2010年1月7日 (木) 掲載

◎梅谷さん干支たこ揚げ 上空に勢いよく舞う

 函館在往で日本凧の会会員の梅谷利治さん(80)は6日、市内大町の緑の島で、新春恒例のたこ揚げをした。訪れた市民ら約30人が見守る中、干支(えと)の「寅」(とら)を題材にした連だこなどが威勢良く駆け回るように舞い上がった。

 梅谷さんは毎年、松の内に、ほぼ1年かけて制作した干支のたこを揚げている。今年は夢に挑戦する気持ちを込めた「夢寅愛」(夢トライ)の平面だこや連だこ、獅子舞を模した立体の「開運寅舞(とらまい)」などを準備してきた。5日を予定していたが雪のため延期。この日は北西の強い風が吹きつけて危険なため、平面だこなどは揚げられなかった。

 約60枚もの連だこは訪れた親子が力を合わせて糸を引き歓声を上げた。開運寅舞は2つ一組で空高く跳ねるように舞った。龍の連だこは自在に体を動かし来場者を驚かせた。梅谷さんは「強風で揚げるのは大変だったが、空のトラたちは喜んでいるようだ。龍も勢いがあり、今年は良いことがありそう。この日を迎えられるように協力してくれた人たちに感謝したい」と話していた。

 この日に揚げた干支のたこなどは15日まで、市地域交流まちづくりセンター(末広町4)で展示されている。(山崎純一)



◎台湾へ初のコンテナ…11日函館市

 函館市は11日に、港町ふ頭コンテナヤードから、台湾向けの貨物が出荷されると発表した。国際コンテナ航路を使った台湾向けの出荷は初めてで、現地の旧正月に向けた歳末大売り出し用の商品として、米やイカ飯など道内産品を輸出する。市は今後の継続輸出につながるよう期待している。

 積み込むのは、森町砂原1の農水産物卸販売業「ハダテ物産」(荻野和彦社長)が集めた食品で、空知産の米「ななつぼし」652キロや日の出製麺(函館)のラーメン用スープ150キロ、グルメフーズ(札幌)のキャラメル、同社が販売しているイカ飯など約40品目、2・6トン分。

 20フィートドライコンテナ(長さ6メートル、幅2・4メートル、高さ2・5メートル)1本を使用。11日に入港する南星海運(韓国)の定期貨物船に積み、韓国・釜山で現代商船(同)の貨物船に積み替え、台湾に運ばれる。

 今回の輸出は台湾・台北市政府が主催する歳末大売出し(1月29日―2月12日)に合わせたもの。台北市政府は大売出しに際し、初の海外からの出展として函館市に3メートル×2・5メートルのブースを4個、無償提供することを決定。市は輸出先の東桜国際有限公司と折衝を重ねた結果、道産品を並べることで一致した。

 市港湾空港部によると、大売出しには約200万人の市民が買い物に訪れるといい、高い宣伝効果に期待が高まる。同部は「北海道は台湾でブランド化されており、現地では本物の道産品を知りたいという思いが強い。地元からコンスタントに輸出品が出てくるよう働きかけを強め、販路拡大につなげたい」としている。(千葉卓陽)



◎桧山産ナマコ 単価は過去最高

 【江差】桧山支庁水産課は6日、2009年の管内漁業生産状況(八雲町熊石地区を含む)を発表した。中国への輸出が好調な檜山産ナマコは、03年には1019円だった1キロ当たりの平均単価が、09年は約3・6倍に当たる3712円に上昇し、過去最高値を更新した。不振が続く管内の漁業生産額に占めるナマコの割合も増大。09年の出荷額はスケトウダラをわずかに追い抜き、イカに続く第2位に躍り出た。(松浦 純)

 中国では品質の高い桧山産ナマコの評価が高く、05年ごろから輸出が急増している。平均単価は05年1762円、06年2707円、07年3285円、08年3444円と右肩上がりで上昇。単価の上昇に支えられ、漁獲額も06年は3億3833万円(前年比109%増)、07年にも6億2200万円(同84%増)と倍増。08年は5億900万円(同18%減)と減少したが、09年は5億3900万円(同6%増)と増加に転じ、管内漁業生産額の12・8%を占めた。漁獲額は06年にウニ・アワビを抜いて第4位に。07・08年は不漁だったサケを、09年には不漁が続くスケトウダラを追い抜き、イカに続く第2位の位置を占めた。

 ナマコの漁獲量は06年125トン(同34%増)、07年189トン(同52%増)と大きく伸びたが、資源保護のため漁獲量を自主規制する動きもあり、08年148トン(同22%減)、09年145トン(同2%減)とやや頭打ち。ナマコは、イカやスケトウダラに代わる主要魚種として期待も高いが、資源減少の懸念も高まっており、種苗放流などの長期的な取り組みが求められている。檜山支庁は新年度、上ノ国町にナマコの増養殖を担当する職員を派遣。同町を中心に資源増大の取り組みを支援する方針だ。

 一方、09年の管内全体の漁業生産量は、漁獲量1万4337トン(同8%減)、出荷額41億9217万円(18%減)と、1975年以降では最低水準を記録。スルメイカ5108トン(同11%減)、スケトウダラ2884トン(16%減)は、いずれも過去10年間で数量・金額ともに最低だった。サケは444トン(同16%増)、ウニ349トン(同5%減)、アワビ19トン(同6%増)、アオヤギ(エゾバカガイ)は172トン(同5%減)と例年並みだった。(松浦 純)


◎3月で閉店の「オタジィラ」15、17日に感謝イベント…映画「アリア」上映など

 函館市地域交流まちづくりセンター(末広町4)1階のカフェ「オタジィラ」(染木加奈子店主)が契約満了に伴い、3月いっぱいで閉店する。3年間の感謝の思いを込め、染木店主(29)が大好きな長万部町出身の映画監督坪川拓史さんの函館ロケ作品「アリア」の上映会と坪川監督率いる楽団「くものすカルテット」の演奏会を15、17の各日に開催する。染木店主は「ぜひ出合ってほしい作品。オタジィラからの贈り物です」と話している。

 染木店主が坪川監督の作品と出合ったのは学生時代。偶然参加した札幌の上映会で短編を見て、「世界観が好き」と強く印象にあったという。

 2006年には長編作品「美式天然」を函館港イルミナシオン映画祭で鑑賞して感激。以来、東京での「くもカル」ライブや道南での上映会に足を運び、坪川監督とメールで交流するようになった。今回、「自分の“宝物”をお客さまに見てもらいたい」との思いから、店を締めくくる催しとして企画した。

 「アリア」の上映は@15日午後3時A同日午後7時B17日午後零時半の計3回。鑑賞券は前売り1000円(当日1200円)。各回坪川監督をゲストに迎える。

 「くもカル」の演奏会は17日午後3時。前売り3000円(当日3500円)。映画鑑賞券とセットでワンドリンクサービス。

 染木店主は「アリアは音楽や俳優、映像などどこを切り取ってもすてきな映画。くもカルの演奏もどちらも、楽しいだけでなく後からじわっと余韻が広がる」と語る。問い合わせ、チケットの予約などはオタジイラTEL090・2871・5515。松柏堂プレイガイドなどでも取り扱っている。(新目七恵)


◎難局乗り越え飛躍、前進誓う…函館市年賀会

 新年恒例の函館市年賀会(市、市議会、函館商工会議所主催)が6日、同市大手町の函館国際ホテルで開かれた。各界から約1000人が出席、厳しい時代を乗り切り、飛躍と前進を期す1年とすることを誓った。

 西尾正範市長は昨年の開港150周年を踏まえ、「200年に向けて再スタートの年にしよう」とあいさつ。「歴史の重みと心を一つにすることを胸に、市民の安心と地域の活力づくりを目指し、人材を育てながら前に進んでいける希望の年としたい」と述べた。

 続いて市議会の吉田崇仁議長が「箱館奉行所のオープンや競馬場のリニューアルなど明るい話題もあり、国際水産・海洋都市構想も本格的に始動する。変化は最大の好機ととらえよう」と述べ、祝杯を挙げた。ステージでは新春らしく獅子舞や琴の演奏などが披露され、出席者は年始のあいさつを交わしながら和やかに懇談した。

 最後に函館商工会議所の森川基嗣副会頭の発声で万歳三唱を行い、函館・道南のさらなる繁栄を願った。(千葉卓陽)