2010年1月5日 (火) 掲載

◎ワカサギ釣れた! 大沼で氷上穴釣りオープン

 【七飯】大沼国定公園の冬の風物詩・ワカサギ氷上穴釣りが4日、蓴菜(じゅんさい)沼で始まった。初日は天候にも恵まれ、観光客や地元客など約80人が来場。竿を巧みに操り100匹以上釣り上げる姿も見られるなど、釣りを満喫する来場者でにぎわった。

 同沼でのワカサギ釣りは、例年12月下旬から行われるが、今シーズンは気温の高い日が続き結氷が遅れたため、年明けのスタートとなった。

 日高管内浦河町から森町の祖父母宅に遊びに来た小学3年、一ノ尾太郎君は、毎年父親とともにワカサギ釣りに訪れるのが恒例行事となっている。この日は1時間ほどで約50匹を釣り上げたが「昨年は200匹釣ったのでちょっと物足りない。100匹まで粘って、待っている家族のおみやげにしたい」と意気込んでいた。

 ワカサギ釣りの営業時間は午前8時から午後4時まで。料金は遊魚料が大人600円、子ども350円(釣り場管理代含む)。竿レンタル(餌付き)500円。なおビニールハウス内にも約30人分の釣り場が設置してあり、無料で利用できる。同漁場を管理する大沼漁協では「天候によってオープンできない場合もあるので、電話で確認してほしい」と話している。問い合わせはTEL090・1307・4206。(小川俊之)



◎来月「はこだて観光圏」申請…道南全自治体が国に

 渡島・桧山管内の2市16町が道南全体での広域観光推進を目指して「はこだて観光圏整備計画案(仮称)」を、今年2月をめどに国に認定申請する。函館圏として5年後の観光客入り込み数20%アップを目指し、食を中心に事業展開を図る。2月中旬に同計画の推進協議会を発足させ、計画案の承認を経て申請する方針で、関係者は低迷が続く道南観光の起爆剤としたい考えだ。

 「観光圏」は2008年に施行した観光圏整備法に基づき、観光客の来訪や長期滞在を促進する目的で観光庁が特定地域を認定する。制度は08年度からスタートし、全国で30地域、道内では札幌広域(札幌市、江別市など8市町村)、富良野・美瑛(富良野市など6市町村)、知床(斜里町など4町)が認定を受けている。

 認定を受けることで、事業ごとに国から上限40%の補助が受けられるほか、旅行業法の特例としてホテル・旅館が宿泊客に対し、旅行商品を販売することが可能になるなどのメリットがある。

 道南の18市町はこれまで、ドライブ周遊観光や各種スタンプラリーなどを手がけてきたが、他地域とのさらなる競争力強化を図り、道南の魅力をPRしようと申請に乗り出すことを決めた。

 計画案では地域全体が“食の宝庫”であることをアピールし、食を中心とした事業を盛り込む方針。具体的には、食と観光地、宿泊地を結びつけた広域ルートの創出や、昨年9―11月に実施した実証実験「渡島桧山ドライブ&ステイ」をベースにした周遊プログラムなどを盛り込む考え。協議会は昨年11月に準備会を立ち上げており、各自治体に加え、観光、商業、公共交通機関など幅広い団体が参画する見通しだ。

 ただ、政府が昨年行った「事業仕分け」では観光圏整備事業について「8割程度の予算削減」と判定されており、申請受け付けは新年度が最後となる見込み。道内では道南のほか室蘭・登別や小樽などが申請するとみられている。同協議会の事務局が置かれる函館市は「相当な狭き門となることが予想されるが、これをくぐり抜けての認定に向け、魅力的な事業を提案していきたい」(観光振興課)と話している。(千葉卓陽)



◎香り立つ「一番ニラ」収穫始まる…知内

 【知内】知内町特産のニラの収穫作業が4日、町内のビニールハウスで始まった。午後には札幌に輸送され、5日の初競りに掛けられる。甘い香りが広がるハウスの中で、青々と成長したニラを根元から丁寧にかまで刈り取っていった。

 この日は、知内町ニラ生産組合(74戸、石本顕生組合長)の5戸で「一番ニラ」の収穫作業が行われた。

 知内町のニラは「北の華」のブランド名で知られ、味の良さと徹底した品質管理で国内有数のブランドに成長した。甘みがあり、葉の幅が広く肉厚なのが特長。

 町重内の北島道男さん(38)は午前7時すぎから作業を始め、長さが約50センチに成長したニラを次々に刈り取っていき、約50キロを収穫。北島さんが刈り取り、家族が短い葉などを取り除き、結束までを行った。これから作業が本格化するため、パートの従業員を雇うという。

 北島さんは「昨年の天候不順で株の成長が心配だったが、例年並みの出来になった」と話していた。「一番ニラ」の収穫は3月に最盛期を迎える。(松宮一郎)


◎ジャンボ絵馬に願い込め…JR函館駅に登場

 JR函館駅コンコースに4日、恒例の「ジャンボ絵馬」が登場し、受験生やその家族らが早速、「志望校合格」「就職内定」などの願い事を書き込んでいた。

 1982年から毎年設置され、今年で29回目。絵馬は高さ1・2メートル、横幅2・4メートルで、社員の花田芳治さん(49)が十二支で運気が強い干支(えと)の寅(とら)にちなんでデザイン。2015年開業予定の北海道新幹線の主力車両「E5系」や、五稜郭タワーの絵も組み合わせた。

 初日は市民のほか、道内外からの帰省者も絵馬に願いを書き記していた。函館市内の祖母の家を訪れている静岡県の羽生直輝君(15)は「希望の高校に絶対合格するという気持ちを込めて書きました」と話した。札幌市内の高校受験を控えた孫の合格祈願で訪れた函館市内の女性(81)は「去年も来て、別の孫が中学受験に合格したのでご利益があった。今回も合格できるよう願っています」と思いを託した。

 昨年絵馬に願いを書き、今春から志望小学校に入学する神奈川県の渡部咲蔵ちゃん(6)が、鈴木克彦駅長に合格のお礼をする一幕もあった。絵馬は2月7日午前10時まで設置され、同11時に函館八幡宮に奉納される。鈴木駅長は「夢がかなうようぜひ絵馬に書き込んでもらいたい」と話している。(宮木佳奈美)


◎心機一転 仕事始め

 道南では4日、国や道の出先機関が新年の通常業務を開始し、多くの民間企業でも仕事始めを迎えた。各職場では年頭のあいさつなどが行われ、職員や社員らは思いを新たに2010年のスタートを切った。

 ■渡島支庁

 渡島支庁では午前11時から、講堂で寺山朗支庁長が集まった職員約250人を前に仕事始めのあいさつ。「リーマンショック以降の世界的な不況で渡島地域も明るい兆しが見えないが、地域経済の活性化や雇用拡大に向け、自治体や経済界と連携しながら、より一層の成果を」と訓示した。

 5年後に迫る北海道新幹線の新函館駅開業については「12月の新青森駅開業の好機を逃さず、道南の地域振興につがるよう取り組みを加速していこう」と呼びかけた。昨年の政権交代にも触れ、「本道の主要事業である公共事業が大きく減少し、地域経済への影響も懸念される」とし、「えとのトラのように猛然と戦い、数々の障害を乗り越えよう」と述べた。

 ■桧山支庁

 桧山支庁(江差町陣屋町336)では、高橋則克支庁長が庁内放送を通じて「人口減少が続くこの地域で、住民の幸せを作り出す魂が入った仕事をしてほい」と職員に訓示した。

 支庁再編をめぐっては「(総合振興局に集約される)広域事務の具体的内容などの残された課題は多い。1月中にも2度目となる地域との公開協議を開催して、一定の合意に達するよう努力したい」とした。その上で職員には、4月の再編条例施行を控えて「(振興局への)名称変更に伴う対応をお願いしたい」と呼び掛けた。

 管内の水産業の振興については、価格高騰が続くナマコの養殖を指導する道職員を上ノ国町に派遣して、管内全体の調整役とする考えを示した。また、昨年12月に国が採択した南桧山地域医療再生計画の推進については「4月以降の道立江差病院での出産再開を最重点に取り組む」との決意を示した。

 ■函館バス

 函館バス(函館市高盛町)では、寺坂伊佐夫社長が同社社員とグループ会社の函館バス商会、エイチ・ビー観光の社員約50人を前に、年頭のあいさつを行った。

 寺坂社長は「今年の漢字」に「新」が選ばれた昨年を振り返り、「『新しい』は『あらためる』につながり、改革は当社にとって大事。自分で考えて行動する“Think&Action”を実施してもらいたい」と呼び掛けた。

 また、今年12月の東北新幹線新青森開業を見据え、「函館にとって新幹線元年。どうやって観光客を受け止めるか、考えて行動する年だ」と強調。「函館バスが地域の要望に応えて何ができるか、地域の住民から意見をもらって一緒に考え、実施していきたい」とモニター制度を創設する意向を示した。

 入社4年目になるバス事業部の大川諒さん(24)は「今までと同じことをしていては収益が上がらないので、やったことがない新しいことにチャレンジする1年にしたい」と抱負を語った。(森健太郎、松浦 純、宮木佳奈美)