2010年1月3日 (日) 掲載

◎迫力「騎馬参拝」…函館八幡宮

 大雪に見舞われながらも、穏やかに2010年の新春を迎えた。函館市谷地頭町の函館八幡宮(中島敏幸宮司)では2日、急斜面の石段をドサンコ馬が力強く駆け上がる「騎馬参拝」が行われた。同市東山の「函館どさんこファーム」(池田茂代表)の会員4人が流鏑馬(やぶさめ)の装束でドサンコ馬にまたがり、「ハイ、ハイ」との掛け声に合わせてテンポよく石段を登った。

 同ファームが1998年からホーストレッキングの安全を祈願して行っている。4頭がひづめの音を響かせながら134段の石段を一歩一歩踏みしめる姿に「すごい」という声が見物客の間から聞こえた。騎馬参拝を毎年見に来ているという市内の男性(52)は「馬が階段を駆け上がる迫力が魅力。これを見ないと新しい年を迎えた気がしない」と話し、熱心に見入っていた。

 拝殿前でおはらいを受け、1年の安全を祈願。参拝後は子どもたちを馬に乗せるサービスも行った。池田代表は「ドサンコ馬のように力強く、不景気の階段から一段一段上がっていけたら」と話していた。(黒田 寛)



◎初詣で 願い込め手を合わせる

 断続的な風雪で年越しとなった函館市内では、31日深夜から1日にかけ、寺社に初詣で客が訪れ、新しい年の無事と平安を祈った。

 函館八幡宮(中島敏幸宮司)では、雪がやみ始めた1日午前に家族やグループが続々と詰め掛け、拝殿前で手を合わせ、静かに新しい1年への希望を託した。市内湯川町の女性(77)は「毎年元日にお参りするが、今年は十数年ぶりに除雪をしてからとなった」と話していた。

 願いごと書いて奉納する絵馬は受験生らが多く利用した。今春に高校受験をする市内柏木町の男子中学生(15)は「まだ志望校を決めていないが、春には合格のお礼に来たい。受験勉強は順調です」と話していた。(山崎純一)



◎デパート初売り 長蛇の列

 函館市内のデパートで2日、初売りが行われた。各店で開店前から買い物客が長蛇の列をつくり、オープンと同時に先を争い福袋や目玉商品を買い求め、店内は大きな袋を抱えた人たちでにぎわった。

 丸井今井函館店(本町32)には午前9時の開店前から多くの客が並んだ。同店が予約販売する人気ブランド福袋は700個を売り上げた。そのほかの有名ブランド福袋や、地階食品コーナーで販売された2010年を記念した2010円福袋なども人気を集めていた。七飯町から夫婦で訪れた鈴木進さん(59)は「呉服福袋とフライパン福袋を買った。今年は良い年にしたい」と笑顔で話していた。

 テーオーデパート(梁川町10)では、ロレックス、エルメスのバッグ1点が入った福袋(100万円)や、グループ企業の創業60周年を記念した、600円から60万円の均一セールを実施した。

 棒二森屋(若松町17)では、事前に予約して販売する「新春縁起福袋」をはじめ、衣料雑貨や宝飾、電化製品が入った1万円、3万円、5万円の福袋を用意。店の前でもちつきも行い、大勢の客に振る舞った。(黒田 寛)


◎今年の目標など思い思いに…新春親子書初め

 第13回函館新聞社「新春親子書初め大会」(函館新聞社、実行委主催)が2日、函館新聞社ホール(港町1)で開かれた。幼児から大人まで約30人が参加し、今年の目標や新春にふさわしい語句を力強く書き上げた。

 実行委員長の大川瀟湖さんを中心に「うまい下手にかかわらず字を書くことの楽しさを知ってもらいたい」との思いから、毎年実施している。

 参加者は縦68センチ×横35センチの画仙紙に向かい、真剣な表情で「陽春」「とら」「新年」など正月らしい言葉を丁寧な筆運びで書いていた。

 実行委員の安保天寿さんが「寅(とら)」の字を揮ごう。強さやたくましさを持った人に育ってほしいとの子どもたちへのエールを込め、圧巻の筆さばきで大きな作品を仕上げた。「同じ文字でも一つとして同じ作品はない。1年間積み重ねてきた集大成をみた。これからがもっと楽しみ」と子どもたちの無限の可能性に期待を寄せた。

 参加2回目の東山小4年の斉藤舞子さん(10)は「“大志”という文字を元気よく書けるように心掛けた。大好きな書道をこれからも続けていきたい」と笑顔で話していた。全作品は、3日から17日まで同社1階ギャラリーに展示するほか、本紙紙面でも紹介する。(小杉貴洋)


◎09年交通事故 死者数22人 目立つ高齢者

 道警函館方面本部交通課は2日、2009年の交通事故発生状況を発表した。管内の交通事故発生件数は前年比60件減の1702件で、死者数は同4人増の22人、負傷者は同40人減の2105人だった。死者数は、一昨年の18人に次いで、過去2番目に少ない。道内全体の死者数は同10人減の218人で、1950年以降で最少となった。

 管内の特徴をみると、死者22人中、高齢者が14人で前年より4人増加。高齢者が事故の第1当事者となるケースも増加している。発生は、夕暮れ時から夜間にかけての事故が目立ち、午後4―8時に10人と集中している。類型別では、人対車両、車両単独が各7人、正面衝突は3人。乗車中の事故で死亡した14人のうち、シートベルトを着用していなかったのは6人で、3人はシートベルト着用で助かった可能性が高いという。

 また、函館近郊の2市1町(函館中央、西署管内)でみると、事故件数は中央署管内1231件、西署管内264件で、いずれも微減。死者10人のうち、函館市内では8月に小安町の国道で2人が死亡した事故などで計7人、北斗市内では1月の踏切事故や4月の死亡ひき逃げ事件などで計3人、七飯町内では死亡事故はなかった。

 道内では、事故件数は同1588件減の1万9503件で、負傷者は同1946人減の2万3855人。都道府県別の死者数は、5年連続でワーストワンを回避し、愛知の227人に次いで2番目で、以下、埼玉が207人、大阪と東京が各205人と続いている。(今井正一)