2010年1月17日 (日) 掲載

◎真冬の戦い熱く激しく 函新杯アイスホッケー開幕

 第13回函館新聞社杯アイスホッケー大会(函館新聞社主催)が16日、函館市民スケート場で開幕した。今季は1チーム減の7チームが出場。約3週間にわたり総当りのリーグ戦で優勝を争う。開会式では各チームから約50人が出席し、健闘を誓い合った。試合に先立ち行われたフェースオフは函館アイスホッケー協会の大浜一夫理事長が務めた。

 開幕カードのアイスクラッシャー―土現フェニックス戦は雪の中で熱戦を展開。選手同士の激しい当たりや、かけ声がリンクに響き渡っていた。2月9日に全日程を終える予定で、計21試合が行われる。(小林省悟)



◎函館市予算編成作業が本格化…新制度に戸惑う声も

 国が地方公共団体の財政運営の指標となる「地方財政計画」の規模を示したことを受け、各自治体の新年度予算編成作業が始まった。一般会計で1200億円台の予算規模を持つ函館市も本格着手。地方交付税の増額など明るい要素もある一方、「子ども手当」の一部地方負担や公立高校の無償化など、制度設計が依然として不明りょうな部分も多く、編成作業は困難を極めそうだ。

 総務省が示した地方財政計画の規模は2009年度比0・5%減の82兆1200億円。一般財源のうち地方税収は同10・2%減の32兆5096億円で、臨時財政対策債(赤字地方債)を合わせた実質的な地方交付税の総額は同17・3%増の24兆6004億円。財源不足は過去最高の18兆2200億円に上る。

 これら財源不足の影響からか「子ども手当」は従前から所得制限を設けて支給している「児童手当」と一緒にする形で、合わせて1人あたり月額1万3000円を支給するとしている。国は11年度以降の全額国費負担を検討する方針だが、市財政課は「地方負担が生まれることでやめる事業も生じ、今から事業選択をしていかなくてはならなくなる。11年度以降にすべて地方負担になるのではという懸念もある」と不信感を示す。

 また10年度から公立高校の授業料を徴収せず、国費で負担することも盛り込まれた。市の場合、市立函館高校で年間約1億円の授業料収入があるが、実務的な手続き内容は示されておらず、「国が授業料分を丸々肩代わりしてくれるのか不安」(同課)。

 民主党政権のマニフェストに加え、10年度は西尾正範市長の任期最終年度に当たり、市長のマニフェストに基づく予算をどう盛り込むかも焦点となる。同課は「各省庁から地財計画の説明を聞いた上で、例年通り2月中旬には予算案を発表したい」と話している。(千葉卓陽)



◎石川議員逮捕で道南の政界、市民にも驚き広がる

 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐる事件で、東京地検特捜部が15日夜、政治資金規正法違反容疑で同会の元会計事務担当者、石川知裕衆院議員(道11区、民主党)を逮捕したことで、函館・道南の政界関係者も驚きを隠せないでいる。今夏の参院選への影響を懸念する声のほか、市民からは「国民の信頼を裏切る結果となり残念」との声が聞かれた。

 道8区選出の逢坂誠二衆院議員(民主党)は16日、東京で開かれた党大会を終え、午後5時25分に函館空港に到着。石川議員の逮捕について「非常に驚いた。政治資金規正法違反、虚偽記載の内容での逮捕は、普通はない。しかもなぜ(党大会や通常国会を控えた)この時期か」と疑義を示した。ただ、今回の件で政治資金をめぐる説明責任を求める声が強まっており、どう応えていくかが焦点となるとの考えを示した。

 参院選への影響については「国民の生活が第一なので、関連予算をしっかり成立させて生活を守ることを貫徹させなければならない。それができなければ選挙への影響も出るだろう」と述べた。

 参院選比例区に私鉄総連の組織内候補として民主党から出馬する前函館市議の板倉一幸氏は「小沢幹事長が責任を持って、断固として潔白を主張しており、それを受け止めて事態の推移を見守る。しかし、参院選に影響がないとは言えないと思う」と述べた。小沢氏の主張と報道内容の違いに戸惑っており、「今のような報道内容が続けば有権者に与える影響は大きいだろう」と懸念した。

 昨年夏の衆院選で逢坂氏に大敗を喫した8区自民党。川尻秀之幹事長は「逮捕については報道されている範囲しか知らず、事実関係もはっきりしないためノーコメント」とした。その上で「人さま(石川議員)の失態の上ではなく、衆院選敗戦の反省の上に立って、8区自民党の再生と党勢拡大を図っていきたい」と語った。

 公明党函館総支部の横山信一総支部長は「小沢幹事長の説明に国民は全く納得しておらず、しっかり説明する義務がある。有権者の政治への信頼を裏切ることになり、石川氏は議員辞職してけじめをつけるべきだ」と批判した。

 政治の信頼回復を求める声は市民からも相次いだ。函館市内に住む女性(28)は「国民の代表がこんなことで捕まるのは残念。疑惑はちゃんと明るみにしてほしい」、道教育大函館校4年の中道真さん(21)は「どこでも同じような事件が起きているという感じ。同じ選挙区の故・中川昭一氏を破ったのに、結局こうなるのは残念」と話していた。(高柳 謙、小川俊之、新目七恵)


◎旭友ストアー撤退 コープさっぽろが木古内、福島店引き継ぎ

 【札幌】バス会社の旭川電気軌道(旭川市)が子会社の食品スーパー旭友ストアー(同、河西利記社長)道内14店舗を閉店し、スーパー事業からの撤退を決めたことをめぐり、同社とコープさっぽろ(札幌市、大見英明理事長)は16日、札幌市内で記者会見を開き、コープさっぽろが、木古内、福島店を含む8店舗の営業を引き継ぐと発表した。社員、パート従業員も、面接をした上で雇用を継続する方向で大筋で合意した。

 旭友ストアーは3月から5月末までに順次閉店し、閉店後1カ月以内に改装を終え、コープさっぽろとして生まれ変わる。木古内、福島店など各店舗の閉店時期は未定。今後、両者で調整する。

 また、旭友ストアーが発行する「Aカード」の脱会手続きは2月15日からとし、同社は「ポイント還元などお客に一切迷惑をかけない形で清算を行う」としている。

 旭友ストアー木古内店は社員4人、パート従業員23人。2008年の売上高は5億9千万円。福島店は社員4人、嘱託1人、パート従業員20人。2008年の売上高は5億8千万円。

 コープさっぽろは「木古内、福島店など営業を引き受ける店舗については、売上高を最低でも1・3倍以上にすることを見込んでいる」と話している。

 店舗を抱える自治体でも安どする声が出ている。木古内町の大森伊佐緒町長は「雇用や地域経済の面からも、ひと安心。町民だけでなく、近隣の町からも買い物客が来ているので、コープさっぽろによる営業継続は喜ばしい」と話した。(松宮一郎)


◎函館で今季最低の氷点下13・1度 連日の大雪で市民に疲れ

 16日の函館は上空に強い寒気が流れ込んだ影響で厳しい冷え込みとなり、午前3時17分には氷点下13・1度と今季最低気温を記録した。前日からの雪により積雪も今季最高の45センチに達し、市内各所では、止まらない降雪に疲れた顔で除雪に追われる市民が目立った。(小川俊之、小杉貴洋)

 この日は最高気温も氷点下5・3度と平年を5・7度下回った。15日午後7時から16日午後7時までの降雪量は16センチで、風によって舞い上がった雪がドライバーの視界をさえぎるなどし、市内の幹線道路を中心に、のろのろ運転をする車による渋滞が広がった。

 連日の大雪に市民もうんざりした様子。市内宮前町の井上迪夫さん(74)は「高齢者にとって除雪は重労働。市にもじん速できめ細かい除雪を呼び掛けているが、対応が追いつかないようだ」と頭を抱えていた。

 雪の影響は交通機関にも及んだ。全日空(ANA)は東京午前11時55分発函館行き853便が新千歳空港に目的地を変更、丘珠―函館間など5便が欠航し、計約600人に影響。北海道エアシステム(HAC)も丘珠と釧路から函館へ向かう2便が新千歳空港に目的地を変更したほか、奥尻や旭川を結ぶ便など8便が欠航し、計約150人に影響した。日本航空(JAL)でも、東京午後2時10分発函館行き1165便が羽田空港に引き返し、折り返し1168便が欠航。計約375人影響が出た。

 津軽海峡フェリーは16日、海上荒天のため函館―大間間2往復4便を欠航とし、計約80人に影響した。ハートランドフェリーも同日、江差―奥尻間全便を欠航とし、計約60人に影響した。