁師の食卓のみに並ぶ珍魚として扱われてきたが、近年は道南を代表する冬の味覚に成長。ゼラチン質の皮や身、歯ざわりのよい卵のおいしさが広く定着している。

 はこだて自由市場(新川町1)の照井鮮魚店(照井孝二店長)では、昨年末から店頭に。照井店長(58)は「雌は卵、雄は食べ応えのある身が特長。鍋料理、フライ、バター焼きなどどんな料理にも合う」と太鼓判を押す。

 市場関係者によると、14日現在の価格は、1、2キロでオス500円前後、メス1500〜1800円だが、水揚げが落ち着く今月下旬から2月ごろには値段も落ち着くという。また、市場にはすぐ鍋物などにできるようにさばいたものもある。(田中陽介)


◎函館市の公用自転車利用好調…9カ月で2150キロ

 函館市が本年度から導入した公用自転車は、4月から12月までの9カ月間に5台分で約2150キロ利用された。駅前方面や駐車しにくい本町方面での利用が活発で、6月には1カ月間に400キロを超える利用があった。市総務課は、少ない投資で小回りが利く交通手段として、今後も保有台数を増やす考え。

 4月から5台導入した本庁舎では、5台合わせて4月に160キロ、5月は227キロ、6月は410キロ、7月は389キロ、8月は309キロ、9月は321キロ、10月は184キロの利用があった。夏場の利用が特に多いが、降雪が少なく路面が出ていたため冬期間も利用が進み、11月は98キロ、12月も44キロ使われた。

 この5台分で節約されたガソリン代は、距離数から単純に計算すると約2万6000円(1リットル「当たり120円で、10キロ走行できると仮定)。同課は「金額にすると多くはないが積み重なると多額になり、二酸化炭素の抑制効果もある」として、今後も利用を推進する方針だ。

 本庁舎のほか、亀田福祉事務所や環境部、湯川支所など4カ所にも8台を導入済み。雪解けを待って本格的に稼働させる予定で、2010年度末には当初計画通り総台数を28台にまで増やすという。その後は、公用車がない学校などの配置希望にも応える方針。(小泉まや)