2010年1月18日 (月) 掲載

◎迫力の鹿子舞 豊年満作祈る

 【厚沢部】 江戸時代から伝わる伝統の「鹿子舞(ししまい)」で新年を祝う、第15回新春町内鹿子舞交流会(厚沢部町教委主催)が17日、町民交流センターで開かれた。会場を訪れた100人を超える住民が、林業の繁栄や豊年満作を祈る幻想的な舞に見入っていた。

 鹿子舞は全国各地に伝わる“獅子舞”とは違い、3頭のシカが主役になる。町内各地で鹿子舞保存会が活動しているが、ルーツの違いから独自の舞や衣装、囃子(はやし)の様式を伝えている。

 同日は1600年代後半、町内のヒノキ山開発とともに、津軽地方から伝えられたとされる土橋鹿子舞(富栄鹿子舞保存会)と、2001年に住民有志により再興を果たした上俄虫鹿子舞(上里獅子舞保存会)が披露された。森の中で雄鹿と老鹿が、雌鹿をめぐって激しく争う様子を表現した伝統の舞を演じた。

 また、2007年から交流会に参加している美和権現獅子舞(美和権現獅子舞保存会)も上演。江戸時代初期に厚沢部に伝えられたとされる、古来からの神楽を起源とする“獅子舞”で、迫力のある獅子頭を手にした男性2人が、笛や太鼓の囃子に合わせて勇壮な舞を披露し、大勢の観客を沸かせていた。(松浦 純)



◎函館のバレエ 発展願い集結 9月に5団体合同「白鳥の湖」

 函館と北斗市内のバレエ教室など5団体が合同で演じる「白鳥の湖―全幕―」が9月23日、函館市民会館で開かれる。17日には各団体の参加者約70人が函館市美原の函館バレエアカデミーに集まり、合同レッスンを開いた。参加者はいつもと違う指導者や周りのメンバーから刺激を受けながら、同演目の中で使われるステップの習得に励んだ。

 この合同バレエは、1999年に8団体が参加し「くるみ割り人形―全幕―」を上演して以来、10年ぶりの開催。前回は函館市民文化祭としてで、今回は参加団体などが実行委員会「合同バレエ『白鳥の湖』を上演する会」を作り公演する。実行委員長は五稜郭タワーの中野豊社長で、市文化・スポーツ振興財団が共催する。

 参加するのは、三国バレエ研究所(三国利栄子主宰)、函館バレエアカデミー(長谷部今子主宰)、岡島緑バレエスタジオ(岡島緑主宰)、YWCAバレエ教室(鈴木麻理子代表)、バレエスクール北斗(中山智恵主宰)に所属する、小学4年生(新年度)から60歳代の一般まで約100人を予定。このほか、王子などの男性ダンサーに東京や札幌からゲスト6人などを招く。

 芸術監督は三国さん。振り付けはロシアのマリインスキー劇場バレエ団版で、第1、3幕を岡島さんが、第2、4幕を長谷部さんが担当する。「古典ロシアのもので、音楽的に崩さず、出演する子どもたちの成長の過程として、個々の技術に合わせて作っていく」と2人。鈴木さんと中山さんは振り付け補佐を担当する。

 この日は、講師紹介の後、バーレッスンを中心にストレッチやステップ練習をした。今後は合同レッスンを3回行い、指導者たちはこの中で、それぞれの技術を把握する。3月下旬に配役を決定するオーディションを行う。

 三国さんは「いつもと違うメンバーが心を合わせて演じ、舞台を成功させると大きな喜びになる。これは、私たちが学んできたことであり、今度は指導者として伝えることで、函館のバレエ発展につなげていきたい」と話している。(山崎純一)



◎4年間で職員143人削減 桧山7町の行革

 【江差】行政コストの圧縮を目的とする「集中改革プラン」に基づき、桧山管内7町が進めてきた町職員削減の取り組みは、2005年度から本年度までに合計143人に上ることが分かった。05年度を基準とする平均進ちょく率は、計画を大幅に上回る136・7%に達している。

 同プランは06年度、行財政改革の一環で総務省の要請により全国の市町村が策定。行政コストの圧縮に向けて、人口規模に見合った職員の削減などが柱となっている。

 道のまとめによると05年4月現在、管内7町の職員数は1151人だった。同プランに基づき7町は、今年4月までに合計102人を削減するとしていたが、プラン5年目となる本年度までに、新規採用の職員を差し引いた削減数は、計画を上回る143人に上った。これにより本年度、町別の職員数は、江差町118人、上ノ国町97人、厚沢部町98人、乙部町100人、奥尻町147人、今金町167人、せたな町281人の計1008人となった。

 05年度を基準とする削減計画の進ちょく率は7町平均で136・7%。町別の削減数は、江差町13人(進ちょく率185・7%)、上ノ国町12人(同63・2%)、厚沢部町8人(同100%)、乙部町12人(同133・3%)、奥尻町23人(同153・3%)、今金町13人(同100%)、せたな町62人(同177・1%)。

 道内145町村の平均進ちょく率は114・1%。政令指定都市の札幌市を除く道内179市町村の平均は107・3%だった。桧山管内で全道平均を上回るペースで職員削減が進んだのは、急激な過疎化に伴い行政規模そのものの縮小を迫られていることが背景がある。また、深刻な財政難から、歳出の大きなウエートを占める人件費を圧縮するため、定年などで退職した職員を穴埋めしない減員不補充の手法により、職員数の削減を進めてきた町が多い。

 ただ、管内7町でも、戦後のベビーブームに生まれた“団塊の世代”が、昨年度までに一斉に退職を迎えたほか、引き続き1950年代前半に生まれた町職員の大量退職を控えている町もある。このため「職員の世代構成を適正に維持するには、計画的な職員採用は必要だ」「若手職員が管理職となる時期には、同世代の職員数が極めて少ない状態になる。行政運営のノウハウをどのように継承するのかが大きな問題となる」(ある町幹部)として、これまで手控えてきた新規採用を再開する動きも本格化している。(松浦 純)


◎美和小の新校舎完成 3学期から使用開始

 【厚沢部】昨年6月に火災で全焼した、厚沢部町立美和小学校(山崎憲一校長、児童11人)の新校舎が完成した。火災後、校舎に隣接する美和生活改善センターで授業を続けてきた児童11人は、20日に始まる3学期から新しい校舎での授業をスタートする。

 同校では昨年6月6日、校舎内部から出火し、1950年建設の木造1階建ての校舎内部410平方メートルを全焼した。町教委は同15日から、美和生活改善センターを仮校舎として授業を再開。町は現地での学校再開を望む地域住民らの要望に応えて校舎新築を決め、約6300万円の予算を計上。旧校舎を解体した上で、軽量鉄骨造1階建て、床面積295平方メートルの新校舎を建設した。焼け残った屋内運動場はそのまま利用する。同校では20日に3学期がスタート。地域住民からは「火災の傷跡を感じられない新校舎の完成を心待ちにしていた」「地域のシンボルである学校がようやく再建された」と、喜びの声が上がっている。(松浦 純)


◎受験に滑らない“砂”入り 川村組土建が合格祈願のお守り配布

 川村組土建(函館市亀田町、川村宏人社長)は凍結路面の滑り止めに散布する砂を入れた“受験にも滑らない”合格祈願のお守りを、市内末広町5のアクロス十字街(市水道局庁舎)前で配布している。2月末ごろまで、受験生やその家族らが自由に持ち出せるよう、街頭に置いておく。

 お守りは幅4センチ、長さ5センチの厚手のポリ袋製で、持ち運びやすいよう昨年よりもサイズを小さくした。袋の中には風水で学問成就の色といわれる緑色で、「合格祈願すべり止め砂」と記された台紙、せたな町の砂数グラムが入っている。除雪作業に携わる社員が心を込めて作り、学問の神「菅原道真」を祭る矢不来天満宮(北斗市)で合格の祈とうを済ませてある。

 国道278、279の道路維持管理、除雪作業の委託を受ける同社が2006年から始めた。管理する道路付近で十字街界わいに人を呼び込む狙いもあってこの場所に設置した。お守りは2000個用意し、毎日補充するがなくなり次第終了する。

 同社の菊地保工事課長(48)は「去年より寒いので、滑らないように転ばないように気を付けて、このお守りを持って行ってください」と受験生にエールを送る。(宮木佳奈美)